ベトナムで企業活動を行う際、定期預金の利息がまだ受け取る前に課税されるのかという疑問を持つ方は多いでしょう。本記事では、未満期の銀行預金利息に関する法人所得税の基本的な規定と、実務での注意点を解説します。

このような人のためのコンテンツです
  • ベトナムに預けた預金の利息が法人税の対象になるのか知りたい
  • 未収利息(発生しているけどお金は受け取っていない)については課税の対象か知りたい

最初に結論から申し上げると

  • 未収利息は益金(課税対象)にならないとの見解あり
  • 銀行の利息も法人税の対象ではある

です。

銀行預金利息と法人所得税の基本

まずは基本概念を理解しましょう。

ベトナムの税務規定によると、法人所得税の課税対象には「その他の所得」が含まれます。そして、この「その他の所得」には、銀行預金利息や貸付金利が含まれます。具体的には以下の通りです。

課税対象か?
Circular 78/2014/TT-BTCおよびCircular 96/2015/TT-BTCでは、銀行預金の利息収入が法人所得税の課税対象とされています。

預金利息および貸付金利息による収入には、遅延利息、割賦利息、信用保証料および貸付契約におけるその他の手数料が含まれる。

– 預金利息および貸出金利息の収入が、相殺の結果、所定の貸出金利息の支払額を上回る場合には、その差額は、課税所得の計算上、その他の収入に含まれる。

– 預金利息および貸出金利息による所得が、相殺後、所定の貸出金利息の支払額を下回る場合、その差額は、課税所得を決定する際に、主たる生産および事業所得から控除される。

引用元:Circular 78/2014/TT-BTC 第7条第7項(修正後)

よくある誤解と税務局の公式見解の解説

「まだ受け取っていない利息も課税されるのでは?」という誤解が生じがちです。この点について、ハノイ税務局はSun Asterisk Vietnam有限会社からの問い合わせに以下のように回答しています。

ハノイ税務局の公式通知 No. 57306/CTHN-TTHT

  • 法人所得税法では、未発生の収益を課税所得に含める規定はありません。
  • 実際に利息収入が発生(受取)した場合、その時点の課税期間に課税所得として計上します。

となっています。

課税のタイミング
つまり、実際に利息が発生(お金を受け取った)した時点で課税対象となります。つまり、まだ発生していない「未満期の利息」は課税対象外です。この規定に従えば、あなたの企業は利息の見込み収益(未収収益ですね)を課税対象に含める必要はありません。

日本との比較

日本の税法によればベトナムとの見解とは逆で「未収収益については益金となる」です。このあたり興味深いですね。ベトナムの税に関しての考え方からすれば(なるべく税金は早めに徴収したい)課税対象となるはずだからです。

金融機関の貸付金および有価証券にかかる未収利息のうち当該事業年度にかかるものの額は、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

引用元:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/660905/01.htm

まとめ

未満期の銀行預金利息に関する法人所得税について、以下の点を押さえることが重要です。

  • ベトナム税務法では、未発生の収益は課税対象外。
  • 実際に利息収入が発生した時点で課税所得に含めます。
  • 税務調査時のトラブル回避のため、利息に関する記録を整備し、専門家に相談することをお勧めします。

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