みなさん、こんにちは!ラボの菅野です。
今日は「会計年度をベトナムにおいで変更する方法」について詳しく解説していきたいと思います。会計年度の変更って、会社にとって大きな決断だしそもそもできるの?どうやって進めるの?という疑問がわくと思います。でも、心配しないでください。このガイドを読めば、どんな手続きが必要で、どんなメリットがあるのか、すっきり理解できるはずですよ。
この記事のもくじ
なぜ、あなたの会社は会計年度を変更する必要があるのか?
まず、会計年度を変更する理由について考えてみましょう。大きな理由は親会社の会計年度と合わせることで、グループ全体の財務報告が一貫するようにするために変更が必要な場合でしょう。連結会計導入で必要となることがあります。
ベトナムの会計年度の特徴
変更の解説の前に会計年度の基本的なことを理解しておきましょう。
結論からいうと3の倍数で決算月を選ぶことができます。
ベトナムでは、基本的に会計年度は通常1月1日から12月31日までとされています。基本はそうですが12月決算以外でも3の倍数、つまり3月、6月、9月から選ぶことできます。ただ上記の通りで、企業の特定の事情により変更が認められることがあります。
また、設立して最初の年の期間が3ヶ月以下の場合は、その期間で決算することは必要なく次の会計年度を一つの会計年度とすることができます。例えば12月決算を選んだ場合で2023年10月に設立した場合、2023年12月を決算とするのではなく、次の2024年12月を最初の決算月(2023年10月から2024年12月の15ヶ月)とすることが可能です。
会計年度の変更の手続きの流れ
次に変更の流れについて解説しますね。
計画投資局での手続き
企業は計画投資省(事業登録管理機関)に書面で通知する必要があります。
No | 書類名 | 注記 | 数量 |
---|---|---|---|
1 | 付録II-1フォーム(2021年3月16日付けの通知第01/2021/TT-BKHDT号により発行) | オリジナル:会社代表が各ページにイニシャルを記入し、最終ページに署名を行い、会社の印を押す | 2 |
2 | 付録II-1を提出するための委任状 | オリジナル:会社代表が各ページにイニシャルを記入し、最終ページに署名を行い、会社の印を押す | 2 |
もう少し詳しく説明すると以下のようになります。
税務登録内容の変更
内容を通知
- 事業登録内容変更通知(付録II-1)
詳細な手続き
企業または認可された代表者が、企業が本社を置く事業登録事務所に直接、または国家事業登録ポータル(https://dangkykinhdoanh.gov.vn)を通じて電子的に、または公共の郵便サービスを通じて事業登録内容変更通知の申請書を提出します。
手続きを実行するための要件と条件
- 有効な書類を所持していること(書類コンポーネントに記載された完全な書類を有し、それらの内容が法令に従って完全に申告されていること)。
- 料金法および手数料に関する法律に従って、事業登録手数料を全額支払うこと。
ベトナム税務および監査当局での会計年度変更のための手続き
一部の直接税務当局は、企業に書面で通知するか、「フォーム08/MST」を提出することを要求することもあるようです。 変更年の法人税申告には注意が必要です。申告の締め切りは変更年の終了から3ヶ月以内です。例えば9月に決算月を変更したのであれば12月までに変更が必要です。なので監査
No | 書類名 | 注記 | 数量 |
---|---|---|---|
1 | 変更期間の監査報告書 | オリジナル:会社代表が各ページに署名 | 4 |
2 | 変更期間の法人税最終書類 | 企業のデジタル署名を通じて電子提出 | 2 |
法人税期間の変更に関する期間に関する留意点
企業が法人税期間(会計年度)を変更する場合、変更年の法人税期間は12ヶ月を超えてはなりません。当たり前といえば当たり前ですが。
例で説明:企業Aは20X3年度の法人税期間を1月から12月に適用していました。2024年の初めに、当年4月1日から翌年3月31日までの会計年度に変更することを選択するとします。この場合、変更年(2024年)の法人税期間は2024年1月1日から2024年3月31日まで(3ヶ月)となります。、その次の年度(2024年度)の法人税期間は2024年4月1日から2025年3月31日(12ヶ月ですね)までとなります。
会計年度の申告に関するオフィシャルレター – 公文書4644/CT-TTHTもチェック!
