こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

ベトナムの税務制度の一つに、VAT(付加価値税)があります。日本でいう消費税のことですね。

この記事は以下の方のお役に立てます。
  • ベトナムのVATの申告・計算方法がわからない。
  • VATの計算方法にどのような選択肢があるのか知りたい。
  • 計算方法を知りたい。

本日は、このVATの申告・納税方法について説明します。

どのように税務署に報告するのか?どのように税金を支払うか?というお話ですね。

納付の計算方法にはどのような方法があるのか?

申告・納税方法には、2つの方法があります。

☆控除方式 (インボイス方式)

☆帳簿方式 (簡易課税方式)(直接方式なんていったりもします)

控除方式(インボイス方式)とは、

・ベトナムの会計のルールに基づき、会計帳簿、タックスインボイス(レッドインボイス)などをきちんと管理して、

・預かり付加価値税(売上VAT)と仕入付加価値税(仕入れVAT)の差額を申告

≪計算式≫ VAT納付額=売上VATー仕入VAT

する方法です。

参考記事:>>ベトナム付加価値税(VAT) の仕組みを脳みそに焼き付ける!

一方で、

帳簿方式 (簡易課税方式)とは、会社の会計帳簿上の売上から付加価値額を計算して、VAT納付額を算定する簡易的な計算方法です。

≪計算式≫ VAT納付額=販売・サービス等の付加価値額合計 × 税率

その名の通り、簡易的な計算方法となっているのですね。

でも、

付加価値額ってなんなの?」って思いませんか?

私は、思いました!

この付加価値額ですが、2つの方法で算出します。

  • ①直接法
  • ②みなし法(さらに簡易な方法)

①の直接法は、物品およびサービスの販売額から、販売に関連して仕入れた物品およびサービスの購入額を控除した金額を付加価値額として考える方法です。

たとえば、売上合計が10,000で、購入金額が6,000であれば、“付加価値額”は4,000となります。

この4,000に税率を10%を乗じた金額をVATとして納税することになります。

次に②のみなし法です。

業種によって定められた“みなし付加価値率”を用いて“付加価値額”を算定します。

たとえば、商業という業種の“みなし付加価値率”が10%だったします。

売上が20,000であれば、10%を乗じた金額が付加価値額です。

この例の場合、2,000が付加価値額となります。

一定の割合で仕入VATを支払ったとみなして、納税するVATを計算する、簡易な方式といえますね。

VAT申告書フォームの名前

-会社が控除方法を適用する場合、申告書フォーム「01/GTGT」及びフォーム「02/GTGT」を作成し提出します。

一方で、帳簿方法を適用する場合、申告書フォーム「03/GTGT」及びフォーム「04/GTGT」を提出する。

帳簿方式はどんな会社が利用できるのか?

この2つの方法ですが、すべての会社が、好きなように選択できるわけではありません。

原則として、控除方式 (インボイス方式)が採用しなければならず、例外として帳簿方式 (簡易課税方式)が認められる。

といった整理するとわかりやすいと思います。

例外としては、以下の場合があげられます。ざっと記載しますね。

①個人経営の事業者で、会計法に準拠した会計帳簿、タックス・インボイス及び領収書を整備していない会社

イメージとしては、町にあるパパママショップでしょう。きちんとした会計帳簿や文書を作成しているとは想定していないのかもしれません。

②ベトナム国内で事業を行う(外国投資法に基づく投資形態ではない)事業者で、ベトナムの法律に従って帳簿、インボイス及びその他文書を整備していない者

これだと、控除方式を採用できませんね。なぜならば、仕入れVATが正確に把握できないからです。

③金、銀、宝石及び外国通貨を売買する者

そもそも控除方式(インボイス方式)が適さないということかもしれません。

申告・納税方法を登録する時期

会社設立後にその方法を税務署に登録する必要があります。

なので、設立したのに登録していないという場合は注意してくださいね。

日本企業でベトナムに進出している会社様は、ほぼ控除方式(インボイス方式)になるかと思います。

★本日のまとめ★

  • VATの申告方法は1つでなく2つある。
  • 控除方式 (インボイス方式)と帳簿方式
  • 帳簿方式の付加価値計算には2つある。「直接法」と「みなし法」
  • 帳簿方式採用には条件がある。

本日は、ベトナム税務のVATの申告・納税方法について整理しました。

あなたの会社がベトナム税務を正しく理解することにより、ペナルティを回避できることを祈っていますね。

それでは、また!