こんにちは、海外子会社コンサルタントの菅野(すげの)です。

在庫、、、。

「もちろん、知ってるけど、在庫水準について考えたことがない。」

「在庫が多いのは、いけないってなんとなく聞いたことがあるけどなー。」

ベトナム、海外子会社でこのような印象をお持ちの方もいるかもしれません。

本日は、海外子会社において在庫が増加してしまうその理由とその対策についてお話ししたいと思います。

在庫が多く保有しすぎるということは、いいことばかりでありません。むしろ、リスクであることの方が多いです。資金が寝る。在庫が売れない場合の損失など。

あなたがもし、これを読んで頂ければ、適正な在庫水準にすること、もしかしたら、無駄な在庫を発見でき適切な処置ができるかもしれません。

1つ目 工場長は安心したい。販売ロスの可能性を減らしたい。

海外子会社で社長を任されているあなた、日本に在籍していた時は、何が専門でしたでしょうか?

経理部門? ほとんどないと思います。

製造・技術・営業の経験を積まれた方がほとんどだと思います。

あなたにとって、会社経営するうえで一番怖いことの1つはなんでしょうか?

それは、、、、、。

販売できない。出荷できない。ということではないでしょうか?

大事なお客様から、受注をもらったのに在庫がない。これは、一大事ですよね!

場合によっては、お客様の製造工程に影響を与えるかもしれません。あなたの会社がティア1,2などであれば実感されていると思います。

とてもとても大きな事なのですね。

そうすると、そのような事態は避けたいという心情になるのは当然です。そのため、在庫は多めにもっておきたいという風になってしまうのですね。

2つ目 リードタイム

2つ目は、リードタイムです。

原材料や商品を発注してから納品されるまでの時間のことです。

ベトナムやインドに進出している海外子会社では、多くの場合、何かを輸入していることが多いと思います。そして、その場合、海上輸送することがほとんどでしょう。

たまに緊急の場合は空輸のこともありますが、費用が高いですものね。

日本から出荷して、海外子会社まで到着までの期間は、数週間から長くて数か月要することがあります。

これが長いという事は、それなりの在庫を保持していなければいけないということです。

例えば、リードタイムが1か月であれば、あなたの会社は最低限1か月分の在庫を持たなければいけないということです。

逆にリードタイムが短ければ、在庫は少なくてもいいですよ!という理屈です。

3つ目 売れない在庫を長く保有してしまっている。

在庫は資産ではなく、“死産”と言っている人もいます。

資産とはなんでしょう?簡単に言ってしまえば、あなたの会社にお金をもたらしてくれるものです。つまり、売れないのは、資産とは呼べません。

厳しい言い方ですが、どんなに素晴らしい製品でも、売れないものはダメな製品です。製造部門はそれをわかってないから、「売れないのは我々のせいじゃない。会社のせいだ。」と製造、購入し続けてしまうのです。

在庫を減らす解決方法とは?

在庫が多すぎるということは、いいことではありません。では、どのように解決するのか?その方法を共有したいと思います。

☑販売計画を精緻にして、適正在庫を理解する。

販売計画が、正確であればあるほど、在庫をいったいどれだけ保有する必要があるか?というのが明確になります。

ここで、上記で述べたリードタイムという考え方が役にたちます。

将来の販売数量がどれくらいなのか?リードタイムがどれくらいなのか?これをきちんと理解すれば、どれくらいの在庫を保有すればいいのか?いわゆる適正在庫の水準がわかりますよね。

☑社長が、経営分析を理解して介入する。

現場は、現場のことしか頭にありません。そりゃそうです。それが仕事ですから。

そのため、誰か?が介入する必要があります。そして、海外子会社の場合はそれが社長であることが多いです。

毎月、上がってくる月次財務諸表に基づき、あなたが経営分析を行う必要があります。

在庫回転率、在庫回転期間など、もしかしたら、聞いたことがあるかもしれません。これらの経営分析指標が、具体的に何を意味するのか?

あなたは、これを理解して、現場の実態を理解する必要があります。そして、コントロールする。効果バツグンです!

☑社長自ら現場に行ってチクチク言う。

上記で繰り返したように、販売できない在庫は、もはや資産とは言えないのですね。

しかし、財務諸表だけ見ていてもどうしてもわからないことがあります。

その在庫を社長自ら現場に行ってチェックして、工場長などにチクチク聞いて確認する。

そうすると、、、、、。

「実は、この鋼材ですが、サビがありまして、、、、。もしかしたら、捨てないといけません。」

「お客様の急な販売計画が実はありまして、、、、、。余計な在庫があるかもしれません(汗)。」

泥臭いですが、私自ら、製造会社で経営管理に携わっていたことや海外子会社のお客様を見ているとそう思います。

☑こだわりを捨てる。

例えば、苦労して開発した商品。社長であるあなたの思い入れ、こだわりは強いと思います。そりゃそうです。子供のように可愛いですものね。

しかし、過去の成功体験などのこだわりを捨てて、ゼロベースで考えることが重要な時があります。

あなたの思いを捨てるということは勇気がいることですが、海外で成功する人は、変わらないように見えて変わり続けている人なんです。

売れないとわかったら、製造するのをやめる。仕入れるのをやめる。その決断が大事です。積みあがった在庫は、処分しないといつまでも、在庫のままで、維持管理費用がかかります。在庫を倉庫に眠らせておくことのメリットはありません。

安売りしてでも早めに売るという決断が必要となります。

本日は、在庫が増える理由とその対処法についてお話しさせて頂きました。

在庫、、、、。会社によってはものすごくインパクトが大きいです。きちんとすれば、何千万という効果が期待できるかもしれません。

ぜひ、あなたの会社の在庫を是非チェックしてみてください!

あなたの会社が、在庫をちゃんと理解することにより、無駄な損失を回避できることを祈っていますね。

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弊社公認会計士の菅野は以前インドの日系製造会社の現地管理責任者として管理会計、予実分析の導入を実現しました。(越3年、印3年)
そんな製造会社の管理に精通した菅野とベトナム人会計士・税理士がチームとなりベトナム日系企業向けに「管理会計導入支援」を提供しています。

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