ラボの菅野です。

本日は「政令35/2022/ND-CPのまとめ」というテーマでお話ししていきたいと思います。

これはEPEに関する条文ですね。聞きなれない人もいるかもしれませんがそれも含めて解説します。

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この記事のもくじ

まずは政令35/2022/ND-CPの重要性のある条文から見ていこう!

政令35/2022/ND-CPは全部で76条あります。なので全部は見切れないいですよね。なので以下の観点でリストアップしました。

政令35/2022/ND-CPにおいて日系企業に影響する条文を選定する際、

  • ①条文自体を精読し、企業運営への実務インパクトを重視、
  • ②ベトナム語の現地専門家・ニュースで注目されている条文を確認、
  • ③日系企業特有の関心(設立、税制、物流など)との関連を照合する、

の3つを総合して判断しました。理論だけでなく、現場での実効性を意識してリストアップしました。

条文番号内容概要重要度コメント
第6条工業団地の設立認定手続き廃止★★★投資認可(IRC)取得だけで工業団地設立が完了。設立期間短縮・負担軽減。デベロッパー・製造業ともに恩恵大。
第26条輸出加工企業(EPE)の設立・運営規定★★★EPE設立フローが明文化。国内販売時の関税・VAT課税ルールも整理。EPE運営には厳格な通関・管理が必須に。
第9条工業団地開発における分割開発義務★★☆500ha超の工業団地は分割開発が義務化。大規模拠点展開時はマスタープラン要調整。
第22条工業団地・経済区の税制優遇規定★★☆法人税減免、土地使用料免除などの優遇措置あり。ただし省人民委員会承認が前提。
第4条・第5条工業団地・経済区リスト管理基準★☆☆リスト登録要件厳格化。新規開発案件の参入可否を左右する。
第29条労働者住宅・サービス施設整備義務★☆☆工業団地面積の2%以上を労働者用施設に確保。開発収支に影響あり。
第30条経済区内の自由貿易区運営ルール整理★☆☆自由貿易区内での物流・商流スキーム拡大。商社・物流系企業に柔軟運用メリットあり。

 

政令35/2022/ND-CPの条文の構成を見てみよう!

長くて恐縮ですが以下のようになってます。参考までに

条文の構成を理解しよう!

第1章 総則

  • 第1条 適用範囲と対象
  • 第2条 用語の定義
  • 第3条 工業団地・経済区建設指針
  • 第4条 工業団地ネットワーク開発計画
  • 第5条 経済区ネットワーク開発計画

第2章 工業団地・経済区のインフラ投資および設立

第1節 工業団地のインフラ投資および設立

  • 第6条 工業団地のインフラ投資および設立
  • 第7条 工業団地建設計画
  • 第8条 工業団地インフラ投資の手続き
  • 第9条 工業団地プロジェクトの投資前提条件
  • 第10条 インフラ投資家の要件
  • 第11条 インフラ投資プロジェクトの変更
  • 第12条 工業団地名称変更
  • 第13条 工業団地から都市・サービス地区への転換手続き

第2節 経済区の設立・拡張・境界変更

  • 第14条 経済区の設立
  • 第15条 経済区設立申請書類
  • 第16条 経済区設立手続き
  • 第17条 経済区の拡張
  • 第18条 経済区境界の変更
  • 第19条 境界変更申請書類
  • 第20条 境界変更手続き
  • 第21条 経済区設立・拡張・境界変更の権限

第3章 工業団地・経済区開発に関する政策

  • 第22条 投資優遇政策
  • 第23条 インフラ投資資金の調達手段
  • 第24条 財務規定
  • 第25条 短期滞在に関する規定
  • 第26条 輸出加工区・輸出加工企業に関する特別規定
  • 第27条 工業団地・経済区内投資家の権利義務
  • 第28条 公共財産の管理
  • 第29条 労働者向け住宅・サービス施設の開発
  • 第30条 経済区内の自由貿易区運営

