渋沢栄一氏が、なぜ、今、重要なのか?

それは、今の状況が、渋沢栄一氏が圧倒的な成果を上げた時代ととても似ているからです。

過去、成功している経営者は、“古典”を自らの経営に生かしてきました。歴史上、偉大な成果を遂げた人物や書籍の事ですね。

繰り返しになりますが、今は、日本の過渡期であり、ピンチの状況であると言っていいと思います。(失われた30年など言われていますよね。)

女性、外国人、若者と、これまでの概念を変えていく必要があります。

今の状況とよく似た大きな変わり目の時代に活躍した実業家。

渋沢栄一氏(1840-1931)の著書

それこそが、「論語と算盤」です。

東京証券取引所、みずほ銀行、帝国ホテル、明治神宮、サッポロビール………。

会社設立や教育に関わった、会社はなんと約500社。「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれています。

渋沢氏は、江戸から明治へ大きく時代に、新たな考え方を次々と取り入れて、多岐にわたる業種を、今日まで残るまでの会社を次々に創り上げました。

2021年には、大河ドラマになります。また、2024年には、新1万円札の顔になります。

中田敦彦のyoutube大学でも紹介されています!

こんにちは、すげの(@tomoyokenomad)です。

本日は、論語と算盤について、現代と海外を絡めながら、まとめて行きたいと思います。経済と道徳とも言えますね。

論語と算盤の目次【処世と信条】

  • 第1章 処世と信条👈ここについてまとめて自分の考えをのべたいと思います。
  • 第2章 立志と学問
  • 第3章 常識と習慣
  • 第4章 仁義と富貴
  • 第5章 理想と迷信
  • 第6章 人格と修養
  • 第7章 算盤と権利
  • 第8章 実業と士道
  • 第9章 教育と情誼
  • 第10章 成敗と運命

動画も撮影しました。

 

【処世と信条】の6つのポイント

第1章のポイント、以下の項目に注目しました。それぞれまとめていきます。

  1. 士魂商才
  2. 人物観察法(視/観/察の三つで人を鑑別)
  3. 人は平等であるべき、適材適所
  4. 争いの可否
  5. 蟹穴主義
  6. 得意と失意

マンガ版もあります!読みやすいです

①士魂商才

渋沢栄一氏は、『士魂商才』が大事だと主張しています。

サムライの心を持ちながら、商人のスキルも持つことが重要。

人間の世の中に立つには、武士精神(士魂)が必要である。しかし、それだけでは足りない。「商才」がなければ、経済の上からも自滅を招いてしまう。したがって、相反して見えるかもだか、どちらも必要。

「士魂」は武士の精神。←論語によって学ぶ。

「商才」は商売の才能。←お金儲け。ただ、論語によって、十分養える。商才というのは、道徳をもって根底としたもの。

論語とは、以下のような意味です。道徳とか、そんなイメージです。

論語とは、古代中国の思想家、孔子の教えを弟子たちが書き留めた書である。人の生きる道や考え方、道徳を述べている。

社長がやさしい。人徳がある。人が大事。⇔ 社長が鬼のように怖い。厳しい。ただし、収益率がいい。

前者は、「論語」で、後者は、「算盤」だと言えますよね。

どちらが大事なのか?という点ですね。とても難しい。

この点、

このどちらも必要なんだ!

と渋沢栄一氏は主張しています。まさに、「論語と算盤」

財務的な観点からは、やはり、資金・お金が潤沢にないといけません。お金は、血液ですからね。

しかし、それだけでは、どうしてもダメという事です。

そして、この書籍とも関連する人間学×マーケティング(神田昌典氏)でも主張しています。

(この本、正直、ノウハウばかりです……。私の手元にある本ボロボロ)

今からの時代「論語と算盤」を兼ね備えた会社こそ、未来へ続く会社である。

引用元:人間学✖︎マーケティング

海外子会社の社長にも当然当てはまります。

営業や、製造の知識が豊富な現地社長は、たくさんいます。しかし、会計(算盤)についての知識も必須と言えます。

②人物観察法

ビジネスをしていく上で一緒に働く人が誰なのか?というのは、とても重要ですよね。その人が、付き合っていく上でいい人なのか?信頼できるかどうか?見抜く方法についても言及しています。

それが、人間観察法と呼ばれるものです。

人を見抜くには、「視・観・察」の三つの方法がある。

第一に、その人のやっている行為を視る。(行為・外側)
第二に、その行為の動機は何なのかを観る。(動機)
第三に、その人の安んずるところ、つまりはどんな目的を達すれば満足するのかまで察する。(その人は、何に満足している?喜びは何に感じる?)

