はじめに:ベトナムの出産給付とは?

ベトナムで働く女性労働者は、最大6か月の産休基本給の2倍の出産一時金 を受け取ることができます。さらに、男性労働者も条件を満たせば産休を取得できる制度が整っています。

本記事では、ベトナムの出産給付(産休・出産一時金・健康回復給付) について、法律の根拠や支給額、申請方法をわかりやすく解説します。

  1. 妊娠中
  2. 産休中
  3. 出産時・産後
  4. 出産一時金
  5. 出産後回復

の順に見ていきます。

1. 妊娠中の給付:産前検診休暇と流産時の休暇

産前検診のための休暇(第32条)

第32条(妊婦検診のための休暇取得期間)

  1. 妊娠中、女性労働者は妊婦検診のために5日間の休暇を取得する権利があります。1回の検診につき1日取得可能。ただし、医療機関が遠方にある場合や、妊婦が健康上の問題を抱えている、または異常妊娠の場合は、1回の検診につき2日間の休暇を取得できます。

流産・死産・病的中絶時の休暇(第33条)

第33条(流産・人工妊娠中絶・死産・病的中絶時の休暇)

  1. 流産、人工妊娠中絶、死産、病的中絶の場合、女性労働者は医療機関の指示に基づき産休を取得できます。休暇取得期間の上限は以下の通りです。
  • 妊娠 5週未満10日間
  • 妊娠 5週以上13週未満20日間
  • 妊娠 13週以上25週未満40日間
  • 妊娠 25週以上50日間

2.出産給付金:産休中も給与の100%がもらえる!(第39条)

第39条(出産給付金の計算方法)

  1. 産休中の給付金額 は、産休開始前 6か月間の平均給与の100% として計算されます。
  2. 産休期間が 月に14日以上 の場合、その期間は社会保険料支払い期間とみなされ、労働者および雇用者は社会保険料を支払う必要がありません。

具体的な給付額(例)

基本給与(月額)産休中の給付金(月額)
5,000,000 VND5,000,000 VND(約30,000円)
10,000,000 VND10,000,000 VND(約60,000円)

💡 ポイント:産休中も給料の100%が支給されるため、収入が途絶える心配はありません!

3. 出産時・産後の給付:産休・男性の産休取得

女性労働者の産休制度(第34条)

第34条(出産時の産休取得期間)

  1. 出産した女性労働者は、産前産後合わせて6か月間の産休を取得できます。双子以上の出産の場合、2人目以降の子ども1人につき1か月の追加休暇が与えられます。
  2. 産前休暇の最長期間は2か月です。

男性労働者の産休取得(第34条)

第34条(男性の産休取得)
2. 社会保険料を支払っている男性労働者は、妻の出産時に以下の産休を取得できます。

  • 5労働日間(通常の出産)
  • 7労働日間(帝王切開または妊娠32週未満での出産)
  • 10労働日間(双子の出産)
  • 14労働日間(双子以上で帝王切開の場合)

4.出産一時金:基本給の2倍がもらえる!(第38条)

出産一時金の支給額と条件

第38条(出産一時金)

  1. 出産した女性労働者または6か月未満の子どもを養子に迎えた労働者は、基本給与の2倍の一時金を受け取ることができます。
  2. 出産時に母親が社会保険に加入していない場合でも、父親が社会保険に加入していれば、父親が基本給与の2倍の一時金を受け取ることができます。

具体的な給付額(例)

基本給与(月額)出産一時金
5,000,000 VND10,000,000 VND(約60,000円)
10,000,000 VND20,000,000 VND(約120,000円)

5.出産後の健康回復給付(第41条)

出産後の健康回復休暇

第41条(出産後の健康回復給付)

  1. 出産後30日以内に体調が回復しない場合、最大10日間の回復休暇を取得できます。
  • 双子以上出産:最大10日間
  • 帝王切開の場合:最大7日間
  • その他のケース:最大5日間
  1. 給付額:1日あたり基本給与の30%

産休・出産給付の申請方法の概要

申請は、企業を通じて社会保険機関に手続きを依頼 します。

📌 必要書類

妊娠検診の場合

  • 医療機関の診断書

出産後の給付金申請

  • 出生証明書(コピー)
  • 労働者の社会保険加入証明

出産後の健康回復給付

  • 医師の診断書

申請期限

出産または養子縁組後 6か月以内 に申請が必要!

まとめ|ベトナムの出産給付制度をフル活用しよう!

ベトナムでは、最大6か月の産休・基本給2倍の一時金・健康回復給付 など、充実した出産給付制度が整っています。

🔹 ポイントのおさらい

女性の産休は6か月(双子以上は追加)
男性も5〜14日間の産休取得可
出産一時金は基本給の2倍!
体調が回復しない場合、最大10日間の健康回復給付

出産を控えている方や企業の人事担当者は、制度を正しく理解し、スムーズに申請できるよう準備 しておきましょう!

📌 最新の情報は、いつもお願いしている専門家にかならず確認してください!