第4章 工業団地および工業・都市・サービス区モデルに関する規定

第1節 一般規定

  • 第31条 支援型、専門型、エコ型、ハイテク型工業団地の開発

第2節 支援型・専門型・ハイテク型工業団地

  • 第32条 支援型、専門型、ハイテク型工業団地の優遇政策

第3節 工業・都市・サービス区

  • 第33条 工業・都市・サービス区の開発
  • 第34条 投資前提条件
  • 第35条 投資手続き

第4節 エコ工業団地

  • 第36条 エコ工業団地開発の支援政策
  • 第37条 エコ工業団地認定基準
  • 第38条 新規エコ工業団地の建設
  • 第39条 エコ工業団地・エコ企業への優遇措置
  • 第40条 エコ工業団地・エコ企業の認証
  • 第41条 エコ工業団地認証申請手続き
  • 第42条 エコ企業認証申請手続き
  • 第43条 エコ工業団地・エコ企業の効果測定・モニタリング
  • 第44条 認証の取消しと撤回
  • 第45条 認証の更新

第5章 国家工業団地・経済区情報システム

  • 第46条 情報システムに関する要件
  • 第47条 情報システムの構築
  • 第48条 情報システム関連経費
  • 第49条 計画投資省の責任
  • 第50条 各省人民委員会の責任

第6章 工業団地・経済区の国家管理

  • 第51条 国家管理任務
  • 第52条 管理権限・責任
  • 第53条 計画投資省の権限と責任
  • 第54条 内務省の権限と責任
  • 第55条 財務省の権限と責任
  • 第56条 建設省の権限と責任
  • 第57条 工商省の権限と責任
  • 第58条 自然資源環境省の権限と責任
  • 第59条 科学技術省の権限と責任
  • 第60条 労働傷病兵社会省の権限と責任
  • 第61条 公安省の権限と責任
  • 第62条 国防省の権限と責任
  • 第63条 文化スポーツ観光省の権限と責任
  • 第64条 政府監察院の権限と責任
  • 第65条 その他省庁の権限と責任
  • 第66条 各省人民委員会の権限と責任

第7章 工業団地・経済区管理機関の機能・任務・組織

  • 第67条 工業団地・経済区管理局の機能
  • 第68条 工業団地・経済区管理局の任務と権限
  • 第69条 経済区管理局の特別任務と権限
  • 第70条 管理局の組織構成

第8章 実施規定

  • 第71条 関連政令への補足
  • 第72条 労働者管理に関する規定の補足
  • 第73条 労働条件・労働関係に関する規定の補足
  • 第74条 経過措置
  • 第75条 発効日
  • 第76条 実施責任

【第1章 総則】

📚 ポイントまとめ

  • この章では、工業団地(IP)・経済区(EZ)に関する基本的な枠組みと用語が定義されています。
  • 特に、新しい工業団地モデル(支援型・専門型・エコ型・ハイテク型など)についてもここで明確化されています。
  • 開発方針、地域・省レベルでのネットワーク構築の考え方を示す重要な章です。

📝 条単位 日本語要約

第1条(適用範囲と対象)
→ 本政令は、工業団地・経済区に関する建設・運営・管理・政策などを定めるものであり、すべての関係機関、組織、個人に適用されます。

第2条(用語の定義)
→ 工業団地、輸出加工区、支援型工業団地、専門型工業団地、エコ工業団地、ハイテク工業団地など、全25項目の定義が整理されています。ここでそれぞれの性質や違いが明確化されています。

第3条(工業団地・経済区建設指針)
→ 地域レベルの計画において、工業団地や経済区の建設・発展方向、面積、重点地域を定める必要があることを規定しています。

第4条(工業団地ネットワーク開発計画)
→ 各省レベルで工業団地リストを作成し、特に「都市中心部での新設禁止」や「特別な森林土地の使用禁止」など、工業団地の開発条件を厳しく設定しています。

第5条(経済区ネットワーク開発計画)
→ 経済区の開発には、特定の立地条件(国際空港や港への接続、国境ゲートの有無など)を満たすことが必要とされ、最低敷地面積なども明確に規定されています。

【第2章 工業団地・経済区のインフラ投資および設立】

📚 ポイントまとめ

  • 工業団地や経済区の新設・拡張・設立認定について詳しい手続きと要件を定めています。
  • 特に政令35の大きな変化である「工業団地設立手続き廃止」(→ 投資認可で成立)もここで明文化。
  • 「500ha超のプロジェクトは分割開発必須」など、新たな投資前提条件もこの章で登場します。

