こんにちは、マナボックスの菅野です。

本日は、ベトナム労務のお話です。残業時間と代休の論点です。

この記事はこんな人のために書いています。

ベトナム人スタッフに休日に働いてもらう必要があった。その代わりに代休をとってもらうことに。その後、スタッフから残業代を請求されたけどどうしたらいい?

1月1日やテトで働いてもらうけど、代休とってもらえない?という実務上の要請ってありますよね。この場合について解説していきたいと思います。

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代休を認めたとしても、休日残業レートの割増は、支払う必要が原則としてある

こちらが結論です。

休日に勤務した場合で、その他の平日に代休を要請する場合には、この休日で生じた残業の上乗せ分を支払う義務があると考えられる。

例えば、1月1日に勤務して1月4日に代休をお願いした場合、残業代の割増分については、支払う必要があると考えられます。こんな感じでしょう。

このような場合どの程度の賃金を支払うべきかが現在の法令では不明です。代休を運用したい場合、就業規則などのルールで定めると共に、差額部分(残業による割増)を支給する必要があると考えられます。

根拠は以下の通りです。

ベトナム労働法の第106条(2012年労働法)には次のとおり記載されていました。

1 カ月間に時間外労働の日が多く続いた場合、雇用者は被雇用者が休めなかった期 間の代休を取得できるよう人員を配置しなければならない。

引用元:No.: 10/2012/QH13

なお、10/2012/QH13より前の旧労働法だと以下のように定められています。

旧労働法の第61条
労働者が時間外労働時間に相当する代替休暇を提供される場合、雇用主は、労働 者に対し、通常の労働日に労働者に支払われる単位賃金又は現在の賃金に基づい て計算された、賃金を超える部分に関しての割増賃金のみを支払うものとする。

このように代休を前提とする規定が存在していました。

そして、2020年1月から適用されている新労働法では、107条が該当します。その条文では、代休に関して明記がなくなってしまいました。以下が原文です。

改正労働法 第107条 時間外勤務
 
1. 時間外労働時間とは、法令、集団労働協約又は就業規則に定める通常の労働時間外で労 働に従事する時間をいう。

2.使用者は,以下の要求を全て満たす場合に,労働者を時間外勤務させることができる。
a) 労働者の同意を得なければならない;
b) 労働者の時間外勤務時間は1日における通常の勤務時間の50%を超えないことを保証する;1週間あたりの通常勤務時間の規定を適用している場合は,通常の勤務時間と時間外勤務時間の合計が1日あたり12時間を超えない;1 か月あたりで40時間を超えない
c) この条3項が規定する場合を除き,労働者の時間外勤務時間が1年あたり 200時間を超えないことを保証する

3.以下の産業分野,業種,業務又は場合の一つにあたる場合,使用者は1年間に300時間を超えない時間外労働を労働者にさせることができる
a) 繊維,縫製,皮革,靴,電気,電子,農産物加工,林業,塩業,水産の製品の生産,輸出加工
b) 電気の発電,供給,電気通信,石油精製; 給排水
c) 高度の専門,技術水準が求められる業務で,労働市場が適時に十分な労働者を供給できないものを解決する場合
d) 原料,製品の適切な時期により,又は事前に予想できない客観的要素により緊急で,遅延させることができない業務を解決する場合,又は天候不順,自然災害,火災,妨害,電力不足,原料不足,生産チェーンの技術的事故により発生する業務を解決する場合
đ) 政府が規定するその他の場合。

4.この 3 項の規定に従って時間外勤務を行う場合,使用者は省級人民委員会に属する労働に関する専門機関に書面で通知しなければならない。

5.政府はこの条の詳細を規定する。

実務上は、柔軟性がある場合もあり

上記のようになっていると思いますが、従業員との合意があれば、特に問題ありません。

例えば、平日に旅行行った方が、その人にとって幸福な場合がありますよね。この人が、休日出勤して代休を望んだ場合は、割増分を支払う必要がないかもしれません。

あくまで、その従業員が幸福か?という観点で決定するといいと思います。

本日のまとめ

本日は、ベトナム労務講座という事で、休日出勤した場合で代休を取得してもらった場合はどうなるのか?という点でお話しました。

結論は割増分についての差額は支払うのが合理的。ただし、合意も重要。

少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。