こんにちは、すげのです。
本日は、デービット・アトキンソンさんの書籍である「日本人の勝算-人口減少×高齢化×資本主義」
についての要約・感想を書いていきたいと思います。
日本人の経営者であれば、とても刺さる内容です。
- 日本の事が心配
- 日本の将来を明るくできないか?と思っている。
- 日本人としての誇りを取り戻したい
このような方のためのまとめ・感想になっています。
この記事のもくじ
デービッド・アトキンソンさんとは?
最初、タイトルを見た時、日本人の人が書いているのかと思いました。
とういうのは、
【日本在住30年、元ゴールドマン・サックス「伝説のアナリスト」】
この言葉を見たからです。
以下は、冒頭の文言です。
厚かましいと言われても、大好きな日本を何とかしたい。これが私の偽らざる本心で、本書に込めた願いです。
物凄い想いを感じました。
また、118人の外国人エコノミストの論文やレポートの分析をもとにしている点がとても重要です。つまりエビデンスがあるってことです。信頼性があるってことですね。
「日本人の勝算」の目次
目次は以下の通りです。
第1章 人口減少を直視せよ――今という「最後のチャンス」を逃すな
第2章 資本主義をアップデートせよ――「高付加価値・高所得経済」への転換
第3章 海外市場を目指せ――日本は「輸出できるもの」の宝庫だ
第4章 企業規模を拡大せよ――「日本人の底力」は大企業でこそ生きる
第5章 最低賃金を引き上げよ――「正当な評価」は人を動かす
第6章 生産性を高めよ――日本は「賃上げショック」で生まれ変わる
第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ――「大人の学び」は制度で増やせる
これを以下のように一枚のマップしました!
こちらクリックすると大きくなります。
また、私なりにまとめると以下のようにグルーピングができます。
- 危機感を持つべき、今の日本はヤバイ状態。まずは直視しよう。「問題点」
- それを解決するアイデア3つ、その中でも、最低賃金の引きあげ!「解決案」
- それを実行するために必要なこと、人材のレベルアップだ「解決案の実行」
この観点からまとめ・感想、今後の行動について記載していきたいと思いますね。
危機感を持つべき、このままでは日本に「勝算」はない。まずは直視しよう
まずは、現実を受け止めなさいよ!っていう事です。
なぜ、日本は、デフレリスクが高いのか?
まず、簡単にデフレのおさらいをしておきます。デフレとは、簡単に言うと、物価の下落のことです。例えば、ダイソーで安くてもいいもの購入できるとか、吉野家でめっちゃうまい牛丼が安いとか。そんなイメージでいいと思います。
これって一見良さそうに感じますよね。しかし、大きなリスクを抱えています。
それは、いくつかあるようですが、例えば以下のようなことです。
- 経済力がどんどん衰退して国が貧しくなる
- 給与の減少が続き、貧困との格差が増大
このような大きな負のリスクを抱えてるようになります。
それでは、なぜ?最強のデフレリスクを抱えているのでしょう?この書籍によれば‥。
●人口減少●高齢化というパラダイムシフト
が進む日本には大変厳しい未来が待っている。人口動態などのデータを冷静客観的に分析すればわかる。
このままいくと、日本は近い将来三流先進国に成り下がることは確実。日本は三流先進国どころか途上国に転落する危険すらある。
要するに、日本は、このままだといよいよやばいよってことだと思います。そして、とても大きな要因は2つです。
- 人口減少(世界で日本だけ!)
- 高齢化
この点については、ニュースや書籍でも多くの人が口をを揃えて主張されていますから理解されていると思います。
今、私は、ベトナムに住んでいるのですが、とにかく若いです。10代20代の人で溢れかえっています。
たまに日本に帰ると、とても肌で感じます。おじいちゃん、おばあちゃん多いなあと。
上記の要因は、需要の縮小をもたらします。つまり、マーケットの縮小です。これにより供給側の縮小も予想され、されにデフレに拍車をかけるのです。
デービットさんは主に以下の点を上げています。
- 企業の生き残り競争激化→価格戦略(市場が小さくなるから、価格下げないと生き残れないよね。値下げしちゃおう。→デフレ)
- 価格下げるのであれば、人件費削んなきゃ。(労働分配率減少・最低賃金が低い)→デフレ
- 低賃金の外国人労働者→さらなる労働分配率減少→デフレ
企業の生き残りのしわ寄せが労働者に回ってきているのが日本という国です。
要するに、デフレのリスクが高まると言う事です。
それでは、どのように解決するのか?
