労働法に関する内容です。
ワークライフバランスが現代の雇用において重要視される中、ベトナムでは働く母親を支援するため、2019年労働法に新たな規定が導入されました。この規定は、12ヶ月未満の子供を養育する母親に、1日60分の柔軟な勤務時間を提供することで、仕事と家庭の両立を支援します。本記事では、これらの新しい規定の意義と、女性にとってより健康的な職場環境の実現に向けた取り組みについて紹介します。また、申請書の具体的な記入方法についても詳述します。
赤ちゃんを育てる母親のための柔軟な勤務時間
12ヶ月未満の子供を養育する女性の従業員は、1日60分の柔軟な勤務時間を取得する権利があります。この時間は、遅刻や早退に充てることができ、母親が日々の予定を調整する自由を与えます。授乳や育児、予期せぬ事態に対応するための時間を確保し、子育てと仕事を両立させやすくするための支援が提供されます。
たとえば通常8時開始の会社であれば9時に出社することができます。
休憩時間の給与保障について
この規定の特徴の一つは、1日60分の休憩時間が有給である点です。つまり給与がもらえます。通常の休暇制度では賃金に影響があることが多いですが、この規定では母親の収入が減少することなく取得可能です。経済的な不安を抱えることなく、幼い子供のケアに専念できるため、働く母親にとって大きな利点と言えます。
妊娠中の女性従業員の権利とは?
2019年労働法はまた、妊娠中の女性従業員の権利にも言及しており、母体の健康保護の重要性を認めています。妊娠中の従業員は、胎児に悪影響を及ぼす可能性がある場合に、労働契約の一方的な終了や一時停止を申請する権利があります。この権利は、医療機関の確認に基づいて行使することができ、母体および胎児の健康を優先するための大切な制度です。
- 労働契約の一方的終了または停止:妊娠中の女性従業員は、医療施設の確認を伴う通知を提供することを条件に、契約を終了または停止することができます。これにより、妊娠中の健康状態が仕事の継続に適さない場合に、女性従業員の権利が確保されます。
- 契約停止の期間:労働契約停止の場合、一時的な休暇期間は従業員と雇用者の間で合意する必要があります。最小休暇期間は、医療施設が指定した時間と同じでなければなりません。医療施設から具体的な時間が指定されていない場合、両当事者は契約停止の適切な期間について合意する必要があります。
利用申請の手続きと申請書の記入方法
この制度を利用するためには、以下のように申請書を正しく記入する必要があります。それをちょっと解説しますね。実際の雛形を見ながら確認しましょう。
- [1] 会社の正式名称を記入してください。
- [2] 従業員が現在勤務している部署名、または従業員の早退/遅刻申請を承認する権限を持つ人物の名前を明記してください。
- [3] 申請を提出する従業員のフルネームを記入してください。
- [4] 申請を提出する従業員の生年月日を記入してください。
- [5] 申請を提出する従業員の現在の職位に関する具体的な情報を提供してください(チーム/部署/部門/グループ)。
- [6] 会社名を記入してください。
- [7] 従業員は早退または遅刻を選択します。女性従業員がより柔軟な休暇時間を必要とする場合(例:1日20分遅刻し、40分早退するが、遅刻と早退の合計時間が1日60分を超えない)、会社に情報を提供するために具体的に記載する必要があります。
- [8] 従業員は早退または遅刻を選択します。遅刻と早退の両方がある場合は、遅刻と早退の理由を記載してください。
- [9] 申請を承認する権限を持つ人物の職名を記入してください。
- [10] 申請を承認する権限を持つ人物の職名を記入してください。
- [11] 申請を承認する権限を持つ人物のフルネームを記入してください。
- [12] 従業員が勤務する行政単位(コミューン、地区、または省レベル)の名前を記入してください。
- [13] 従業員が申請を提出する日付を記入してください。
- [14] 申請を提出する従業員のフルネームを記入してください。
このように正確に申請書を記入することで、申請手続きがスムーズに進み、必要なサポートを受けられるようになります。
まとめ
ベトナムの2019年労働法は、働く母親を支援するための重要な進展であり、彼女たちが仕事と家庭のバランスを保つために必要なリソースを提供しています。これらの規定は、女性従業員の権利を守るだけでなく、より包括的で支援的な職場文化の促進にも貢献しています。今後も、ベトナムの労働政策がさらなる改革を進め、働く母親の福祉向上に向けた取り組みが期待されます。