📝 条単位 日本語要約

第6条(工業団地のインフラ投資および設立)
→ 工業団地は、複数タイプ(支援型・エコ型・専門型など)に分類されます。設立は、投資認可やインフラ投資許可をもって「成立」と見なされます(設立認定手続きは不要に)。

第7条(工業団地建設計画)
→ 工業団地の建設には、マスタープラン、ゾーニング計画、詳細計画が必要です。一定条件下ではゾーニングや詳細計画を省略可能です。

第8条(工業団地インフラ投資の手続き)
→ 公的資金プロジェクトと民間資金プロジェクトで、申請書類や審査手続きが異なります。特に事前段階で60%以上の既存工業団地稼働率が求められる場合もあります。

第9条(工業団地プロジェクトの投資前提条件)
→ 500ha超の工業団地は「分割フェーズ開発」が必須、または一部地域では水田転換など土地利用要件も厳格に適用されます。

第10条(インフラ投資家の要件)
→ 不動産事業要件、土地アクセス権要件など、インフラ開発事業者に課される具体的基準が整理されています。

第11条(インフラ投資プロジェクトの変更)
→ 計画地面積の縮小は一定条件下で認められ、開発計画変更時には新たな再審査が不要な場合もあります。

第12条(工業団地名称変更)
→ 工業団地の名称変更権限は、各省人民委員会に委譲されています。

第13条(工業団地から都市・サービス地区への転換)
→ 転換には、都市計画への適合、設立後15年以上経過など複数の厳格な条件があり、総理大臣の承認が必要です。

【⭐️第3章 工業団地・経済区開発に関する政策】

📚 ポイントまとめ

  • 工業団地・経済区に対する税制優遇、投資支援策、労働者施設の整備など、実際に投資家や企業が享受できるメリットがまとめられています。
  • 特に、インフラ整備に対する資金支援、労働者向け住宅・公共施設の開発推進が強化されています。
  • 一方で、輸出加工区(EPE)に関する特別規定もこの章で整理されています。

📝 条単位 日本語要約

第22条(投資優遇政策)
→ 工業団地や経済区は、法律で定められた投資優遇地域または社会経済的に困難な地域に分類される場合、土地使用料や法人税などの税制優遇を受けられます。

第23条(インフラ投資資金の調達手段)
→ 公共投資、地方債、ODA、PPP(官民連携)など、複数の資金調達手段が認められています。重要な経済区には国家予算からの特別支援も可能です。

第24条(財務規定)
→ 経済区内の自由貿易地域では、輸入商品の税制優遇が認められています。ODAやソフトローンを活用してインフラ開発する場合も、特別報奨が規定されています。

第25条(短期滞在に関する規定)
→ 工業団地内での労働者の短期滞在が正式に認められ、緊急時(自然災害、疫病、火災など)には特別対応も可能とされています。

第26条(輸出加工区・輸出加工企業に関する特別規定)
→ EPEの設立手続きが大幅に簡素化され、投資登録証明書に「EPE設立目的」を記載するだけで成立とされます。また、EPEと国内市場との間での貨物取引は基本的に「輸出入」と見なされ、税関手続きが必要となります(一定条件で免除あり)。

第27条(工業団地・経済区内投資家の権利義務)
→ 投資家には、インフラ共有、支援型団地の区画設定、賃料設定時の70%上限(小規模企業向け)などの義務と権利が定められています。

第28条(公共財産の管理)
→ 国家予算で整備されたインフラについては、民間投資家の事業費用に算入不可。ただし、国家側が返還を求めた場合は、事業費への加算が可能とされています。

第29条(労働者向け住宅・サービス施設の開発)
→ 工業団地内や近隣に労働者向け住宅、病院、学校、文化施設を整備することが義務付けられ、これに対して各種支援策も提供されます。

第30条(経済区内の自由貿易区運営)
→ 経済区内にある自由貿易区では、保税取引、国際物流、リサイクル、製造など幅広い活動が認められています。

【第4章 各種工業団地モデルおよび工業・都市・サービス区】

📚 ポイントまとめ

  • この章では、支援型工業団地、専門型工業団地、ハイテク工業団地、エコ工業団地といった新しい工業団地モデルの定義と、
    それぞれに対する特別な支援・優遇措置がまとめられています。
  • また、「工業+都市+サービス」が一体となった**工業・都市・サービス区(Industrial-Urban-Service Zones)**という新たな複合モデルについても正式に制度化されています。

