ラボの菅野です。

今日のテーマは『社会保険の計算対象に含めなくていいやつってなに?』です。

給与計算やキャッシュアウトに影響するため、ベトナムの経営者は気になると思います。

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社会保険料の“含めなくていいお金”をきちんと知ろう

「この手当って社会保険の対象になるの?」
「食事手当は? 通勤補助は? ボーナスは?」
…こういった疑問、企業の人事・経理なら一度は悩んだことがあるはずです。

2021年7月、そんな実務の混乱を解消するためにベトナム労働省が出したのが、Thông tư 06/2021/TT-BLĐTBXH、通称「06/2021通達」です!

この通達は、何を社会保険料の算定対象に含めて、何を除外していいかを公式に定めた、いわば“社会保険のルールブック”のような存在。

今回はこの中でも特に注目すべき「算定除外リスト(含めなくていい収入)」に絞って、わかりやすく解説していきます。

社会保険の対象になるお金、ならないお金って?

ベトナムでは、企業が従業員に支払う給与のうち、一定の収入をベースにして社会保険料を計算します。
この「一定の収入」というのがややこしくて、全部が全部入れるわけではないんです。

基本給➕手当が対象だとは思うんだけどもね。でも手当ってどこまで含むの?です。

というのも、従業員にとっては給与でも、税金上は“課税されるけど社会保険には入れなくていい”お金というのもたくさんあるんですね。

06/2021通達の位置づけ

正式名称は:

Thông tư số 06/2021/TT-BLĐTBXH ngày 07 tháng 7 năm 2021
(2021年7月7日付 労働・傷病兵・社会問題省 通達第06号)

この通達では、社会保険料の計算に含めるべき収入と含めない収入が明確に区別されています。
特に注目すべきは第3条(Điều 3)の第2項(khoản 2)。ここに**“社会保険料に含めなくていいもの”**が列挙されています。

含めなくていいお金=算定除外リスト(第3条第2項)

以下のような手当・補助は、会社から支給されていても、社会保険料の計算には含めなくてOKとされています:

📌 Thông tư 06/2021/TT-BLĐTBXH, Điều 3, khoản 2:Các khoản chế độ và phúc lợi khác ngoài mức lương thỏa thuận trong hợp đồng lao động, cụ thể:

  • Tiền thưởng theo Điều 104 của Bộ luật Lao động
  • Tiền ăn giữa ca
  • Tiền xăng xe, điện thoại, đi lại, nhà ở
  • Tiền giữ trẻ, nuôi con nhỏ
  • Các khoản hỗ trợ khi người lao động có thân nhân bị chết, người lao động kết hôn, sinh nhật…
  • Các khoản hỗ trợ, trợ cấp khác ghi thành mục riêng trong hợp đồng lao động

(訳)
労働契約に定めた給与とは別に支給されるその他の手当・補助(福利厚生的支出)、具体的には:

  • ボーナス(労働法第104条に基づく)
  • 食事手当(中勤食など)
  • 通勤・ガソリン代、電話代、家賃補助
  • 保育料や子育て支援金
  • 結婚・誕生日・葬儀などの慶弔金
  • その他、労働契約に別項目として明記された補助金・手当

なおお客様向けのコンテンツでは以下のようなまとめも提供しています。

>>M-Lab_ベトナムの手当の解説と課税・社会保険適用状況の調査【70個の手当てを分析!】

どんな手当が「含めなくていい」?具体例で理解しよう

前章で紹介した通達第3条第2項に基づき、以下のような手当は社会保険料の算定対象から除外されます。
表でサクッと確認してみましょう!

