みなさん、こんにちは!

ベトナム在住8年、公認会計士の永井です。

マナボックスというベトナムのコンサルティング会社の代表をしています。本日は駐在員のお子様の学校費用を会社が負担した場合の個人所得税の取り扱いについて説明しますね。昔は単身の方が多く、最近は病院や学校も増えてきてインフラも整ってきたからか家族連れの方も増えてきました。

通常駐在員の子供の教育費用については福利厚生として会社が負担するケースがほとんどです。金額も日本人学校ですと月4,5万円はするそうです。もしこれが全て所得税の課税対象に含まれてしまうと年間数十万円のコスト増となってしまいます。

ぜひ子供が学校に通われている駐在員がいらっしゃる会社様については下記の説明についてご留意ください。また法人税にもついても解説します。まずまとめの表で結論を簡潔にお伝えします。

法人税個人所得税
対象会社から支払いされた授業料(福利厚生制度)会社から支払いされた授業料
受益者ベトナムに駐在している外国人の子供(ベトナムの学校)
  • ベトナムに駐在している外国人の子供(ベトナムの学校)
  • 海外で働くベトナム人の子供(海外の学校)
期間幼稚園から高校左記同様
エビデンスとしての文書
  • 労働契約書に明記
  • インボイス等
  • 規定
左記同様

以下で詳細に解説していきます。

ベトナムにおける学校費用は非課税!

基本的に学校教育費用は、税法上非課税となります。つまり、個人所得税がかかりません。ただし無条件に非課税となるわけではありません。条件があります。

会社契約、会社支払、インボイス等も会社名で

学校とは必ず会社が直接契約をして、支払もして、インボイスも会社名で取得する必要があります。もし駐在員個人で契約、支払、インボイスも個人名ですと「課税されてしまいます」

こんな契約主体の違いだけで数十万円を損してしまうかもしれません。もったいないですね。絶対に個人で契約しないようにしてください。

なお入手するエビデンスについては論点があります。以下で解説しています。

>>【ベトナム税務】あなたの子供のため学校費用のエビデンスについて解説

対象はあくまで授業料

学校の「授業料」です。そのため、「バス代」「入学金」等の「授業料」以外の学校費用は、個人所得税の対象となります。

対象は幼稚園~高校まで

なお、非課税の対象は幼稚園~高校まです。以前は小学校~でしたが、幼稚園まで非課税となりました。

学校に関する費用については、規定にしましょう!

また、個人所得税、法人税の観点からも学校費用を会社が負担する場合はその旨の規定しておく必要があります。任命書でも出向契約書でも覚書でもなんでもいいので明文化してください。こちらに規定していないと法人税法上で損金否認される可能性があります。

以上、本日はベトナムの教育費用に関する税務留意点について解説させていただきました。