こんにちは公認会計士のすげのです。
- ベトナムへビジネス展開している。社長だ
- ベトナムの給与計算の仕組みについて知りたい
- 給与計算シートをレビューできるようになりたい
このようなお悩みを解決できる記事となっています。
この記事のもくじ
ベトナム給与計算の全体像
まずは、ベトナム給与計算の全体像を確認しましょう。この全体像をおさえるとかなり便利ですよ。「このどこかの箱のお話なんだな」という視点を持つことをオススメします。
この記事のマインドマップも準備しました。
1基本給与及び手当など、
勤怠管理 情報から残業代を計算する
会社負担の社会保険料も理解する必要あり
強制保険料(社会保険料・健康保険・失業保険)
課税所得が計算されるのでこれに所得税率を乗じる
月末締め10日までの会社が多いです。
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STEP1 ≪集める≫基本給与及び手当
労働契約書に記載してある、基本給与及び手当を把握します。
まずは、基本的な情報ですね。氏名や従業員は、もちろんの事、基本給与及び手当を情報を入力します。
例えば、職位手当や日本語手当、スキル手当などがあります。マナボックスは、会計士及び税理士手当を設定しています。こちら、個人情報となるので通常、人事部が管理します。
>>M-Lab_手当等で個人所得税と強制保険(社会保険など)を合理的に減らす方法 9つ列挙してみた【実務上の留意も解説】
STEP2 ≪計算する≫残業代を計算する
- 勤怠管理表から残業代を計算します。
- 時間給は、年間の稼働時間÷12で計算する。
- 所得税の計算には留意
勤怠を管理して、残業代を計算します。タイムシートですね。
ベトナムの場合、指紋認証などで勤怠管理することが多いです。この端末からデータをダウンロードもできます。また、残業申請書でも残業時間をチェックすることが多いです。
基本給与をベースに残業代のレートを計算します。時間については、年間稼働時間÷12で月当たりの時間を算出します。以下のイメージです。
- 2,160時間(年間稼働時間)
- 12ヶ月
- 2,160÷12=180 180を残業代のを計算する基礎の時間
- 月の基本給:100,000ベトナムドン
- 100,000÷180=55,556(時間給)
残業時間に係る給与計算については留意です。なぜならば、割増分(150%とか)には、所得税がかからないからです。
参考記事:>>ベトナム残業代、個人所得税という観点からはお得?
STEP3 ≪計算する≫会社負担の社会保険料を計算する
会社負担の社会保険料を計算する。
こちらも経営者目線からすると、留意する必要があります。20%強を負担しなければいけません。例えば、給与総額1,000㌦の方がいれば200㌦が会社負担です。
料率については、STEP4で解説します。
STEP4 ≪差し引く≫社会保険や基礎控除を控除する
- 従業員負担の強制社会保険を控除する
- 所得控除を実施する
この二つです。
強制社会保険について
ベトナム保険料率
ベトナム人の現在の保険料率は以下のとおりです。こちらは、時期は政策(コロナによって影響を受けた個人や会社の支援)によって変更するので留意が必要です。(年度によって変更する可能性があるのでその点は留意ください)
①社会保険 BHXH | ②健康保険 BHYT | ③雇用保険 Unemployment Insurance | 合計 | |
会社負担 | 17.5% | 3% | 1% | 21.5% |
労働者負担 | 8% | 1.5% | 1% | 10.5% |
算定基礎となる賃金
社会保険料を計算するにあたり、算定基礎となる金額です。
○○*8%の○○部分です。
こちら留意が必要です。基本的な範囲は以下です。
- 基本給
- 賃金性手当(スキル手当・責任手当等)
- その他の補充項目(その他)ただし、食事手当などの職務・地位に関連しない手当は含まない。家賃手当など。
ただし!例外あり。
社会保険及び健康保険については、毎月の賃金が公務員の最低賃金の20ヶ月分を越える場合には、社会保険料等の算定の基礎となる賃金の上限は、公務員の最低賃金の20ヶ月分となります。
つまり、どんなに高い給与の人でも、この金額分以上については社会保険料がかかりません。
失業保険は、地域の最低賃金の20倍です。イメージは以下です。※金額は時期によって変わるので確認してください。毎年、引き上げがあります。
誰の? | 最低賃金(VND) | 月 | 上限(VND) | 円(おおよそ) |
公務員 | 1,490,000 | 20 | 29,800,000 | 15万円 |
最低賃金(地域により異なる) | 4,180,000 | 20 | 88,400,000 | 44万円 |
その他、扶養控除なども控除できます。お子さんがいる場合ですね。
参考記事:>>【図解!】ゼロから理解する「個人所得税の仕組み」日本とベトナムの比較表付き
基礎控除の金額を控除する
ベトナムの基礎控除は、11,000,000ドンです。
将来的に変更するかもしれません。
>>朗報!【ベトナム税務ニュース】個人所得税における基礎控除と扶養控除の引きあげが決定!No. 954/2020 / UBTVQH14が施行 あなたの手取りが増えるかも
STEP5 ≪計算する≫所得税を計算する(源泉所得税の計算)
STEP4で、総額から差し引いて「課税所得」を計算しました。
課税所得とは、所得税を計算するための基礎の金額です。
課税所得を計算します。そして、ベトナムの累進課税に基づいて、所得税を計算します。
繰り返しになりますが、残業代については、割り増し分については、個人所得税の対象にならないのでそこは留意が必要です。
STEP6 給与を支払います。
最後に、ネットの支払いを計算して支払いを承認します。
給与明細も作成して、従業員に渡します。
ベトナムの場合、月末締め10日支払いの会社がほとんどだと思います。
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