手当の種類

通常の支給例社会保険料の対象?解説
ボーナス(賞与)業績連動ボーナス、年末賞与含めない
労働法104条に基づく報奨金は対象外
食事手当昼食代、現金での昼食補助含めない
中勤食・福利目的の給付として除外
通勤手当ガソリン代、ICカード、送迎費含めない
出勤補助としての福利扱い
通信費補助携帯電話料金、Wi-Fi補助含めない
業務連絡用支給などが対象
住宅手当家賃補助、社宅の光熱費補助など含めない
使用者負担の住宅福利と見なされる
保育・子育て支援託児費補助、子ども手当含めない
育児支援を目的とした福利費
慶弔金結婚祝い、葬儀補助、誕生日ギフト含めない
臨時支給の非給与的給付
契約外の支援金制服クリーニング費、雑費補助など含めない
労働契約書に明記された“別項目”であればOK

まあそうだよね!って感じですかね。

よくある誤解・グレーゾーンはここに注意!

実務では、「本当は除外できるのに、入れてしまっていた」「逆に、対象にしなければいけないのに外していた」というケースも少なくありません。
以下のような点は特に注意が必要です。

1. 毎月同額でも「契約に明記されていない手当」は対象外にならないことがある

たとえば「電話手当を毎月固定で50万ドン支給している」としても、労働契約書に明記されていない場合は、SI対象に含めなくてよいとされています。
ただし、逆に「契約書に“月給に含む”と書いてある手当」は、たとえ実費的性格が強くても含める必要があります

2. 「ボーナスは全部対象外」と思いがちだが…

「ボーナス=除外」と思われがちですが、実質的に固定給与の一部として支給している場合(例:毎月のKPI手当を“ボーナス”と名付けているだけ)は、SI算定対象とみなされる可能性があります
形式よりも実態が重視されるため、社内規程・支給根拠・支給基準を明確にしておきましょう。

実務での対応ポイントとは?

じゃあどう対応すればいいの?ってことですよね。これが実務では大事。

✅ 労働契約と社内規定の見直しを

  • 「固定手当」「福利的支給」「変動的な一時金」などを文書上しっかり分類しましょう
  • 通勤・通信・食事・住宅などの補助については、“業務補助”や“従業員支援”としての記載があると除外判断しやすくなります

✅ 社会保険申告資料にエビデンスを添える

  • 月次申告における賃金計算表に、“社会保険算定対象とならない手当”の一覧と根拠を記載しておく
  • 必要に応じて、Thông tư 06/2021の抜粋条文や社内規定を添付できると安心です

考え方!これは社会保険料の対象に含めるのか?」を判断する3つの基本軸

個別に学ぶよりも抽象化することが大事です。そうすればいろんあ応用に対応できるからです。

🔑 基本軸1:労働の対価か? 福利か?

  • 含める(対象):労働の成果・職務の責任・役職・技能・勤続など、仕事の内容に対して支払われるもの
  • 除外(対象外):昼食・交通・電話・住宅など、生活支援や福利厚生を目的としたもの

🧩この違いが、最も根本的な判断基準です。

 基本軸2:労働契約書に書かれているか? どう書かれているか?

  • 含める(対象):労働契約書に「基本給+○○手当」と明記されており、金額も固定されている
  • 除外(対象外):労働契約とは**別の規定(就業規則・社内福利規程など)**で定められ、福利目的で支給される

💡「手当の名前」ではなく、「契約上どう位置づけられているか」がポイントです。

基本軸3:支給の性格は“恒常的・定額”か、“臨時・補助的”か?

  • 含める(対象):毎月必ず支給され、金額も決まっている(=給与の一部として扱われる)
  • 除外(対象外):状況によって変動したり、必要時のみ支給される(=福利・補助の一時金)

例:皆勤手当 → 「出勤日数次第で支給額が変わる=原則除外」
 ただし「毎月定額かつ契約書に明記されていれば含める」可能性もあり

判断項目Yes(=算定対象に含める)
No(=算定対象から除外)
労働の内容・職責に関係するか?含める
除外(生活補助や福利なら)
労働契約書に記載されているか?含める
除外(別規程・不明瞭なら)
毎月定額で恒常的に支給されているか?含める
除外(都度支給・不定期支給なら)
「給与の一部」とみなされているか?含める
除外(実費精算や一時金なら)

おやくにたてれば幸いです