こんにちは、マナボックスの菅野です。

ベトナムの実務で、「え?そんなことある?」って感じることありませんか?

私は、ベトナムで経営管理の支援をしていますが、しばしばそういう場面に遭遇します。

この記事はこんな人のために書いています。

ベトナムでビジネスをしている。付加価値税(VAT)や法人税(CIT)について不明な点がある。サプライヤーが、税金を支払いたくないって言っている。その場合の対処法について知りたい。

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個人事業主で、ベトナムVATを申告したくないって言っている

例えば、こんな事例です。

あなたはベトナムに駐在しています。そして、例えば、個人事業主からアパートを借りることになりました。住むところはとても重要ですね。

仮に、貸主を、THU さんという人にしましょう。とっても優しいのですが、税務関係については、無頓着。

Thuさん:「1,000ドルでいいよ〜」

あなた:「ありがとうございます。VATは込みですか?」

Thuさん:「いや、入ってませんね」

あなた:「でも、会計事務所の人がVATとかうるさいんです。」

Thuさん:「じゃあ、そっちでどうにかしてもらえませんか?」

ってな感じです。

この場合、借主であるあなたがVATを、貸主の代わりに申告するケースがあります。間接税というのは、売主(この場合、貸主)からVAT込みの金額を、相手から徴収するものです。例えば、1,000ドルであったら、それに10%を加えて1,100ドルをもらう必要があります。

参考記事:ベトナム付加価値税(VAT) の仕組みを脳みそに焼き付ける!

ちなみに年間売上が、5,000ドル程度以上であれば、その人は付加価値税(VAT)を申告する必要があります。それ以下であれば、そもそも申告する必要がありません。

売り手に代わって、VATを申告した場合どうなる?

上記のような場合、通常は契約書に基づき、借り手であるあなたの会社が、代わりにVATの申告・支払いを実施することにります。

この場合、以下の論点が生じます。

  1. 貸主の代わりに支払ったVATを、仮払VATとして将来相殺できるか?
  2. 法人税(CIT)法上の損金の要件はどうか?満たすのか?

この2点です。

早速、結論から申し上げますね。

結論は、VATはダメ。費用は損金算入される。

  1. 貸主の代わりに支払ったVATは、仮払VATとして認識することはできない。したがって費用となり。
  2. その場合、十分な書類(契約書・申告書、税金の支払の証憑)があれば損金算入が認められる。

これが結論となります。

さらに理解を深めるために、事例と図解を使ってみましょう。わかりやすいような数値を使って概念を理解します。(※実際には帳簿方式とかインボイス方式という話もあります。)

参考記事:VAT付加価値税の申告方法 【ベトナム税務】

賃料:月1,000ドル

VATを立替して申告する分:100ドル

会計処理としては以下のようなイメージです。

借方

貸方

賃料 1,000

銀行預金 1,000

賃料100⇦費用!

アウトプットVAT 100

理由は以下の通り。

通達 219/2013/TT-BTC の第 15 条によると、付加価値税(VAT)の控除の条件については、貸主に代わって支払う場合については言及されていない。→ちょっと形式ですね。ただ、支払ったVATは、あくまで代わりに支払ってあげたものであり、売上(アウトプット)とは対応しませんね。最終消費者としてこれは費用となるのでしょう。

通達96/2015/TT-BTCの第4条によると、以下の条件であれば損金算入を認めるとの旨の記載があります。

個人事業主の財産を賃貸している場合で、不動産賃貸借契約書に税抜き賃料(付加価値税及び個人所得税)の契約があり、借主が納税を代行している場合には、貸主に代わって支払った税金を含む賃料の総額を損金算入が可能。

図解すると以下のようなイメージですかね。

 Official Letter No. 368 / CT-THHT of Hung Yen Tax Department

 Official Letter No. 3145 / CT-THHT of the Tax Department of Ho Chi Minh City Can Tho

というオフィシャルレターもあります。

本日のまとめ

本日は、貸主が、税務申告の義務を負っているのに、それをしない場合に借主が代わりに申告・納税をした場合の取り扱いについて解説させて頂きました。

・VATの控除要件はみたさない(仮払いVATとして計上できない)

・損金算入はOK、ただし、必要な書類は必要

ベトナムでは、たまに、個人事業主と契約することがあると思います。その場合には留意が必要ですね。

あなたが、ベトナムの税務をきちんと理解して、理不尽なサプライズを防止できることを祈っておりますね。