こんにちは、マナボックスの菅野です。

本日は、ベトナムでよく聞くEPEについてわかりやすく解説します。

私が初めてベトナムに来た時に、EPEってよくわかりませんでした。本日はこのEPEについて解説したいと思います。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムに投資する予定だ。
  • ベトナムのEPEのメリットについて知りたい。
  • EPEの一般的な論点についても知りたい。

なお、今日は、細かい論点については解説しませんね。

以下の項目について解説します。

  1. EPEとは?一体何?
  2. 免税の整理、EPEのメリット(図解あり)
  3. その他EPEの論点

それでは、解説していきます。

ベトナムにあるEPEってそもそもなに?

EPEとは、簡単に説明すると、以下のような企業のことを言います。

EPE(輸出加工企業(Export Processing Enterprises)

材料等を輸入し、加工・生産した製品を輸出する企業のこと。

このようになります。

EPEの法律上の定義:「輸出加工区内に設立、操業する企業」、もしくは「工業団地や経済区内で、輸出向け生産活動を行い、全製品の税関申告が必要な企業」

引用元:(政令82/2018/ND-CP号)

覚え方としては、「ベトナム国内に存在する企業だけど、海外にある企業」と理解するといいでしょう。すなわち、形式的には、材料をベトナムに輸入して、ベトナムで生産し、その製品等をすべて海外に輸出するのであれば、海外に存在する企業と実質的に同様でしょ。ということです。工場の場所がベトナムにあるだけで、実態は、海外の企業と同じだ!ということになりますね。

したがって、EPE内に入るものはすべて輸入であり、製造したものは全て輸出という扱いになります。

ベトナムにおけるEPE企業は免税される。メリットとは?

では、EPE企業は、税務上どのような取り扱いになるのかを解説します。結論は以下の通りです。

「輸入関税」および「輸入VAT」が免税(かからない)

「輸出関税」が免税 

EPEは税法上、外国企業と同様とみなされます。EPE施設とベトナム領土内との物品の移動にも「通関手続き」が必要です。

代表的な取引は以下です。

  • EPE内での使用、あるいは輸出向け製品の生産のために輸入された物(例:日本本社からの原材料の輸入)
  • 製品加工を目的にベトナム国内の企業から購入した原材料、仕掛品等(例:ベトナムNonEPE企業からの原材料の仕入れ)
  • EPE企業が国内企業(NonEPE)からサービス、建設、取り付け工事を受ける際のVAT(※ただし、EPEの外での取引、例えば、駐在員のアパート、街で購入した文房具、レストランでの接待交際費はVATが発生してしまいます。これについては、費用となってしまう。1,000+100の1,100がコスト)

その他、通関手続が一定の条件のもと簡易化されていたり、VAT申告が必要ないことなどが挙げられます。

表にすると以下の通りです。

EPEの定義

輸入にかかる免税

輸出にかかる免税

物を輸入して、ベトナム国内で加工・製造して全て輸出する企業

  1. EPE内での使用、もしくは輸出向け製品の生産のために輸入された原材料等
  2. 製品加工を目的にベトナム国内の企業から購入した物、原材料、仕掛品
  3. EPEが国内企業からサービス、建設、取り付け工事を受ける際のVAT(ただし留意点あり!)
  4. EPE・輸出加工区・保税倉庫に輸入された物品
  5. ベトナム領土内の別のEPEまたは輸出加工区・保税倉庫から購入した物品
  1. EPE・輸出加工区および保税倉庫から輸出された物品
  2. ベトナム領土内の別のEPEまたは輸出加工区および保税倉庫に対して販売した物品

EPEに関する免税関係を図解でスッキリ理解!

以下の通りです。より、覚えやすいかと思います。クリックすると大きくなります。

どこで消費?など、一定の場合にはVATが発生します。

EPEが国内販売できるのか?と言う点は以下で動画でも解説しております。

関連記事:>>ベトナムでのEPE企業って国内販売していいの?

本日は、EPEの基礎概念を中心に解説させていただきました。

あなたが、ベトナムのEPEの概要を理解することによってベトナムでのビジネスを成功させることを祈っていますね。

EPEの論点はいろいろあります

EPEについての論点は、たくさんございます。細かい論点についてのご相談があれば以下から申込ください。

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