大手会計事務所のAIの利用事例

会計業界でのAIの利用は急速に拡大しています。AIは日常的な業務を自動化し、エラーを減少させ、会計士が高付加価値のアドバイザリー業務に集中できるようにします。特に、ジェネレーティブAI(GenAI、生成AI)の導入が進んでおり、業界の変革を加速させています。

なお、GenAI(ジェネレーティブAI)とは、生成的人工知能の略です。

  • ドキュメントレビュー
  • 監査
  • ITソリューション
  • クライアントソリューション

ドキュメントレビューの事例

デロイトの事例 デロイトは、内部で開発した自動ドキュメントレビューのプラットフォームを活用しています。このツールは、認知技術を使用して契約書全体を評価し、重要な情報を抽出することができます。これにより、従業員の作業効率が大幅に向上しています。

監査プロセスの自動化

EYの事例 EY(アーンスト・アンド・ヤング)は、監査プロセスにAI技術を組み込んでいます。特に、契約書などの非構造化データを分析し、リスクの高い事項を特定するためにAIを使用しています。これにより、詐欺のリスクを低減し、監査の精度を向上させています。監査は正直AIがめっちゃ得意な領域でしょう。人間がやるべきことはむしろ少ないしAIじゃないところに問題解決の鍵があると思います。

ITソリューションの開発

PwCの事例 PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、社内チームがカスタマイズしたソフトウェアアプリケーションを開発しています。このソフトウェアはデータを統合し、コードを作成し、文書を生成するなどの機能を持ち、開発プロセスにおいて20%から50%の生産性向上を実現しています。また、PwCのプロフェッショナルは、エンタープライズ版ChatGPT-4を活用しています。

クライアントソリューション

KPMGの事例 KPMG(ケーピーエムジー)は、Trusted AIフレームワークを活用して、クライアントがAI技術を設計、構築、展開、利用する際の支援を行っています。これにより、クライアントとの信頼関係を構築し、パートナーシップを強化しています。

表にすると

ファーム名活用領域活用事例
デロイトドキュメントレビュー
内部で開発した自動ドキュメントレビューのプラットフォームを使用し、契約書全体を評価し重要な情報を抽出。
EY監査プロセス
AI技術を監査プロセスに組み込み、契約書などの非構造化データを分析し、リスクの高い事項を特定。
PwCITソリューション
社内チームがカスタマイズしたソフトウェアアプリケーションを開発し、データ統合、コード生成、文書生成を行い、生産性を20%から50%向上。
KPMGクライアントソリューション
Trusted AIフレームワークを活用して、クライアントがAI技術を設計、構築、展開、利用する際の支援を提供。

このようになります。

中小会計事務所のAI活用事例の紹介!

以下の5つの点があるそうです。

会計・簿記(記帳)の自動化

中小会計事務所では、AIを活用して会計および簿記の自動化を行っています。AI搭載のソフトウェアは、経費の自動分類、アカウントの照合、財務報告書の生成を行い、時間と手間を大幅に削減します。

パターン化することができるのでAIが得意な領域でしょうね。

税務に関する調査、リサーチの効率化

AIは税務に関する調査(TAX Reserch)にも大きな効果を発揮しています。AIアルゴリズムを使用して、税務に関する調査ツールは迅速かつ正確にデータを返すことができます。これにより、調査の精度とスピードが向上します。いろんな事例を効率的に調べることができるでしょうね。

税務申告の自動化

AIを使用して、さまざまな財務書類からデータを抽出および分析し、正確な税務申告書を自動的に作成することが可能です。これにより、税務申告の時間と労力が大幅に削減されます。これもフォーマット化できるようなものですからAIが得意な領域です。

税務アドバイザリー

税務アドバイザリー企業はAIツールを使って予測的洞察を生み出し、顧客の財務上の意思決定に基づいて将来の税務上の影響を計画するのを支援することが可能です。これにより、税務専門家はより戦略的な役割を担うことになり、付加価値の高いサービスを提供できるようになるでしょう。

ドキュメントレビュー

AIを使用して、契約書、請求書、領収書の要点を要約し、さらなる調査が必要な異常を迅速に特定することができます。これにより、レビューのプロセスが迅速化され、精度と信頼性が向上します。これもAIが得意でしょうね。

BIG4のような大手会計事務所と中小会計事務所のAI活用事例の比較

これらをわかりやすく表にしますね。

項目

大手会計事務所の活用事例中小会計事務所の活用事例
規模と資源大規模な投資が可能で、内部開発やカスタマイズされたAIソリューションを導入。資源が限られているため、主にオープンソースのAIツールや既存のソフトウェアを活用。
会計・簿記大手の会計事務所では会計および簿記の自動化が行われ、より高度でカスタマイズされたシステムを使用。AIを使用して経費の自動分類、アカウントの照合、財務報告書の生成を自動化。
税務情報の調査高度なAIツールを使用して、複雑な税務調査やデータ解析を実行。AIアルゴリズムを使用して迅速かつ正確にデータを分析し、税務調査の効率を向上。
税務申告AIを使用して、財務書類からデータを抽出し、正確な税務申告書を自動生成。複雑な申告にも対応。AIを使用して、さまざまな財務書類からデータを抽出し、正確な税務申告書を自動生成。
税務アドバイザリーAIを使用して高度な予測分析と戦略的な税務アドバイスを提供。AIツールを使用して、クライアントの将来の財務決定に基づく税務影響を予測。
ドキュメントレビューデロイトやEYのように、内部開発された高度なAIプラットフォームを使用してドキュメントレビューを行う。AIを使用して契約書、請求書、領収書の要点を要約し、異常を特定。
ITソリューションPwCのように、内部で開発されたカスタマイズされたソフトウェアアプリケーションを使用し、生産性を向上。オープンソースツールや市販のソフトウェアを活用することが多い。
クライアントソリューションKPMGのTrusted AIフレームワークのように、クライアント向けに高度でカスタマイズされたソリューションを提供。クライアント向けのAIソリューションは比較的シンプルなものが多い。

ですね。

 

AIの活用に関する会計事務所における調査結果

AI導入の現状 Thomson Reuters Instituteの「2024 Generative AI in Professional Services Report」によると、税務および会計事務所の30%がGenAIツールの導入を検討しており、49%は現在のところ導入の計画がないと回答しています。

まだまだ利用率は低いですね。「秘密保持義務」「守秘義務」とか関連していますからね。なかなか慎重になるのはわかる気がします。

AIの普及率と利用頻度 会計税務事務所の調査回答者のうち、8%が既にGenAI技術を使用しており、13%が近いうちに使用を計画しています。さらに、GenAIを活用している事務所のうち、42%が毎日または日に何度も利用していると回答しており、31%が週に一度以上使用しています。

結論

AIの未来と会計業界 AIは会計業界にとって脅威ではなく、むしろ大きなチャンスです。AIを活用することで、あらゆる規模の事務所がより良いサービスを提供し、効率を向上させ、変化する業界で繁栄することができます。AIが進化を続ける中、新しい技術を受け入れる好奇心と意欲を持つことで、未来のトレンドに先んじることができるでしょう。

引用元:会計事務所によってAIはどのように使い分けられているのか?