今日は、『ベトナム労働法の雇用状況報告書について』解説していきたいと思います。

この記事はこんな人のために書いています。

ベトナム進出を考えている。進出したばかり。

ベトナム労働法に関連する決まりを知りたい。

「労働管理帳」及び「雇用状況報告書」を作成する必要があり

ベトナム労働法及びこれに関連する政令によれば、

  • 「労働管理帳」
  • 「雇用状況報告書」

を必要なタイミングで作成し保管・提出する必要があります。まとめの表にすると以下のようになります。

文書名どんな情報いつまで?頻度

提出

法令

「労働管理帳」(従業員名簿)

各従業員に関する基本的な情報(氏名、性別、生年月日、国籍、居住地、ID・パスポート番号、職業資格等)

営業開始から30日保管第145/2020/ND-CPの3項

「雇用状況報告書」

フォームNo.01/PLIの雛形の情報
  • 設立時
  • 半期と年間

関連当局にする

第122/2020/ND-CP号

第145/2020/ND-CPの4項

関連する労働法の規定は以下のとおりです。

第12条 使用者の労働者管理責任

1.書類又は電子的文書で労働管理帳を作成,更新,管理,使用し,権限を有する国家機関が要求する時にはそれを提出する。

2.人民委員会に属する労働専門機関に対して,事業活動開始の日から30日以内に労働者使用について表明し,活動の過程における労働者に関する変更状況を定期的に報告し,社会保険機関に通知する。

3.政府はこの条の詳細を規定する(145/2020/ND-CPのこと)

引用元:ベトナム労働法

それぞれ解説していきます。

雇用状況報告書を作成する必要がある

まず、雇用状況報告書から解説していきます。

これは、以下の2つに分類できます。

  • 設立申請関しての単発
  • 設立後の定期(年に2回)

設立申請時

ベトナムで設立を申請する際に「雇用状況報告」の情報が必要になります。これは、政令122/2020/ND-CPに準拠して情報を提供する必要があります。主に人数の情報になります。

 雇用状況の定期的な報告   

報告の頻度は2回あります。半期報告と年間報告です。

  • 前者は毎年6月4日まで
  • 後者は毎年12月4日まで

提出しなければなりません。

政令145/2020/ND-CPの付録所定フォーム01/PL1を利用して作成し提出します。

記載内容の主な内容は以下のとおりです。

名前、社会保険番号、役職、勤務地、給与情報、労働契約の種類など

提出先は、企業の拠点が所在する市・省の労働局および区の社会保険局の2カ所に対し提出する必要があります。社会保険の加入の促進という目的も含まれていると思います。

Article 4. 雇用報告

労働基準法第12条第2項に記載されている従業員の変更に関する雇用状況申告書および定期報告書は、以下のように作成される。
1. 雇用者は、2020年10月15日付の政府令第122/2020/ND-CP号に基づき、雇用状況を申告しなければならない。

 2.雇用主は、従業員の変更に関する年2回の報告書(6月5日まで)および年1回の報告書(12月5日まで)を、本明細書の付録IのフォームNo.01/PLIに従って、国家公務員ポータルを通じて省の労働・戦傷病・社会問題局に提出し、本社、支店、駐在員事務所がある地区の社会保険当局に通知を送らなければならない。

雇用主が国家公務員ポータルを通じて報告書を提出できない場合は、物理的な報告書(本書付録IのフォームNo.01/PLI)を省の労働・戦傷病・社会問題省および本部・支部・駐在員事務所がある地区の社会保険当局に送付する。
地方の労働・戦災・社会問題省は、雇用主から提出された物理的な報告書の情報を更新し、本書の付録IのフォームNo.02/PLIを完成させる。

3. 地方の労働・戦災・社会問題省は、年2回、6月15日と12月15日までに、国家公務員ポータルを通じて、地方の雇用状況に関する報告書を労働・戦災・社会問題省に提出しなければならない(本書付録IのフォームNo.02/PLI)。
国家公共サービスポータルを通じて報告書を提出できない地方の労働・戦争無効・社会問題省は、労働・戦争無効・社会問題省に物理的な報告書を提出することができる

引用元:145/2020/ND-CP

「労働管理帳」も作成する

そして、「労働管理帳」を作成し保管する義務も負います。これは、いわゆる従業員名簿ですので、通常作成する必要がありますし、何かしらのツールを使って作成しているはずです。

営業開始から30日以内に、各拠点おいて労働管理帳を作成する必要があります。こちら紙面でも電子的な方法でもどちらでもいいです。

記載内容として以下あります。

  • 氏名、性別、生年月日、国籍、居住地、ID・パスポート番号(基本的な情報)
  • 職業資格、職業資格レベル、職位、雇用契約の種類、開始日、(労働者のスキル情報)
  • 社会保険の加入、給与、昇進・昇給、(給与関係の情報)
  • 年次休暇、残業時間、(休暇の情報)
  • 研修、(研修の情報)
  • 違反、重大な責任、労働災害、労働疾病、(違反があった場合の情報)
  • 雇用契約終了日、終了理由(終了に関する情報)

第3条 労働管理帳(従業員名簿)


労働基準法第12条第1項に定める従業員名簿の作成、更新、管理および使用については、以下の通りとする。
1.雇用主は、発足日から30日以内に、本社、支社、駐在員事務所で従業員名簿を作成しなければならない。

2.従業員簿は物理的なものでも電子的なものでもよく、各従業員に関する基本的な情報(氏名、性別、生年月日、国籍、居住地、ID・パスポート番号、職業資格、職業資格レベル、職位、雇用契約の種類、開始日、社会保険の加入、給与、昇進・昇給、年次休暇、残業時間、研修、違反、重大な責任、労働災害、労働疾病、雇用契約終了日、終了理由)を記載しなければならない。

3.雇用主は、従業員が働き始めた日から本条第2項に規定された情報を入力・更新し、従業員手帳を管理・使用し、労働局や関係当局の要請に応じて規定通りに提示しなければならない。

本日のまとめ

本日はベトナム労働法に関する「雇用状況報告書」「労働管理帳」(従業員名名簿)について解説させて頂きました。

ベトナム労働法のルールによって、作成義務及び提出義務がありますのでご留意ください。