ベトナム法令ニュースです。
今日は『ベトナムにおける赤字販売のリスクとは?』というテーマでお伝えします。
商品やサービスをコスト価格より低い価格で販売することは、粗利益を減少させるだけでなく、さまざまな税務リスクを招く可能性があります。この記事では、民法や商法に基づいて、こうしたリスクをどのように回避できるかについてわかりやすく説明します。
商品をどの価格で販売するかは、通常、企業と顧客との間で合意されるものですが、市場価格よりも低い価格で商品を提供することに疑問を持つ方も多いでしょう。この場合、税務当局がどのように対応するのか、気になりますよね?この記事では、こうした疑問にお答えし、読者の皆さんが自信を持って価格設定を行えるようにサポートします。
この記事のもくじ
原価より低い価格での販売の税務リスク
多くの現行の回答文書によると、コスト価格より低い価格で商品を販売した場合、税務当局は以下の対応を取る可能性があります。
会社で購入および販売された商品をチェックし、特に販売価格の設定方法や、販売価格と原価(コスト価格、原価価格)との相関関係を比較する。 購入された商品および販売された商品の会計価値が市場価格に基づかない場合、税務当局は規定に基づいて課税額を決定する権利を有する。
例えば、実際には1,000の原価で900売っているのに対して、その900が妥当じゃないから1500で販売したことにして500の利益(1,500-1,000)に対して税金払って!ということですね。推定課税ともいいます。
赤字販売がリスクのあるという法的根拠は?
Article 14 of Decree 126/2020/ND-CPになります。以下の文言あたりですね。要は変な売価で売らないでという話です。
- 市場の通常の取引価値に従わずに商品やサービスの価値を購入、販売、交換、および会計処理した場合。
- 納税者の税務義務を軽減することを目的として、経済的本質に合致しない、または実際の発生に合致しない取引を行った場合。
- 関連当事者間取引の価格を申告・決定する義務に関する規定を遵守しなかった場合、または関連当事者間取引を有する企業に対する税務管理に関する規定に従って情報を提供しなかった場合。
移転価格の知識も強く関連しきますのでここも抑えておきましょう。
>>【中学生でもわかる】移転価格制度の仕組み 徹底解説!【図解でわかりやすく】
According to Article 14 of Decree 126/2020/ND-CP, cases where taxpayers are subject to tax assessment include:
- Failure to submit additional tax records as requested by the tax authority or having submitted additional tax records but not fully, truthfully, or accurately providing tax bases to determine the amount of tax payable.
- Failure to present accounting books, invoices, vouchers and necessary documents related to determining the factors used as the basis for tax calculation; determining the amount of tax payable within the prescribed time limit or after the tax inspection and audit period at the taxpayer’s headquarters has expired.
- Buying, selling, exchanging and accounting for the value of goods and services not according to the normal transaction value on the market.
- Conducting transactions that are not true to the economic nature or not true to the actual occurrence with the aim of reducing the taxpayer’s tax obligations.
- Failure to comply with regulations on the obligation to declare and determine the price of related-party transactions or failure to provide information according to regulations on tax management for enterprises that have related-party transactions.
引用元:Article 14 of Decree 126/2020/ND-CP
ベトナム税務調査官が見るポイント
どんな点をベトナム調査官は見るか?ですね。
- 損益計算書で粗利益がマイナスの指標をチェックする。
- 利益と損失の報告書を特定のデータフィールド(個別製品ごと)基づいてチェックする:商品と材料コード、顧客コード、注文、請求書、プロジェクトなど。平均粗利益率と粗利益を生む対象を特定する。
- 金融収益(ローン利息)が金融費用(ローン利息費用)よりも低い場合。
- その他の収益がマイナスの場合、他の収益が他の費用よりも低いため(割合が大きい場合)
このような点を見るようです。
ベトナム税法に関する原則に従って、税務調査チームは、企業の販売価格が市場価格と一致していないことを証明する証拠を提示する責任を負います。これは、検査チームが企業に市場と一致する価格を証明するよう求めるのとは異なります(証明の責任は税務当局にあります)。
なので、あなたの会社が1,000で販売している時、それが市場と乖離しているという説明についえは税務当局がしなければならないのです。
税額が推定されてしまう?どんな要因を検討するの?
税務調査の際、税務当局はあなたの会社が違反行為を行った判断した場合、税法の規定に従い、査定税額を決定します。つまり、税務当局が独自に決めてしまうということです。
つまり、実際はあなたの会社が1,000で販売していたとしても、2,500が妥当な売値だよねって半ば強引に決められてしまうのです。これ辛いですよね。
納税者が以下のいずれかのケースに該当する場合、税額を決定(推定)するための要因ごとに評価されてしまいます。要はちゃんとやってないとあなたの会社に不利になる可能性が高まるということですね。
a) 税申告書を確認した結果、税務当局が納税者が税額を決定するための要素を不完全または不正確に申告したと判断する理由がある場合、税務当局は納税者に対して追加の申告を求めますが、納税者が税務当局の要求に応じて追加の申告を行わない場合。
b) 会計帳簿、請求書、および税額を決定するための要素に関連する文書を確認した結果、税務当局が納税者が税額を決定するための要素を正確かつ誠実に記録していないと判断する理由がある場合。
c) 商品およびサービスの販売価格が実際の支払価格に基づかず、課税収入を減少させる、または購入価格および原材料の購入価格が市場の実際の支払価格に基づいていない場合、その結果、コストが増加し、控除可能な付加価値税が増加し、税負担が軽減される。
d) 納税者が税申告書を提出したが、課税基準を決定するための要因を特定できない、または課税基準を決定するための要因を特定できるが、課税額を計算できない場合。
こんな場合です。
あなたはどのように税務当局に説明するのがいいのか?
実際、企業が利益を上げなければならないという規制は存在しません。そりゃそうですよね。
これはベトナムの価格法第11/2012/QH13号 – 第11条に規定されています。生産および取引を行う組織および個人の権利について次のように述べています。
「…1. 商品およびサービスの価格を自己で決定する。ただし、国家によって価格が定められた商品およびサービスを除く…」
引用元11/2012/QH13号 – 第11条
販売単価についての説明のオプションは多岐にわたりますが、企業は適切な説明方法を選択することに注意を払う必要があります。例えば
- 計画は、主観的な要因を考慮する前に、まず客観的な影響要因(例:マーケットや他社事例)から始める必要があります。
- 説明は文書を伴う必要があります。文書が明確であればあるほど、説明能力が高まります。
- 同等の価格参照源がある製品については、価格情報源の記録を説明文書と一緒に添付することができます。
たとえば、在庫の清算目的で販売価格を引き下げたい場合、品質の低下、種類の間違いなどの理由で、プロモーション手続きを実施する必要があります。あなたは販売価格が低くなっている理由を具体的に説明する必要があります。
売値より仕入れ値(原価)が高いことがあると不合理だというのは感覚的にもわかると思います。
まとめとして
今日は赤字販売のリスクについて説明しました。
- 赤字販売の場合は推定課税のリスクあり
- 税務調査の見るポイント(PLの推移)
- 会社は説明できるようにしておかなければいけない(値段を下げる時など)
お役にたてれば幸いです!