カレンダー年から当年7月1日から翌年6月30日までの会計年度に法人税期間を変更する場合:
- 2019年の変更された法人税期間は、2019年1月1日から2019年6月30日までとなります。
- 次年度の法人税期間(2019年度)は、2019年7月1日から2020年6月30日までとなります。
- 税期間を変更する際には、変更日から10営業日以内にフォーム08-MSTに従って税務登録情報の変更手続きを行わなければなりません。
繰越欠損金についての留意点
「公式公文書4952/CT-TTHT」によれば、変更年を通常の課税年度として扱い、損失を繰り越します。
上記の規定に基づき、企業が2017年に会計年度を毎年1月1日から12月31日までから翌年の3月31日までに変更した場合、2013年に発生した損失は2014年、2015年、2016年、2017年の課税期間および2018年の変更会計年度(2018年1月1日から2018年3月31日)に繰り越されます。
言い換えれば企業側からするとすこし損しちゃうようになるかもしれません。変更する年度は12ヶ月未満となってしまい1年間をフルに利用できないからです。上記の例だと3ヶ月になっていますよね。
- 変更しなければ5年間
- 変更したことによる4年と3ヶ月
となるからです。
優遇税制措置への影響は?
では優遇税制についてはどうでしょう?これも欠損金と同様で変更後の年度で一年度とカウントされてしまいます。税制優遇措置の具体的な例をわかりやすく説明すると、以下のようになります:
企業Aの税制優遇措置の例:
例1:
- 背景: 企業Aは2011年の法人税期間をカレンダー年(1月から12月)に適用しています。
- 変更: 2012年初めに会計年度を4月1日から翌年3月31日までに変更することを選択。
- 結果: 変更年(2012年)の法人税期間は3ヶ月(2012年1月1日〜2012年3月31日)となり、その後の年度(2012年度)は2012年4月1日〜2013年3月31日までになります。
つまり、2011年度は(1月から12月)、2012年度は(1月から3月)、次の年は2012年4月1日〜2013年3月31日の12ヶ月となります。3会計年度ですが期間は12ヶ月、3ヶ月、12ヶ月の27ヶ月で3年を満たしません。
例2:
- 背景: 上記と同じ変更を行いますが、企業Aは2年間の免税およびその後3年間の法人税50%減免の優遇措置を受ける資格があるとします。。
- 税制優遇開始: 2009年から免税が始まり、2011年〜2013年に法人税50%減免を受けます。
- 以下の選択肢があり:
- 選択肢1: 企業が2012年変更年に50%の法人税減免を選択する場合、その年および次の年度(2012年4月1日〜2013年3月31日)に50%の減免を受け続けます。
- 選択肢2: 2012年変更年に法人税減免を受けない場合、その年(2012年1月1日〜2012年3月31日)および次の年度(2012年4月1日〜2013年3月31日)に50%減免を受けます。
この説明により、企業が会計年度を変更する際にどのような税制優遇措置を享受できるか、そしてその影響がどのように及ぶかを簡潔に理解できるでしょう。ただややこしいので会計年度を変更するときは必ず会計士などの専門家に相談するといいでしょう!
会計年度を変更することによるメリット
冒頭で記載した「親会社の要望による会計年度の変更」が主な理由ですが以下のような理由、いいこともあります。
会計監査の繁忙期を避ける
ベトナムではほとんどの会社が12月決算を選択します。そのため、12月以外を選択することで監査会社へのプレッシャーを軽減し、監査会社が各監査に集中する時間を確保できますよね。そうすると少しだけ監査報酬を安くしてもらえるかもしれませんよ。
キャッシュフローの最適化
会計年度を変更することで、キャッシュフローの管理がより効果的になることがあります。例えば、収入のピーク時期に合わせて会計年度を設定することで、資金繰りがスムーズに行えるかもしれませんね。
今日のまとめ
今日は「会計年度の変更」について解説しました。
- 会社設立後、会計年度を変更することは可能
- 計画投資局へでの会計年度変更手続き
- 変更後の期間での税務申告(法人税)手続き及び監査手続き
でした。お役にたてれば幸いです。