📝 条単位 日本語要約


第1節 一般規定

第31条(支援型・専門型・エコ型・ハイテク型工業団地の開発)
→ 新設だけでなく、既存団地の転換も支援対象。
支援内容は、行政手続きの簡素化、コンサル支援、投資促進など多岐にわたります。


第2節 支援型・専門型・ハイテク型工業団地

第32条(支援型、専門型、ハイテク型工業団地の優遇政策)
→ インフラ開発投資者には以下の優遇が与えられます:

  • 土地使用料の免除または減額
  • 国家資金・低利融資の優先提供
  • 投資対象プロジェクトリストへの優先登録

さらに、団地内に立地する企業には、

  • 法人税、輸出入税の減免
  • 支援産業製品認定の迅速化(最大30日以内)
  • 技術研修、スタートアップ支援プログラムへの優先参加 などの特典が与えられます。

第3節 工業・都市・サービス区(IUSゾーン)

第33条(工業・都市・サービス区の開発)
→ 産業、都市、サービス機能を一体で整備する新しい複合開発モデルです。
主役は工業団地、都市・サービス機能は補助的役割を担います。

第34条(投資前提条件)
→ 都市・サービスエリアは、

  • 地方または都市開発計画と整合していること
  • 面積が工業団地面積の3分の1以内であること が求められます。 また、環境負荷の高い産業(環境リスク第I・IIグループ)は対象外です。

第35条(投資手続き)
→ 工業・都市・サービス区の開発も、一般的な投資プロジェクトと同じ流れで申請・承認されます。
特に、インフラ整備の一括開発を行ったインフラ投資者には、都市・サービス区整備の優先権が認められます。

第4節 エコ工業団地

第36条(エコ工業団地開発の支援政策)
→ 各省は、エコ団地への転換・新設を支援するために、

  • インフラ整備支援
  • 環境・技術支援
  • 産業共生(インダストリアルシンビオシス)の促進 などを推進します。

第37条(エコ工業団地認定基準)
→ インフラ投資者と企業は、それぞれ

  • 環境保護、社会的責任遵守
  • 資源効率向上、クリーン生産の実施
  • 産業共生への参加 が求められ、基準達成で「エコ工業団地」「エコ企業」の認定を受けられます。

第38条(新規エコ工業団地の建設)
→ 新規開発時には、エコ設計・産業共生プラン・リサイクル対応計画などを事前に提出することが義務付けられます。

第39条(エコ工業団地・エコ企業への優遇措置)
→ 認定後は、

  • 環境保護基金からの融資
  • グリーンボンド発行許可
  • 技術支援プログラムへの優先参加 など、幅広い支援が提供されます。

第40条(エコ認証手続き)
→ 認定は省人民委員会が実施。
申請から認定まで、コンサルティングや第三者評価を交えながら進みます。

第41条(エコ工業団地認証申請手続き)
→ インフラ投資者が認証申請を行い、最大40営業日以内に審査・認定されます。

第42条(エコ企業認証申請手続き)
→ 団地内の各企業が個別に申請可能。審査期間は最大20営業日。

第43条(モニタリングと効果測定)
→ 認定後も毎年、資源使用効率、産業共生活動の進捗などの報告が求められます。

第44条(認証取消・撤回)
→ 基準不達成や違反が判明した場合は、認証が取り消されます。

第45条(認証更新)
→ 5年ごとに更新手続きが必要で、審査を通過すれば認証が維持されます。

第5章 国家工業団地・経済区情報システム】

📚 ポイントまとめ

  • 全国の工業団地・経済区に関する情報をデジタル化・一元管理するための仕組みがまとめられています。
  • 情報の正確性、タイムリーな更新、システム間連携を重視。
  • 投資促進、政策立案、現状把握のために、国・地方・関係機関が協力して情報整備することが求められています。

