こんにちは、マナボックスのすげのです。
本日は、ベトナムにおいて労働許可書の免除について解説していきます。
ベトナムにおいて以下の場合が労働許可書の免除となります。
No | 免除対象 |
労働法(2019)154条 8個 | |
1 | 有限責任会社の出資者または所有者 |
2 | 株式会社の取締役会の構成員 |
3 | 国際組織、非政府組織の在ベトナムの駐在員事務所、プロジェクトの代表者 |
4 | 販売活動のために、ベトナムに3カ月未満滞在する者 |
5 | 生産経営に影響を与える、または影響を与える恐れのある事故や複雑な技術上の不測の事態が 生じ、ベトナム人専門家とベトナム滞在中の外 国人専門家では処理できない場合、これらを処理するためにベトナムに3カ月未満滞在する者 |
6 | 弁護士法の規定に基づいて、ベトナムで弁護士業の許可書の発給を受けた外国人弁護士 |
7 | ベトナムが加盟した国際条約の規定に基づく者 |
8 | ベトナム人と結婚した人 |
102/2013 / ND-CPの7項 8個 (現在は政令152/2020/ND-CP) | |
9 | ベトナムの WTO サービス分野公約に規定され たサービス業の範囲内で、企業内異動としてベトナムで勤務する外国人 (同公約に定められたサービス業には、実務サービス、情報サービス、建設サービス、流通サービス、教育サー ビス、環境サービス、金融サービス、医療サービス、 観光サービス、文化および娯楽サービス、運輸サービスが含まれている 11のサービス分野) |
10 | 政府開発援助(ODA)案件の支援のため、技術・専門コンサルティング等を目的としてベトナムで勤務する外国人 |
11 | 法律に従って、外務省が発行したベトナムにおけるメディア・プレス許可書を有する外国人労働者 |
12 | 外国の機関・組織により、ベトナムにおける外国の外務代表機関または国際組織が管理するインターナショナル・スクールで教授・研究するために派遣された外国人労働者もしくはベトナム教育訓練省によりベトナムにおける教育・訓練機関で教授・研究する目的を認められた外国人労働者 |
13 | ベトナムにおける外国の外務代表機関または国際組織により認められたボランティア |
14 | 専門家、管理監督者、代表取締役社長、技術者とし、ベトナムでの勤務期間が 1 回あたり30日未満および年間の勤務期間の合計が90日 以下の外国人労働者 |
15 | 中央レベルまたは省レベルの機関・組織が法律に従って締結した国際合意に基づいてベトナムで就労する外国人労働者 |
16 | ベトナムにおける機関、組織、企業の実習に関して合意した外国における学校・教育機関で就学している生徒・学生 |
17 | ベトナムの加盟している国際条約上、ベトナムにおける外国の代表機関において任務を果たすことが認められているメンバーの親族 |
18 | 政府機関、政治組織、政治社会組織に就労するための公用パスポートを有する外国人労働者 |
19 | 労働・傷病兵・社会省の要請によって、首相が決定したその他の外国人労働者 |
この記事のもくじ
19項目の労働許可証を免除ができる場合を5つに整理する
合計で19個ありましたね。
19個だと多くてわかりにくいので整理していきたいと思います。整理すると頭に入ってくると思いますよ。
以下のグループに整理できると思います。
- 法律の要請が強いグループ 9個
- 労働してないグループ 3個
- 所有者的な立場グループ 3個
- 期間によるグループ 2個
- しょうがないグループ 2個
法律の要請が強いグループ 9個
これには以下があると思います。上記で述べた19個がすべて法律の要請と言えばそうなんですが。
6:弁護士法の規定に基づいて、ベトナムで弁護士業の許可書の発給を受けた外国人弁護士
7:ベトナムが加盟した国際条約の規定に基づく者
9: ベトナムの WTO サービス分野公約に規定されたサービス業の範囲内で、企業内異動としてベトナムで勤務する外国人 『11のサービス分野』
10:政府開発援助(ODA)案件の支援のため、技術・専門コンサルティング等を目的としてベトナムで勤務する外国人
11:法律に従って、外務省が発行したベトナムにおけるメディア・プレス許可書を有する外国人労働者
