ラボの菅野です。

今以下が話題になっていますね。AIの影響はやっぱり無視できません。

「現在の事業はだいたい3000人で運営している。非常にモデスト(謙虚)な目標だが、これを半分にする。半分で現業を成長させながら、残りのもう半分で新規事業をやっていく。DeNAはAIにオールインする」──DeNAの南場智子代表取締役会長は、同社が2月5日に開催したAIイベント「DeNA×AI Day」の基調講演で、今後の事業方針についてこう語った。

動画は以下。文字起こしの記事も参考になります。

https://fullswing.dena.com/archives/100153/

  • AIのパワーで“楽”を手に入れる
  • 10人でユニコーンは現実
  • 今の半分の人員で現業を成長させ、残りの半分でユニコーンを量産する
  • 2BはバーティカルAIエージェントにフォーカス、2Cは究極ののめり込みを
  • M&Aを活発化、独立も支援
  • AIシフトの本質は、創造的な仕事にフォーカスすること
  • DeNA第2の創業期、チャプター2が始まる
  • AIはおいしいタイミング。波を捉えれば誰もが主役になれる

海外で会社を経営する私たちにもいろいろと転用できるところがあります。この辺りを考えてみたいなあと。

経営者が自らが使いこなす!感動を!

どっかの大きな会社が現場を知らないことで傾いてますが、この事とも関連してくるんじゃないかなあと思っています。

自らがAIツールを使い倒して可能性に感激して興奮して、そして、その興奮を改革のエネルギーに変える

まずはこれでしょう。みなさんはどうですか? 私自身はめっちゃ使い倒しています。そして興奮しています。自分自身がやりたいことができる可能性が大きくなりました。

イメージでいうとこんな感じです。好奇心が私は強いのでそれを満たすということが大きくできるようになったのは喜ばしいことです!

なので今後の変化に対応したいのであれば「使っておいてね。DXしてね」と指示するだけじゃやっぱりダメなんですよね。

 

AIにオールインします!

DeNAはAIにオールインします

経営者が自らの発言。

サッカーチームでいうと監督。船で言うと船長。

トップがいう言葉なのでDeNAの社員様には自分ごととして刺さる言葉でしょう。ベトナムの経営者という意味で私たちに転用するのであればこのように「宣言」するということの大事さです。

なので私ももっとはっきりとベトナム人スタッフに伝えないといけないと思いました。これまでは週次ミーティングなのでAIとこれからのマナボックスビジネスというテーマで詳細を伝えていました。

  • 「AIのほうが優秀であれば迷わず人間じゃなくてAIを選択する」
  • 「AIと喧嘩しないでください。勝てないです。だから助け合って」
  • 「人間にしかできなことを大切にして」

みたいな。

ただ、

もっとシンプルにインパクトが大きくなるような言葉で伝えないといけないのかもしれません。

生成AIの産業構造のマップを見てどこに注力するのか?

ここもビジネスのヒントになると思いました。以下の図です。

引用元
https://techcon2025.dena.dev/
引用元 https://techcon2025.dena.dev/

各レイヤーの説明

この図はAI技術の主なレイヤーを以下のように分類しています。

(1) AI Tech (Semiconductor) – AI半導体レイヤー

  • NVIDIA: AI用のGPUを提供する最大の半導体企業。
  • Trillium, AWS Inferentia, VITA などもAI向けの半導体を開発。

(2) AI Infrastructure (Compute) – AIインフラレイヤー

  • Azure(Microsoft)
  • Google Cloud Platform
  • AWS(Amazon Web Services)
  • Stargate, 2GW Data Center in Manhattan
    • これらの企業は、AIを動かすためのクラウドコンピューティング基盤を提供。

(3) Foundation Model – 基盤モデルレイヤー

  • OpenAI(ChatGPT)
  • Gemini(Google DeepMind)
  • LLaMA(Meta)
  • Amazon Nova(AmazonのAIモデル)
  • Anthropic, Cohere, Stability AI, Qwen 2.5, Mistral AI, deepseek
    • AIの「基盤モデル」を開発し、各企業がAPIを提供。

今私が使っているAIですね。

(4) AI Developer Tool – AI開発ツールレイヤー

AIを開発・カスタマイズするためのツールやプラットフォーム。企業独自のデータをAIに学習させたり、カスタマイズしたAIを開発するためのツール。

(5) AI Application – AIアプリケーションレイヤー(ここ!)

  • 一番上に位置するレイヤー。
  • 「C向け(コンシューマー向け)」と「B向け(ビジネス向け)」のAIアプリケーションが並ぶ。

料理に例えるとこんな感じですかね。現代人である私たちは「最高の料理人」を誰でも安価で雇用できるようになったみたいな感じです。

AIの階層料理に例えると…
AI Tech(半導体)調理器具(コンロ・オーブン)
AI Infrastructure(クラウド)キッチン設備(ガス・電気・調理スペース)
Foundation Model(基盤モデル)シェフ(料理を作る人)
AI Developer Tool(開発ツール)調味料・レシピ本
AI Application(アプリ)お客さんに出す料理