その前に、前提条件としてとても重要な経済成長に関する知識があります。それは、以下の2つです。
- 人口増加要因
- 生産性向上要因
人口✖︎生産性=GDP総額
私は、今ベトナムに住んでおります。そこで、感じるのは人口要因による、いわゆる活気です。経済成長を、感じますね。
一方、日本はどうでしょうか?
冒頭で申し上げた通り、高齢化・人口減少が大きな問題となっています。つまり、経済の衰退の始まりだともいえます。
ちなみにGDP総額で世界3位なのは、先進国第2位の人口の多さが主な要因です。
「高付加価値・高所得経済」への転換
High road capitalism 「高付加価値・高所得資本主義」
要するに、バリューのある物やサービスで勝負しよう!ってことです。
よりいいものをより高く
「いいものを安く」は、人口が増加しているという前提条件があったからです。今は、人工減少というパラダイムシフトがおきているため、この戦略が通用しません。
なぜ、日本は、High road capitalismに移行できるのか?もともと、謙虚で自虐的な日本人にとって自国を評価するのは難しいかと思います。私もそうです。しかし、デビットさんはきちんとデータで説明してくれています。
日本の労働者の質は世界4位
エビデンス:Word Economic Forum 2016
日本は、ポテンシャルはありますよ!って事ですよね。確かに、海外で働いていると、日本人が優秀であるということは肌で感じます。
海外市場を目指せ! 日本は輸出できるものをいっぱいもってる
人口減少*高齢化で買ってもらえなくなったものを輸出しよう!
つまり、日本では、物やサービスがあまるはずなのでそれをお金に変えましょうということです。
日本は、そもそも輸出大国じゃない。総額が世界4位だけであり、一人当たりにすると、44位。という意味でも、チャンスがありそうですね。
また、輸出と生産性に面白い相関関係があります。
事実として、輸出比率が高い国は、生産性も高い。という事です。どうやら、輸出をしたいというマインドが、生産性の高さの秘密のようです。
企業規模拡大を目指せ!統合も必要だ!
企業の規模を大きくしよう!なぜならば、企業の規模と生産性は相関関係があるから。
日本企業というと、終身雇用とかそんなイメージがあるかもしれません。したがって、規模もまあまあ大きな会社をイメージしがちです。
しかし、実際には、小さい企業が多すぎるのです。それが生産性の低さとなっている最大の原因だそうです。
なぜ?小さい企業が生産性が低いか?これにはいろんな議論があるようですが、デビットさんは、生産性を追求することによって、結果としてある程度の規模が必要とされる。と言っています。
そのためには、企業統合も必要だと言っています。統合によって、企業規模も大きくなりますので、生産性も高まると。
私の意見としては、ちょっとこれとは違います。大企業の生産性が高いのは、おそらくこうなのかなと。こちらこれまでの知見を元にした仮説になります。
- 力関係が強いから、販売を高く設定できる。下請け等に、そのしわ寄せがきてる。
- 一方で、小さな企業はマーケティングスキルが低いので、販売単価を合理的に設定できてなく、低価格戦略になりがち。
こうです。生産性の計算には、付加価値が必要で、これには、販売単価も関連してきます。こんな背景があるんじゃないかなーって思っています。
今後は、もっと個人の時代になると思います。大企業は、意思決定が遅いし、変化を恐れる傾向にあります。
しかし、いまのような変化が激しい時代には、変化を恐れていてはダメです。あたらしい売上も作れません。したがって、大企業じゃなく、小さい個人がチームのように広がり、それが大きくなることによって生産性が改善されるのではないかと思っています。
女性活躍と生産性の間の相関関係
こちらも相関関係があることがわかっています。しかし、日本の場合、女性が活躍できる状況とはいえません。
⭐️最低賃金を引きあげて生産性を高める⭐️
最低賃金と生産性の高さは相関関係がある。「卵が先か?鶏が先か?」という議論はあるけど。
最低賃金を高めることによって生産性を向上できるのではないか?
最低賃金を引き上げることにより、経営者のお尻に火がつきます!
