この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナム子会社の会計・経理に携わっている。
  • ベトナムで社長をやっている。管理系の職種についている。
  • ベトナムの勘定科目の有形固定資産(211)について詳しく知りたい

参考記事:>>【図解あり】ベトナムの勘定科目コードを徹底解説!覚えるための2つのコツと9つの疑問点【保存版】

211とはどんな勘定科目

『有形固定資産』です。形のある固定資産というイメージでいいでしょう。

建物とか機械設備です。

Circular No. 200/2014/TT-BTCでは、上記の科目は、以下のように勘定科目コードが定められています。

勘定コード英語日本語
211Tangible fixed assets

有形固定資産

 

2111

Buildings, houses, fixtures and architectural structures

建物、構築物

2112

Machinery and equipment

機械設備

2113

Means of transportation or transmission 

車両運搬具

2114

Equipment or furniture used for management purposes

什器備品

2115

Perennial plants, draft animals and farm livestocks

樹木、生産用動物

2118

Other fixed assets

その他有形固定資産

211の具体的な勘定科目の内容は?よくある取引の仕訳のパターンも解説!

さらに深く踏み込んで見ましょう。よりイメージできることが大事です。

なぜならば、財務諸表は、ビジネス活動→取引→仕訳の積み重ねだからです。

参考記事:>>【徹底解説】BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)はこれで動く!会計仕訳を2つのグループと10つのパターンと図解でおさえればスッキリ!

上記で記載したように、211は、211*というように細分化されます。

2111は、建物及び構築物

建物や構築物を取得した場合には、この勘定を使います。

よくある建物一覧

  • 事務所
  • 工場
  • 店舗
  • 社宅
  • 倉庫

よくある構築(インフラ)一覧

  • 道路
  • 看板
  • 鉄塔
  • 路面

日本でいう構築物もこの勘定に一括りにしている点が特徴的です。

2112は、機械装置

製造するための機械設備などを取得した場合には、この勘定を使います。

製造業は、この勘定の使用頻度は高いです。

よくある機械設備一覧

  • プレス機
  • ブルドーザー
  • パワーショベル
  • 旋盤・溶接機等の製造加工機械

2113は、車両運搬具

自動車を取得した場合には、この勘定を使います。

例えば、社用車などを取得した場合には2113を使います。移動するための固定資産なので通達では、列車や船も想定しているようです。

よくある車両運搬具一覧

  • 自動車
  • オートバイ
  • クレーン車
  • 台車
  • フォークリフト

2114は、工具器具備品

工場やオフィスなどで利用する備品を取得した場合には、この勘定を使います。

例えば、社用車などを取得した場合には2113を使います。移動するための固定資産なので通達では、列車や船も想定しているようです。

よくある工具一覧

  • レンチ
  • 検査工具
  • 治具
  • 切削工具
  • 金型

よくある器具一覧

  • 事務机、椅子
  • キャビネット
  • パソコン
  • コピー機
  • エアコン
  • テレビ
  • 冷蔵庫
  • カーテン

参考記事:【ベトナム会計・勘定科目】スッキリ!ベトナムの固定資産(211)と工具器具備品(153)と前払費用(242)の違いをわかりやすく徹底解説!

2115は、樹木、家畜 

植物や家畜等を取得した場合には、この勘定を使います。

実務上の頻度は低いです。

2118は、その他の固定資産

上記に当てはまらない有形固定資産を取得した場合には、この勘定を使います。

実務上の頻度は低いです。

上記の有形固定資産であるよくある取引は以下です。

  • 有形固定資産を取得した
  • 減価償却費を計上した
  • 除却した

・有形固定資産を取得した

・減価償却費を計上した

・固定資産を除却した

売却の場合は以下のようになる。

貸方

借方

現預金****固定資産***
減価償却費累計額****売却益****
売却損****  

簿価よりも高く売れれば、売却益。逆の場合は、損となります。

日本の会計基準との比較

ここで日本の勘定科目と比較したいと思います。

日本

ベトナム

建物

2111建物及び構築物

建設付属設備

構築物

機械装置

2112機械装置

車両運搬具

2113車両運搬具

船舶、航空機

工具・器具備品

2114工具器具備品

2115樹木、生産用動物

土地

該当なし

2118その他有形固定資産

2118がちょっと不明です。

また、減価償却費の耐用年数等については以下のリンクを参照ください。

>>ベトナムの固定資産の減価償却計算の耐用年数表、【日本との比較あり】

本日は、ベトナムの勘定科目である「有形固定資産」について解説させていただきました。

勘定科目の内容を深く理解すると言うことはとても大事ですよ。なぜならば、財務諸表は、あなたの健康診断書であり、通信簿であるからです。

財務諸表から、ビジネス活動をイメージするとなにか新しい発見があるはずですよ!是非、試してみてください!