こんにちはマナラボの菅野です。
今回はベトナムローカル企業の小口現金を使った脱税のお話しをしたいと思います。
もしあなたがベトナム現地法人を買収したいというようなことがあればお役にたてるでしょう。財務DDがいかに大事が身に染みます。
この記事のもくじ
銀行から小口現金をおろして記帳しない手口
ローカル企業ではこんな手口で脱税などをしているようです。それは…
銀行から小口現金を引き出し、それを記帳せずに使用するという不正行為です。社長が銀行に行って「現金」を引き出してそれを利用するという手口です。
以下のような目的で不正に使用されることがあるんですよ。
従業員への給与を「現金」で払えば見えない!
現金で従業員に給与を支払い、所得税や社会保険料の支払いを回避する。
裏金も作れちゃう
会社外の関係者(ブローカーやベトナム役人など)への賄賂や、関係者との密接な取引に利用する。
私的流用する悪い人
管理者が個人的な用途に使用することもあります(旅行費、娯楽費など)。
その他備品購入
交通費、備品、事務用品費など
これらの取引は記帳されないので当然それに関連する税金(法人税や個人所得税)も発生しません。これは脱税ですね。
小口現金を利用する不正の会計処理
通常の小口現金の仕訳は以下のようになります。
小口現金を引き出す時:
使用した場合の記帳(例えば、給与として支出):
しかし、不正なケースでは、この使用記録が記帳されず、帳簿に残らない取引となります。なので上記で示した給与に関する税金(個人所得税と法人税)が発生しないというストーリーが作れます。
それでは次から実際のケーススタディを見てみましょう!
ケース別で小口現金を利用した不正を確認してみよう!
ケース1:給与支払いの隠蔽
会社は一部の従業員に対して、小口現金から現金支払いを行い、帳簿に記載しません。この場合、給与として記録されないため、個人所得税や社会保険料の支払いが免れます。例えば:
本来の正しい仕訳:
借方:「給与」 5,000,000 VND / 貸方:「現預金」 5,000,000 VND
→ この場合、所得税や社会保険料が計算されます。
不正な場合: 小口現金から現金を支払い、記帳せずに処理します。:
借方:「小口現金」から直接支払い → 記帳なし
→ 税務上、給与として認識されず、税金を回避。
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