こんにちば、マナボックスの菅野です。

今日は、書籍の要約と海外個子会社管理への転用について共有したいと思います。書籍は『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』です。

これはTwitterの創業社のジャック・ドーシーの愛読書でもあるようですよ。

あなたはベトナムで会社経営をしていて以下のような経験はありませんか?

  • 業務の抜け漏れ
  • タスクの遅延
  • タスクの重複
  • ミス

あなたの仕事に限らず、レストランなどに行っても上記のような経験あるでしょう?ベトナム人とレストランに行くとレシートを必ず詳しくチェックする場面に遭遇します。それはミスの可能性が低くないと思っているからです。

私のベトナムでの6年の経験から言えることはとにかく抜け漏れ、ミスが繰り返しあるということです。ビジネスに関していうとこれはよくありません。なぜならばクライアントに迷惑をかけてしまうからです。プライベートであれば「おおらかだねえ」となる可能性もあるのですが。

今回の記事を最後まで読んでいただければ「よしチェックリスト作るぞ」と感じていただけるはずですよ。

なぜならば、医者、航空会社、建築会社、料理、投資家がそれぞれ「チェックリスト」を利用して致命的なミスを防止しているという実績があるからです。我々のビジネスに転用できない理由が一つもありません。

なぜチェックリストが必要なのか?

チェックリストと聞くと面倒くさい、機械的だ。というあまりポジティブでない考えを持つ人もいるかもしれません。なぜ、「チェックリスト」が必要なのでしょうか?それは以下の2つの理由があるからです。

  • 人間の記憶力と注意力の危うさ、限界
  • 手間を除く誘惑に負けない

人間の記憶なんてあてにならない。注意力だって日によって違うしモチベーションもある

人間は忘れる生き物です。忘れるから生きていけるのです。切羽詰まった状況であればより忘れやすくなるでしょう。

ベトナムで特に感じるのは「過信してミスをする」パターンが多い点です(笑)。ベトナムのレストランで、メモを取らないで注文をとってその後その料理が来ないケースです。これはあなたも経験あるでしょう?

人間の記憶なんてあてにしてはいけません。料理であれば大した影響(お客を不愉快)しかありませんが、人命を扱う病院や飛行機などであれば洒落になりません。

実際に本能よりもチェックリストを信用して結果が出ているのです。

過去に問題がなかったから「手間を除く」という誘惑を排除せよ

全ての手順が必要とは限りません。例えばこの書籍では、飛行機の昇降舵にロック(チェック項目)はどうせいつも解除されているのだから、それをチェックするのは時間の無駄かもしれません。しかし、いつかはこのチェックをしないと問題がおきてしまうのです。

実際に病院の事例(感染予防の手順)で「チェックリスト」を作って手順を観察してみると3分の1の患者で手順が飛ばされていることがわかったようです。30%以上ですよ!かなり不安になってしまいますよね。

これをマナボックスの業務に置き換えると、貸借チェックが挙げられます。会計の構造上またはエクセルシートの構造上、貸借が一致することは当然です。当たり前なのでチェックを見落としがちです。しかし、小さい可能性ですがそれが一致していないということはありえるのです。なのでこれをチェックリストに含めることは有用だと言えます。

チェックリストが有効だった事例を数値で見よう!

この書籍では魅力的なエピソードを満載してあります。そこで「チェックリスト」が具体的にどんな効果があったのか?をまとめてチェックリストの絶大な効果を認識しましょう。

病院のケース

  • カテーテルの手順のチェックリスト→カテーテルの感染率11%から0%
  • 痛み止めのチェックリスト→痛みが治癒されず見過ごされる確率41%から3%
  • 人工呼吸器の蔡悦文クリスと→人工呼吸器の患者が不完全なケアを受ける確率70%から4%
  • チームワーク向上のチェックリスト→よく調和したチームとして機能したと答える割合68%から92%

航空機のケース

ボーイング299のパイロットのためのチェックリスト→無事故

建築のケース

2種類のチェックリスト。①単純な間違いを防ぐチェックリストと②話し合いをさせることで予想外の困難も確実に解決させるためのチェックリスト

過去よりも3分の1の工期で建物を完成させることができる。

料理業界のケース

最高のシェフ10に選ばれたシェフの場合(芸術や職人芸に近い)

  • レシピという基本的なチェックリスト
  • 客一人一人にもチェックリスト(アレルギー、誕生日など)

ファイナンス業界のケース

バフェットその他の投資家たちが今まで犯してきたミスを列挙し、70個の項目のチェックリストを作成→失敗の回避。全体の所要時間は短縮され、より多くの投資先を検討できるようになった。

「経験」にチェックリストが加わると断然いい成績が上げられた。

どのようにチェックリストを作るのか?

まず前提条件としててチェックリストの定義と目的を理解する必要があります。そうしないとどのように作成するのか?に迷いが生じるからです。

チェックリストの目的は、致命的なミス、抜け漏れを防止することはもちろんのこと

チェックリストを通じて規律の文化を醸成

またチェックリストとマニュアルが異なることを理解する必要があります。マニュアルはインプットからアウトプットまでのプロセスの詳細な手順が説明されているものであり、「チェックリスト」は実施者(熟練の人も)を助けるためのシンプルで使いやすいツールです。

いいチェックリストの条件とは?

本書をまとめると以下のようになります。

  • 話し合い、コミュニケーションという項目を入れる。チームワークを向上させるチェック項目(例えば、自己紹介)
  • 効率的、的確でどんな状況でも簡単に使える。重要な手順だけを忘れないようさせる実用的なもの。
  • 長すぎてはいけない。5個から9個。必須でないものは徹底的に排除。
  • 実世界で試用し、改良していく。
  • 何度も改訂して洗練していく必要がある。

5個か9個という点が最も頭を使う点でしょう。

チェックリストの他の効果

どうでしょう?チェックリストがいかに大事か?ということが改めて理解していただけたのではないでしょうか?

一方でチェックリストを利用することによって「硬直化」するのではないか?という不安に思う人もいるようです。

冒頭でも少し述べたように、機械的に心のないロボットのようになってしまう。応用が効かないなど。

しかし!それは違います。実際には逆のことが起きたようです。良いチェックリストを使うと単純さ作業にパワーを使う必要がなくなるのでその分難しい問題に専念できることになりよりレベルアップしたそうです。

これは、無印良品や獺祭、歌舞伎、バルセロナのサッカーにも同様のことが言えます。つまり、「型」があるから型破りであって、「型」がないのはそれは「形無し」と言います。

例えば獺祭も98%はマニュアル化できるが、残りの2%は知恵が必要。ただし、マニュアルがあることで、2%の本質的な部分に頭を使うことが出来る。と主張しています。これも同様のことですよね。

本日のまとめ

本日は『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』をまとめさせていただきました。

もしあなたの会社が「チェックリスト」を使ってないのだとしたら、少々厳しい言い方になりますが、ミスを放置していることになります。あなたの会社の成長もできてないですし、顧客からの信頼も失っているかもしれません。

ベトナムで一番難しいのは「再現性」です。そして国民性なのか?自分の認知能力に頼って失敗するというパターンがとても多いです。

医者さん、航空会社も、建築会社も、飲食店も成功するために「チェックリスト」を利用しているのですから我々が利用しない手はありませんよね。

是非「チェックリスト」を作成して運用していきましょう。