南場のDeNAに限らず日系企業は「5のレイヤー」(お客さんに出す料理)でしか入り込めないような気もします。これは安宅氏の『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』のフェーズ1ではもう勝てないから(過去の歴史を見ても勝ったことがない)次のフェーズしかない!という話と似ているなあと思いました。

 >>ミドル世代視点での【シン・ニホン AI &データ時代における日本の再生と人材育成】の感想・まとめ【1枚のマップでまとめ】

上記を参照してください。

会計

会計・税務業界のレイヤー5はどうなってるでしょう?調査してみました。

カテゴリAIアプリの用途具体的な機能・メリット
代表的なツール・事例
① 記帳・仕訳の自動化仕訳作業の自動化– AIが銀行取引や領収書データを自動仕訳
– 手入力不要で経理業務を効率化
freee、マネーフォワード、Streamed、AI inside
② 税務処理の最適化税務申告の自動化– AIが控除や最適な税率を判定
– 自動で法人税・消費税の申告書を作成
Mikatus、達人シリーズのAI機能
③ 監査・内部統制支援監査の効率化– AIが異常取引を自動検出
– 監査人の負担を軽減し、不正リスクを低減
PwC HALO、EY Helix、AI監査ツール
④ 財務分析・経営支援経営データの可視化– AIが財務データを分析し、経営の意思決定をサポート
– キャッシュフローの予測
FUNDESIGN、Trend Score AI、Cashforce
⑤ M&A・DD(デューデリジェンス)支援企業評価の効率化– AIが契約書・財務データを分析し、リスクを検出
– M&Aのデューデリジェンスを短期間で実施
Kira Systems、Luminance
⑥ AIチャットボットによるサポート会計・税務相談の自動対応– AIが税務や会計の質問にリアルタイムで回答
– クライアント対応の効率化
ChatGPT+税務データ連携、IBM Watson for Finance
⑦ 人事・給与計算の自動化給与計算の効率化– AIが社会保険料・所得税を自動計算
– 勤怠データと連携し、給与明細を自動作成
SmartHR、ジョブカン給与計算
⑧ 不正検知・リスク管理不正会計の監視– AIが仕訳データを分析し、不正取引を検出
– リスクをリアルタイムでアラート
AI監査ツール、Fraud Detection AI

なるほど。弊社、マナボックスであれば①②と⑥と⑦は必須で影響を受けますね。どんどん自動化していく流れにならないといけません。AI時代でも活躍するためには、「AIと共存し、活用するスキル」 が求められるでしょう!

AIシフトの本質は、創造的な仕事にフォーカスすること

これについても発言されています。これについては多くの人が発言していることから「聞き飽きた」みたいな印象もあるかもしれません。なんだよ「創造的って」と。非常に難しいところではあると思います。

ただ私はこんなふうに考えています。

  • 大昔は「食べる」ために多くの時間を割いてた
  • テクノロジーが発展しても「仕事」が増えてくばかり
  • いよいよAIでいわゆるホワイトカラーの仕事が大きく変化、余暇が生まれる

効率性の罠という言葉もあり、これまでレベルのテクノロジーであれば「仕事」が増えていった側面もあるのかなと思います。けれどもこのAI。おそらくものすごいインパクトなるはずです。なので「余暇」がうまれるのでその「余暇」で好きなことをすることで「仕事」が作られていくんじゃないかと。

これって考え方を変えるとめっちゃいい時代ですよね。今、『チ。 ―地球の運動について―』にはまってるんですけど、この時代は発言によって処刑もされていわけです。印刷の技術もなかったので「考え」を届けることもできなかったのです。

AIが出てくる前でも、ネットによって考えを届けることは可能でした。ただAIによって特にホワイトカラーにですが激しく「余暇」が発生すると思うんです。

1930年、ジョン・メイナード・ケインズは、20世紀末までに、イギリスやアメリカのような国々では、テクノロジーの進歩によって週15時間労働が達成されるだろう、と予測した。

経済学者ケインズが100年も前に予想していたことはハズレてしまいました。もしかしたら「クソどうでもいい仕事」が増え続けるかもしれないのですがAIが優秀すぎて(ある領域では)、人間を楽にするので人間はAIを頼るはずだと思います。

なので「クソどうでもいい仕事」→「好きで楽しい事」

になる可能性もあるんじゃないかなと。「余暇」は大事です。人間が成長、進化するためには「学び」が必要です。ちなみが学校の語源は「暇」ですよ。 

学校は英語でschool(スクール)です。その言葉はラテン語のschola(スコラ)「学校」から、そのラテン語schoraはギリシャ語のskhole(スコレー)「余暇、ひま」からできた言葉だそうです。
 古代のギリシャでは、学問ができるのは労働に従事することなく生活に余裕のある貴族しかなく、その貴族たちが生活の余裕、余暇を利用して教養を身につけたことから、ギリシャ語の「余暇、ひま」が学問という意味になり、その学問をする場所として学校という言葉ができてきたといわれています。

現代は生きづらい、、、、。とかいう人もいると思います。それもわかるのですが、

  • 狩猟の時に死んでしまうリスクが高かった時代
  • 言いたいことを言ったら殺されてしまった時代

と比べばだいぶいい時代に生きていると思うんです。それがAIによって加速すると考えればとても幸せじゃないかなあと。

AIの本質は、人間を幸せにする

だと思うようにしています。