こんにちはマナラボの菅野です。
今日は失敗のお話です。失敗と聞くと逃げたいという思う人もいるかもしれません。けれども成功や成長には失敗は欠かせないです。
ベトナム語でもこのことは有名ですよ。
Thất bại là mẹ của thành công. 失敗は成功の母だ!です。
なので失敗は大事なんですが、きちんと整理しないといけません。そうしないと無駄な悩みが発生するし、間違った方向にいってしまうからです。
戦略がやっぱり大事です。
この記事のもくじ
4象限マトリクスで整理するからわかりやすい!「予測可能性」と「コントロール可能性」って何?
この2つの要素で整理します。
- 予測可能性:「その失敗が起こることを事前に予測できるかどうか」
- コントロール可能性:「その失敗を自分の行動や判断で防ぐことができるかどうか」
これを組み合わせると、失敗は次の4つに分類できます。
失敗を分類するマトリクス
コントロール可能 | コントロール不能 | |
---|---|---|
予測可能 | ①予測も対策も可能 | ②予測できるが対策が難しい |
予測不能 | ③予測は難しいが対策可能 | ④予測も対策も困難 |
失敗についてはこのように大きく4つに分類されることになります。
では、それぞれ具体例を見ていきましょう!
①予測可能&コントロール可能
事例、ケーススタディで考えましょう。弊社は会計・税務の支援をメインでしているのでそちらの視点も加えてみました。
一般的な事例:機械の定期的なメンテナンス不足による故障:機械は定期的なメンテナンスを怠ると故障する可能性が高まります。これは予測可能であり、メンテナンスを行うことでコントロール可能な失敗です。
会計コンサルの事例:財務報告の締め切り遅延:毎月の財務報告の締め切りは事前に決まっています。スケジュール管理を徹底すれば、遅延を防ぐことができます。また担当者による会計処理、税務処理のミスもそうでしょう。繰り返し行われ、言語化できる(マニュアル)。Youtubeに挑戦して全然結果が出ない!場合もここにカテゴリされます。試行錯誤すれば結果が変わる可能性があるという意味でコントロール可能です。
対策方法:
- 定期的なメンテナンスやスケジュール管理を徹底する。
- チェックリストやリマインダーを活用して、タスクの漏れを防ぐ。業務標準化してミスを防止する。そもそも自動化する。AIを利用するみたいなことの検討もめっちゃ大事ですね。
②予測可能&コントロール不能
一般的な事例:自然災害による被害:地震や台風などの自然災害は、ある程度予測可能ですが、その発生自体をコントロールすることはできません。
会計コンサルの事例:税制改正による影響:政府が新たな税制を導入することは予測できますが、その内容やタイミングをコントロールすることはできません。
対策方法:
- 保険やリスクヘッジを活用して、被害を最小限に抑える。
- 最新の情報を常にキャッチし、迅速に対応できる体制を整える。勉強ですね。
③予測不能&コントロール可能
一般的な事例:突然の市場ニーズの変化:新たなトレンドや消費者の嗜好の変化は予測が難しいですが、迅速な市場調査や商品開発で対応することが可能です。
会計コンサルの事例:クライアントからの緊急依頼:クライアントが急に特別な分析や報告を求めることがあります。これは予測できませんが、柔軟なチーム体制やリソース管理で対応できます。このあたりは難しいです。リソース(人員)をどれだけ持つか?で固定費も変わるからです。雇用契約だけでなく外注できる仕組みも必要でしょう。
対策方法:
- 柔軟な組織体制やプロセスを構築し、迅速に対応できるようにする。
- リソースの余裕を持たせ、突発的な事態にも対応できるようにする。
④予測不能&コントロール不能
一般的な事例:新型ウイルスのパンデミック:新型ウイルスの発生やその影響は予測が難しく、個人や企業がコントロールすることも困難です。
会計コンサルの事例:主要取引先の突然の倒産:取引先が予期せず倒産することは予測が難しく、その影響を完全にコントロールすることも困難です。
対策方法:
- BCP(事業継続計画)を策定し、危機管理体制を強化する。
- リスクの影響を最小限にとどめるための仕組み作りを検討する。
表でまとめると以下のようになります。
カテゴリー | 一般的な事例 | 会計コンサルの事例 | 対策方法 |
①予測可能&コントロール可能 | 機械のメンテ不足による故障 | 財務報告の締切遅延 会計処理のミス、 | 定期メンテやスケジュール管理の徹底、チェックリストやリマインダーの活用 |
②予測可能&コントロール不能 | 自然災害による被害 | 税制改正の影響 | 保険やリスクヘッジの活用、最新情報の収集と迅速な対応体制の整備 |
③予測不能&コントロール可能 | 突然の市場ニーズ変化 | クライアントからの緊急依頼 | 柔軟な組織体制やプロセスの構築、リソースの余裕確保 |
④予測不能&コントロール不能 | 新型ウイルスのパンデミック | 主要取引先の突然の倒産 | BCP策定と危機管理体制の強化、リスク影響を最小限に抑える仕組み |
こんな感じです。
「人を責めるな、しくみを責めろ!」
あとは失敗から学ぶという意味では「人を責めるな、しくみを責めろ」(トヨタ)の考えかたもめっちゃ大事ですね。なぜなら人を責めちゃうと「情報が入ってこない」「ミスを隠蔽するカルチャー」「ミスから学ぶ姿勢」という大事なことが失われちゃうからです。
なので「人を責めるな、しくみを責めろ」を前提としたうえで失敗を分析することが大事でしょう。弊社でもよくメンバーに「Do not blame the person, Blame the system!」と伝えています。
>>なぜ、ベトナムの人はミスを認められないのか?【勇気のある人はミスを受け入れ学ぶ】
上記で説明している通り、なかなかミスを受け入れてくれない風潮があるんです。それは根気良く変えていくしかありません。何度も何度も。強い人間はミスを認めることができる人で、ずっと言い訳する人ではありません。
まとめ
失敗を「予測可能性」と「コントロール可能性」の2軸で分類することで、それぞれの失敗に対して適切な対策を立てることができます。特に、予測可能でコントロール可能な失敗には事前の対策を、予測不能でコントロール不能な失敗にはリスク分散や保険などの対策を検討することが重要です。
皆さんも、このフレームワークを活用して、日々の業務や生活でのリスク管理に役立ててみてくださいね。