12:外国の機関・組織により、ベトナムにおける外国の外務代表機関または国際組織が管理するインターナショナル・スクールで教授・研究するために派遣された外国人労働者もしくはベトナム教育訓練省によりベトナムにおける教育・訓練機関で教授・研究する目的を認められた外国人労働者
15:中央レベルまたは省レベルの機関・組織が法律に従って締結した国際合意に基づいてベトナムで就労する外国人労働者
18:政府機関、政治組織、政治社会組織に就労するための公用パスポートを有する外国人労働者
19:労働・傷病兵・社会省の要請によって、首相が決定したその他の外国人労働者
労働してないグループ 3個
そもそも労働をしてない場合です。
13:ボランティア
16:外国における学校・教育機関で就学している生徒・学生
17:ベトナムの加盟している国際条約上、ベトナムにおける外国の代表機関において任務を果たすことが認められているメンバーの親族
所有者的なグループ 3個
会社の所有者とか代表者的な場合です。
1:有限責任会社の出資者または所有者
2:株式会社の取締役会の構成員
3:国際組織、非政府組織の在ベトナムの駐在員事務所、プロジェクトの代表者
期間的な問題グループ 2個
そもそも期間が短いから必要ないという場合です。
4:【3ヶ月だから】販売活動のために、ベトナムに3カ月未満滞在する者
14:【90日だから】専門家、管理監督者、代表取締役社長、技術者とし、ベトナムでの勤務期間が 1 回あたり30日未満および年間の勤務期間の合計が90日以下の外国人労働者
しょうがないグループ 2個
最後は、許容性を認めたグループです。災害や学生の場合です。
5:【災害だから】生産経営に影響を与える、または影響を与える恐れのある事故や複雑な技術上の不測の事態が 生じ、ベトナム人専門家とベトナム滞在中の外 国人専門家では処理できない場合、これらを処理するためにベトナムに3カ月未満滞在する者
8:【学生だから】ベトナムで就学中の生徒・学生がベトナムで就労する場合。ただし、雇用者は労働に関する省レベル国家管理機関に7日前までに通告する必要がある
ベトナムの実務上、よく見るパターンとは?
次にベトナムでの実務上よくあるパターンを紹介します。あくまで私の印象です。私はベトナム歴が約5年になりましたし、100社を超える会社を見てきました。パートナーのベトナム人の法律の専門家は10年以上の経験を持ち300社以上の実務経験があります。
そのため、信頼性はあるかなと思います。次の3つです。
- ベトナムの WTO サービス分野の公約に規定され たサービス業の範囲内で、企業内異動としてベトナムで勤務する外国人 11のサービス分野)
- 有限責任会社の出資者または所有者
- 専門家、管理監督者、代表取締役社長、技術者とし、ベトナムでの勤務期間が 1 回あたり30日未満および年間の勤務期間の合計が90日 以下の外国人労働者
上記に定められたサービス業には、
- 実務サービス
- 情報サービス
- 建設サービス
- 流通サービス
- 教育サービス
- 環境サービス
- 金融サービス
- 医療サービス
- 観光サービス
- 文化および娯楽サービス
- 運輸サービス
があります。製造以外はほとんど含まれるような感じがしますね。
こちらで会社を作り、出資している人も免除する場合があります。
期間が短い人も、ワークパーミットは取得しません。
なお、労働許可証が免除された場合には、理論的には、その労働者(外国人)の給与は損金算入が認められると考えられます。通常、外国人の給与の損金算入には、労働許可証が必要です。しかし、免除のような場合にまで、形式的に労働許可証を必要とすると不合理ですよね。
労働許可証の免除の申請の大きな流れ
大きな流れは以下のようになります。ただ、要件によっては、そもそも申請が必要がないものもあります。
例えば、期間が短い場合(90日未満)などです。
1.労働許可書の免除の申請書
2.労働許可書が免除となる外国人の情報表
3.労働許可書の免除対象であることを証明する書類(ベトナム語翻訳が必要)
労働者が通勤する予定地の労働傷病兵社会局
十分な申請書を受け取った日から3営業日以内
本日は、ベトナムで労働許可証が免除される場合をまとめました。
あなたのお役にたてることを祈っております!