こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

ベトナムに駐在のあなたは、給与がネットで保証されているはずですよね。

駐在員の給与のグロスアップについては、下記リンク先を参照してください。

>>海外駐在員、グロスアップ給与計算の仕組み

つまり、ベトナムで発生した個人所得税は、会社が負担することになっているはずです。

駐在員様だと、おおよそ、年間で300万円くらいです。とっても大きな金額です!これくらいあったら、ベトナム人の優秀なマネジャーを雇用できますよ。

この個人所得税ですが、会社が負担しているため、帳簿に記帳する必要があります。そのため、損益計算書には記載されそうです。

一方で、“税務上”の処理はどうなっているでしょう?

本日は、この個人所得税の税務上の取り扱いについてお話いたしますね。あれ?これって…どうなの?っと気持ち悪い気持ちを吹っ飛ばせますよ!

っていきなりですが結論はこうです。

会社負担にした、個人所得税については「損金算入」になる。

最初に結論を述べましたが、以下にてその理由などを詳しく記載していきますね。

ベトナム、海外駐在者の給与は果たしてどこから??

ベトナムに駐在されているあなたの給与はどこから支払いが行われているでしょう?

ベトナムの現地法人からは支払いがされていると思います。それとは別に日本の親会社から日本円でも支払いが行われている場合もある場合もあるのではないかと思います。

参考記事⇒>>海外駐在、ベトナムで駐在する日本人の給与の支払いの3つのパターンと税務上のリスク、実務上の留意点

つまり、①ベトナムからと②日本からの支払いです。

そして、個人所得税はこれらを合算して計算する必要があります。(ほかにも家賃などの所得がありますが、ここでは無視しますね。)

そして、個人所得税については、駐在員の場合、前述のとおり、会社が負担しています。

現状のベトナムの法律上での決まり

通達123/2012/TT-BTCに定められています。以下は原文です。

2.31.– Personal income tax not included in deductible expenses when determining taxable income is the amount of tax deducted by enterprises on the income of the taxpayers to pay into the state budget. Where enterprises sign the labor contracts stipulating the salary or wages paid to laborers does not include the personal income tax, the personal income tax the enterprises pay on behalf of is the expense of salary included in deductible expenses upon determining taxable income.

会社が駐在員の個人所得税を負担した場合には、その分、“損金算入”が認められます。

当然といえば当然ですよね。ただし、労働契約書に明記する必要がありますので留意してください。

仮に、これが認められなかったら、会社として大きな影響です。損金不算入、、、。難しそうですが、これに税率を乗じたお金が会社から出ていくというイメージです。

>>“損金不算入”ってなんだ?

すなわち、300万円が損金不算入され、税率が20%なら、60万円のお金が会社から出ていくということです。

でかい!60万円あったら、、、、。

いろいろできるんですよー。(コンサルとか、社員旅行のグレードアップとか。)

でも、税務調査官の視点でいうと、、、

こんな理屈も成り立つようです。

「会社負担の税金は、損金算入が可能です。でも、それはベトナムで払っている給与の場合ですよね。日本側で支払った給与についての個人所得税については、知りませんよ。」

ちょっと、無理がありますね、、、、。でも、そう主張する税務調査官もいるようです。

税務調査官の目的、ノルマはなんでしょう?

税務調査官は、会社から税金を徴収したいのです。そのためには、会社になるべく利益を出してほしいのです。別な視点でいうと、なんでも損金として認めたくないというのが背景としてあります。

果たしてこの場合の結論は?

オフィシャルレター(OL)(このほかいくつか発行されているようです。)によれば、日本側で支払った分の給与に対しての会社が負担した個人所得税も、損金算入可能です。

よかったですね~。 まあ、当たり前といえば当たり前ですけどね。

ちなみに会計上は、給与(621)として処理します。

※オフィシャルレターは、すべてのケースに適用されるものではありません。原則として、個別の案件での回答です。

★本日のまとめ★

・日本人駐在者の給与は、ベトナム支払いと日本支払いのケースがある。

・通達では、会社が負担している個人所得税については、損金不算入を認める。

・日本で支払った給与についてのグロスアップした個人所得税について損金算入するかは議論がある。

・OLによれば、それも損金として認められる。

いかがでしたでしょうか?

ベトナムの個人所得税、悩ましいこともありますよね。

本日は、会社負担した個人所得税の損金性についてお話させていただきました。

あなたの会社が、ベトナム個人所得税をきちんと理解することにより、税務調査があっても自信を持てることを祈っていますね。

それではまた!

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