この第三の察が、非常に重要なポイントだと思います。なぜならば、あなたの人生の幸福度やビジネスの成功に関連してくるからです。

Youtubube大学の中田さんは、山縣有朋氏の例にして説明もしています。これは、わかりやすかった。

①軍のトップとなった。(行為・外観)

②国を強くして国を守りたい(動機)

③金儲け、出世だけしたかった。偉ぶりたかっただけでしょ。(察)

身近な例でもいいですよ。考えていきましょう。

①ゴルフをしてみんなを楽しませている。いいキャラ(外観)

②ゴルフを楽しみたい。(動機)

③評価を上げたいだけ。ただ、出世したいとだけ思っている。(察)

(まあ、個人的にはしょうがないことかなと。必要なことです!)

また、こんな例もあるかもしれません。

①お客様を紹介してくれる。(外観)

②紹介料が欲しい。一緒に協力したい。(動機)

③恩を売ってやってるだろ。ずっと感謝しろよな。挨拶こいよ。(察)

みたいな感じです。

わかりやすいように極端な例だったり、悪い例だけを取り上げました。嫌な思いさせたら、ごめんなさい。

③人は平等、適材適所

才能の適不適を察し、適材を適所に置く必要がある。つまり、才能を見抜く力が必要である。

まさに、トップの仕事ですよね。

人には、「弱み」と「強み」があります。あなたの従業員のこれを見抜いた上で、適所に配置する。結果を出すためには、これがとても重要だと言っています。

私は、いつもいつも、これには気を付けています。

ベトナム人スタッフと付き合って特性を見抜き、強みがあった仕事を見つける。というのが、重要な仕事の一つです。

こんな事例があります。

ある女性スタッフは、性格がとても雑。経理の仕事も雑。ケアレスミスが減らない。という問題がありました。しかも、態度が悪い。

会計・税務を支援するコンサルティングファームとしては、致命的です。正直私も手を焼きました。

しかし、その子の強みは?いいところは?だけに着目することにしたのです。

そうしたら、日曜日のサウナに入ってるときに、!と思いついたのです。

セミナーだ!

と。その子は、人前で話したり、説明するのは、好きで、強みだったのですね。

その後、「いい機会を与えてくれてありがとう」って言われました。

必ず、人にはいいところがある。これを肯定的に評価し、潜在能力を発揮さえることが必要なんだと言っているんですね。

「人は平等なるべし」

という見出しで、始まっているのです。これは、要するに人の強み・弱みを平等に把握して、適材適所に置くということですね。

こんな言葉を思い出しました。前田裕二さんの言葉です。

どうせ努力してもダメだ…というあきらめに溢れる社会は、僕は見たくありません。

多くの夢追い人が、大きな希望を胸に携えて、前に向かって進み続ける。そういう世界が見たい。

生まれ育った環境に恵まれた人が勝つのではなく、努力した人が報われて、後天的に勝っていける世界が見たい。

引用元:人生の勝算

これは、人材不足の日本にとってとても重要な考え方になるかと思います。なぜならば、現状は、特定技能制度などで外国人の力を借りていますが、平等とは言えない部分もあるからです。

日本が、本当の意味で、這い上がるためには、「人は平等なるべし」という考え方を強く持つべきなんじゃないかと思います。

④争いの可否

争いは、必要である。なくすべきでない。

マーケットには、必ず競合・ライバルが必要です。

「敵国や外患がいないと、国は滅んでしまう。」

中国古代の思想家である孟子

内部のマネジメントでもそうです。

厳しさ、ケンカがないと後輩が育たないと言っています。

⑤蟹穴主義が寛容

「蟹は、甲羅に似せて穴を掘る」

自分の身の丈にあった、夢を志せ!そうしないと飛んでもない間違い引き落としてしまう可能性がある。

挑戦や失敗はとても必要です。これがとても重要だと思います。

しかしながら、「己を知る」。これも大事なのですね。

これは、会社設立後の撤退基準を決めるというの蟹穴主義だと言えますよね。

「算盤」寄りの意見だと言えます。

⑥得意と失意

うまくいっている時(得意時代)⇒気を緩めず。

うまくいかない時(失意時代)⇒落胆しないで、頑張る。

どんな時も道理を守り続ける。得意時代、失意時代に関わらず、小事(些細なこと、当たり前の事)・大事(大きな事)について同じ考えを持つ。精密な考えを持つ。

要するに、お金儲けなど自分の商売が、うまくいったとしても、「調子に乗るなよ!」ってことで。

これは「論語」寄りですね。

★表でのまとめ、論語?算盤?★

個人的な意見とはなりますが、これらのポイントが、論語よりか?算盤よりか?を表にてまとめますね。

ポイント

論語

算盤

①士魂商才

②人物観察法

③人は平等、適材適所

④争いの可否

⑤鍵穴主義

⑥得意と失意

 

いかがでしたでしょうか?

「論語と算盤」の第1章、処世と信条。

今でも、そして、海外でも使えるノウハウ、教えばかりだと思います。

ちょっとでも、皆様のお役に立てれば幸いです。