たしかに日本は、ピンチに強く、過去もそれを乗り越えてきた歴史があります。なので、ある意味、ピンチの状態、切羽詰まった状態を作り出してしまうとなにかありそうですよね。
あえて高いマンションに住んで、自分を鼓舞するような感じですかね。
こちら、デービットさんの出身のイギリスでも徹底的に検証されているようなので結果はでそうですね。
この点が、一番重要だと主張されています。これをすることによって、以下の6つの効果があると期待しています。
- 企業規模拡大
- デフレ脱却
- 女性活躍
- 格差社会解消
- 地方創生(全国一律)
- 少子化対策
そして、もう一個!
日本人の「変わらない力」は異常
ドキーッ!
でも、これは言い得て妙
なかなか改革が進まないってことは、我々日本人が一番感じていることかもしれません。わかっているけど、変えれない。みたいな。
しかし、明治維新なみの変革期だ。と主張する人もいる通り、変化しなければいけない時期です。そのためには、「強制」とかやらざるを得ない状況を作り出すことがポイントだと私も日本人として思います。
追い込む!
です。
じゃあ、生産性向上には何が必要か?
こちら知りたいですよね。デービットさんは、エビデンスをもとに、相関関係のあった3つの要素を紹介してくれています。
- アントレプレナリズム
- 労働者一人当たりの物的資本増強
- 社員教育によるスキルアップ
それぞれ簡単に説明します。
まず、1番目のアントレプレナリズムですが、以下のようなことのようです。
市場に変化と成長を起こすような新しい発想の創出、普及、適用を促す人。チャンスを積極的に探って、それに向かって冒険的にリスクをとる人
2番目は、要は、社員が十分な、ツールを持っているか?(インフラとか、PCなど)のことです。
3番目は、スキルです。こちら日本の場合は経営者のスキルアップの方がより重要だと主張されています。
確かに、「IMD World Talent Ranking 2017」によれば、日本の経営者のランキングは低いようです。
ふむふむ。こちら、7つの習慣のコヴィー博士も同様のこと言っていますよね。
●マインドセット→アントレプレナリズム
●スキルセット→スキルアップ
●ツールセット→物的資本増強
人材育成教育を強化!特に経営者、大人
最後に、デービットさんが提案している施策を実行するために、何が必要か?という点です。
全要素生産性が一番大事だ!
そして、無能なのは経営者。経営者が学ぶ時だ!
技術革新の普及、就業者の教育・訓練、組織の改革のことです。もう少し砕いた言い方すれば、デザイン、発想転換、クリエイティブなことです。
人間にしかできないこととも言い換えることができます。
そして、誰が??教育される必要があると、それは、経営者だと言っています。
Why なぜ、経営者?
なぜでしょう?以下の3つです。
- 経営者の分析能力のなさを示しているかも。(ビジネスの課題を正しく理解していない。)
- 全要素生産性は、労働者ではなく、経営者側の領域。
- 加えて、従業員に適切な役割を与えるためには経営者の質をあげる。
What なにを学ぶべきか?
それは、
- 技術革新(イノベーション)
- それを使うためのメタスキル
自社の課題にも応用可能な問題解決方法やビジネスモデルの分析のこと。
こちら、シン・ニホンという書籍の、Already化とも通じるところがあります。
参考記事:ミドル世代視点での【シン・ニホン AI &データ時代における日本の再生と人材育成】の感想・まとめ 1枚のマップにしました!
少し厳しい言い方になってしまうのですが、失われた20年とか30年がなぜ、起こってしまったか?というと、単純に経営者が無能だったからということもできるのです。
こちらまあ、事実ですよね。
これに加えて、私は、マーケティングスキルも高くないと生産性は高まらないと考えています。
なぜならば、適切な価格で販売するためにこちらが必要だからです。
こんな名言ありますしね‥‥。
どんな素晴らしい商品も、伝えなければないのと同じ
この点については、私自身も肝に命じないといけないですし、会社のサービスとしてのアイデアのヒントにもなりますよね。
経営者様を、専門知識を通じて教育させていただくというサービスです。
マインドマップでのまとめ
本日は、日本人の勝算ー人口減少✖︎高齢化✖︎資本主義についてのまとめと感想を記載しました。
マインドマップにもまとめています。以下をクリックすれば見れます。
https://mm.tt/1474638359?t=Zrxdj5CRfi
こちらが、あなたのお役に立てることを祈っております。