こんんちは今日はベトナム付加価値税の新しい法律のドラフト(No. 41/2023/UBTVQH15に基づいて作成された)についてお伝えします。ドラフトなのでまだ名前はありません。現状は以下のようになっています。空欄ですね。このドラフト、April 24, 2024に発行されたようです。

>>付加価値税(VAT)の改正案についての世間からの生の声

Law No.: …/20…/QH…

Hanoi, date… month… year…

DRAFT 5

全部で16条あるようです。

  • 1章、総則:1条から5条
  • 2章、税額計算の基礎と方法:6条から12条
  • 3章、税額控除、還付:13条から14条
  • 4章、実施条件;15条から16条

本記事では、このVATの改正案の主なポイントと、それがビジネスに与える影響について詳しく解説します。

1. 付加価値税(VAT)の対象とならない商品およびサービス

新しい改正案の5条では、以下の取引や商品・サービスがVATの対象外(非課税)として指定されています。

  • 資本移転取引
  • 非関税地域向けに金融リース会社が輸入する商品
  • 年間収益がVND 150百万以下の事業者や個人(年間収益の閾値をVND 100百万以下からVND 150百万以下に引き上げ)
  • 自然災害、疫病、戦争の予防や対策のために輸入される商品
  • ソフトウェアサービス

これにより、特定のビジネス活動がどのように影響を受けるか、注意深く見守る必要があります。

2. 付加価値税(VAT)率について(0%の範囲が狭くなった!?)

これまで広く適用されてきた0%のVAT率が、今後は特定の輸出サービスに限定される見込みなのです。

>>付加価値税(VAT)法改正案はベトナムの成長を阻害するかもしれない?【輸出サービスの0%のVAT率が狭くなると…】

対象となるのは、以下でリストアップする通り、ベトナム国外で使用される車両レンタルサービスや国際輸送サービス、航空・海運関連のサービスです。この変更は、特に輸出業者にとって大きなインパクトを与える可能性があります。

今回の改正案では、0%のVAT率が適用される輸出サービスの範囲が狭められています。具体的には、以下の3つのサービス(のみ)が対象となります:

  • ベトナム国外で使用される車両レンタルサービス
  • 国際輸送サービス
  • 航空および海運サービス

また、免税店で販売される商品も0%のVAT率の適用を受けることが明記されています。

さらに、特定の商品やサービスのVAT率が変更され、例えば農業生産用機器や未加工の森林産品などが5%または10%の税率に再分類されることが提案されています。

外資系企業への大きな影響か?

上記のサービス以外のサービスについては0%じゃなくなったということです。改正法の第9条第1項(a)では「サービス」という用語が削除されしまっているようです。このことにより、多くのサービスが海外または非関税地域内で消費される場合でも、0%のVATの適用対象外となってしまうため、これは極めて不合理でしょう!まず、EPEは非関税地域内に所在し、たとえ最終消費者でなくとも、輸入されたサービスにかかるVATはコストとして負担されることになります。なので、ベトナム国内の最終消費者がVATを負担するという原則に反することになっちゃうんですね。

例えばEPE企業はこれまでサービス提供(会計コンサルや弁護士サービスもそうです)受けた時0%のVATインボイスをもらっていたのにこのドラフトが適用されてしまうと10%(だとすると)が加算されます。EPEはアウトプットのVATがないのでこれが還付等されないとコストになってしまうんですね。

この変更は、ビジネス運営に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

3. VAT控除および還付条件に関して

改正案では、以下の新しい規則が追加されています。大きな要点は以下の通り。

  • 5百万VND以上の購入について、非現金支払いの証拠が必要
  • 輸出品に関連するVAT還付のためには、梱包明細書や運送状、貨物保険の書類が必須

さらに、特定の事業者が還付を受けるための適格条件が拡大され、未控除の累積入力VATがVND 300百万以上の場合、還付が可能となるケースが増える予定です。

もう少し細かく説明すると…。

  • 入力VAT控除に関する規則を追加すること:

    • 現行の20百万VND以上から、5百万VND以上の購入についての非現金支払いの証拠があること。より厳しくなりましたね。
    • 輸出品およびサービスに関して:サポート書類には、梱包明細書、運送状、貨物保険が含まれること。十分な証憑が必要だ!
  • VAT還付条件に関する規則を追加すること:

    • 以下のケースにVAT還付の適格性を拡大すること:
      • 5%のVAT率が適用される商品を生産およびサービスを提供する事業者で、12か月または4四半期後にVND 300百万以上の入力VATが未控除の状態になっているもの。
      • クレジット方式でVAT申告を登録し、投資法および規制に準拠した投資プロジェクトを持つ事業者は、新規投資プロジェクトおよび拡張投資プロジェクトの両方に適用される投資段階で発生した入力VAT還付の対象となり、未控除の累積入力VATがVND 300百万以上となっているもの。事業者が投資プロジェクト、投資段階、または投資ユニットが完了した日から1年以内にVAT還付を申請するための期間を定めること。
    • 規則を削除すること:
      • 自然資源および鉱物の価値の割合とエネルギーコストを決定する規則を削除すること(51%ルール)。代わりに、政府が規制する自然資源および鉱物が他の製品に加工されたもののリストを発表し、それらのVAT還付を評価すること。
      • 事業者が登録資本を完全に拠出していない投資プロジェクトに対するVAT還付を認めない規則を廃止すること。
      • 所有権の変更、企業の変更、合併、統合、分割、分離、事業清算の場合のVAT還付の規則を廃止すること。

4. VAT申告の見落とされた請求書に関して

新しい規則では、見落とされた入力VATの請求書を、税務当局が税務監査や税務検査の決定を通知する前に申告して控除できるようになっています。この変更により、企業は見落としによるリスクを軽減し、より正確な税務処理が可能となります。

以上です。

この点、外資系企業に大きな影響を及ぼすということで商工会も動いているようです。

少しでもお役にたてると幸いです!