みなさん、こんにちは、マナボックスの菅野です。

今回で、第75回目です!

バイアスってご存知ですか?これは、簡単に言うと、思い込みのことです。これによって、正しい合理的な判断ができなくなってしまうことです。代表的な例として、「確証バイアス」があります。これは、自分にとって都合のいい情報だけを集めてしまうことです。例えば、晴れ男などもそうだとえます。

記事作成者は、Nhungさん(日本語1級✖︎簿記2級、神戸大学の留学経験あり!)です!

ベトナム女子大学生と一緒に考えるベトナムのニュースの解説コーナーです。学んで行きましょう!

本日のテーマは、「ベトナム航空の「爆弾の債務」の処理:タイ国際航空の話から見た」です。

Nhung さん
Nhung さん
こんにちは、Nhungです!

ベトナム航空の「爆弾の債務」の処理:タイ国際航空の話から見た

Nhung さん
Nhung さん
今回はこちらを選んで翻訳し、解説しました。6月26日のニュースです

>>ベトナム航空の「爆弾の債務」の処理:タイ国際航空の話から見た

ベトナム航空は倒産の危機!?

 

累積損失と延滞債務により、ベトナム航空は倒産の危機に直面している。 12兆ドンの補助パッケージは4兆ドン出されたが、まだ多くの未解決の質問が残っている。



世界の航空業界が困難の中、ベトナムの国営航空会社(ベトナム航空-HVN.HM)も例外ではない。累積損失と延滞債務により、HVN.HMは倒産の危機に直面している。

 

12兆ドンの補助パッケージは、4兆ドン出されたばかりであり、既存の株主への株式発行により、8億ドンの資本金を調達するための最終的な準備を行っている。

 

国家裁判所によって債務再編を承認されたばかりのタイ国際航空(THAI.BK)の事例から見ると、HVN.HMの状態はまだましである。しかし、現在のベトナム航空の必要な解決策は、資本注入だけではない。

 

どんな方法で応急処置するのか?

 

2020年度末のベトナム航空の連結税引後損失は11.178兆ドンで、つまり過去1年間の平均損失は約1兆ドン/月であった。さらに、2021年には状況が悪化し、最初の6か月で、10兆ドンの損を出し、昨年の損失を大幅に上回った(約66%)と推定された。 2021年の第1四半期末の資本金が1.030兆ドンである現状だと、ベトナム航空は負の資本を持っている。さらに、延滞債務も6.240兆ドンとなった。

 

したがって、政府は国家銀行を通じて、SeaBank、MSB、SHBの3つの銀行に、ベトナム航空に4兆ドンを0%の利子で貸し出すよう指導した。このローンが2021年6月末までに実行された場合、所有資本金がマイナスの状態に陥らない損失をカバーするのにぎりぎりな金額になる。

 

バランスを取れた解決策がいくつかある。昨年、航空業界全般、特にベトナム航空が困難に直面した直後、大株主を借りる策が挙げられた。これは名前が異なるが、実際は政府ローンであった。

 

さらに、国家銀行が最近3つの商業銀行に指示したように政府が保証する商業ローンも一択である。さらに、民間投資家向けに株式を発行し、国の保有割合を減らすことも可能である。また別の解決策としては、債権者と合意に達し、債務を資本に変換することである。

 

しかし、現在解禁された情報から、政府は既存の株主への株式の発行を優先しているようだが、実際には国の所有率を維持する傾向があることがわかる。

カルロス・ゴーンの事例から学べる?

収益の大幅な減少により企業が突然の財政難に直面した場合、運転資金を緊急に補充することに加えて、徹底的な費用削減も同様に重要な要素である。日産の自動車会社が財政難に陥り、倒産寸前だった1999年に、カルロス・ゴーンがコストをうまく管理できたため復活した。それ以来、カルロス・ゴーンはコストキラーまたはミスター・フィックス・イットと呼ばれている。

 

またベトナム航空は復興できるか?タイ国際航空と比較すると?

 

ベトナム航空は現在、管理と抜本的なコスト削減を担当するチーフエンジニアを緊急に必要としている。リース契約を整理し飛行機を再配置する、ルート、人員、メンバー企業の活動、効果のない資本拠出などを再調整するべきである。

 

Covid-19の流行前のベトナム航空のビジネス状況はかなり良好で、自己資本利益率(ROE)は13〜14%、総資産利益率(ROA)は約13〜14%であり、2016年〜2019年の EBITDAマージンは平均11〜12%であった。

 

タイ国際航空と比較する理由は、2020年5月にタイ国際航空が倒産保護保護(bankruptcy protection)を申請した際に、2021年6月15日タイ中央裁判所がタイ国際航空の債務再編計画を承認したためである。タイ国際航空の状況はベトナム航空よりはるかに悲劇的であった。 Covid-19流行前の2012年から、タイ国際航空の業績は低下の兆しを見せていた。利益率、収益率、資本化、売掛金、買掛金、在庫の回転率の指標を比較すると、ベトナム航空が優れている。

 

再編される債務額は129億米ドルと推定されており、昨年だけでも、ベトナム航空の10倍近くの100兆ドンに相当する45億米ドルの損失を計上した。タイ国際航空の債権者のほとんどは裁判所の決定に満足していることからこの航空会社の回復が期待できることを示している。

 

どんな方法でもベトナム航空の運転資金の問題を近い将来に解決する必要がある。もちろん、最善の選択肢は、政府の介入を減らし、国の所有割合を徐々に減らすことである。 しかし、その直後、決定的に重要なのは、債務の再構築、コストの削減、管理の効率化、そしてビジネスモデルの部分的な調整である。 世界中の一部の航空会社は、低コスト、貨物の配列、飛行ルートを最適化により復活しているからである。

 

ベトナム航空が倒産できない理由がたくさんあり、また経済的な理由も正当な理由ではない。 債務再編と組織再編が成功すれば、国の象徴が復活し、会社自体も発展するだろう。

移動が前提となっているビジネスはコロナの影響を受けやすい

菅野 智洋 会計士  
菅野 智洋 会計士  

ありがとうございます。本日は、コロナ によるパンデミックによる、ベトナム航空の倒産危機の話ですね。

やはり、移動がなくなると、それを前提としていたビジネスは厳しいです。いつもベトナム航空にはお世話になっていたので、心配です。

  • コロナによって、ベトナム航空の財務的な状況が急激に悪化
  • ベトナム政府が援助
Nhung さん

日本の場合でも、ANA・JALも「キャッシュ余命は一年」と危ない状態に陥っていると言われています。

新型コロナ感染症により世界中の航空会社が困難に直面しているが、大事なのは資本金や債務の問題の解決、組織再編によりパンデミックを乗り越えることです。ベトナム航空も早く大変な現状を抜け出すことができることを願っています。

菅野 智洋 会計士  
菅野 智洋 会計士  

ベトナム航空は、政府の支援がありますが、一方で、ベトジェット はどうでしょう?これを前提としてないので、売上のスキームを増やしたり、コストを削減したりして、利益を計上していますよね。

両者の違いの根本的な、理由はなんなのか?考えさせられます。国営と言うと、「やばくなったら国が助けてくれる」というマインドがあるのかもしれませんね。