📝 条単位 日本語要約

第46条(情報システムに関する要件)
→ 国家情報システムは、データの正確性、一貫性、更新性を確保し、政府や関係者がリアルタイムにアクセス・利用できる体制を整えなければなりません。
特に「国家秘密の保護」「知的財産権保護」にも注意が必要です。


第47条(情報システムの構築)
→ 計画投資省が中心となり、全国共通のオンライン情報システムを構築・運営します。
データは「経済情報」「社会情報」「環境情報」などに分類して管理します。


第48条(情報システム関連経費)
→ システム構築・運営のための費用は、国家予算、ODA資金、民間資金など多様な資金源から拠出されます。
また、データ収集や更新作業も予算化され、定期的に報告義務があります。


第49条(計画投資省の責任)
→ データ収集、更新、管理運用に関する統一ルールを制定し、全国の地方政府に指導・監督を行います。


第50条(省人民委員会の責任)
→ 地方レベルでは、

  • データの収集・更新・保存
  • 国家システムとの連携
  • データの正確性確保 を行う義務があります。
    さらに、サイバーセキュリティ対策も地方政府の責任範囲に含まれています。

【第6章 工業団地・経済区の国家管理】

📚 ポイントまとめ

  • この章では、工業団地・経済区に対する国家機関の管理体系と権限分担が整理されています。
  • 各省庁(計画投資省、建設省、商工省など)、省人民委員会、政府レベルの役割が明確に規定されています。
  • 特に、地方への権限委譲と国家レベルでの統一管理のバランスが重視されています。

📝 条単位 日本語要約

第51条(国家管理任務)
→ 工業団地・経済区に関する政策の策定、法制度の整備、技術基準・環境規制の策定、投資促進、運営監督など、幅広い国家管理任務が定められています。


第52条(管理権限・責任)
→ 政府、首相、各省、地方人民委員会が、それぞれのレベルで役割と責任を持ちます。
特に、開発計画の立案、投資許可、トラブル対応の権限が整理されています。


第53条(計画投資省の権限と責任)
→ 計画投資省が国家レベルでの統一管理を担い、

  • 投資政策の策定・調整
  • 法令案の起草
  • 国家情報システムの運営
  • 産業団地・経済区の効果測定 などを担当します。

第54条(内務省の権限と責任)
→ 工業団地・経済区管理局の設立・再編の提案審査を担当します。


第55条(財務省の権限と責任)
→ 労働者住宅や公共インフラに関する税制優遇措置の実施ガイドラインを策定します。


第56条(建設省の権限と責任)
→ 工業団地・経済区の建設計画、技術インフラ、住宅開発、都市サービス区開発などのガイドラインを制定・指導します。


第57条(商工省の権限と責任)
→ 工業団地内の産業発展、輸出入活動、貿易関連業務の監督・指導を担当します。


第58条(自然資源環境省の権限と責任)
→ 環境保護基準の策定、廃棄物リサイクル・再利用支援、環境インフラ整備を担当します。


第59条(科学技術省の権限と責任)
→ 工業団地・経済区における科学技術関連の指導・管理を担当します。


第60条(労働傷病兵社会省の権限と責任)
→ 労働関連(雇用、社会保険、労働条件など)のガイドライン策定と、地方管理局への権限移譲を担当します。


第61条(公安省の権限と責任)
→ 工業団地・経済区における治安維持、外国人の出入管理、火災・爆発防止管理を担当します。


第62条(国防省の権限と責任)
→ 国境経済区における安全保障、外国人の出入管理、軍事関連施設との調整を担当します。


第63条(文化スポーツ観光省の権限と責任)
→ 経済区における観光管理、外国観光企業のオフィス・支店設立許可を担当します。


第64条(政府監察院の権限と責任)
→ 汚職防止、苦情・告発処理に関する監督・指導を担当します。


第65条(その他省庁の権限と責任)
→ 産業・分野ごとの補完的な管理任務が定められています(例:教育省による人材育成支援など)。


第66条(省人民委員会の権限と責任)
→ 地方政府は、

  • 地域開発計画の策定
  • インフラ投資支援
  • 労働者支援施設の整備
  • 工業団地・経済区運営の直接管理 などを担当します。
    さらに、地方管理局の設立や財政支援、企業支援体制整備も求められています。

【第7章 工業団地・経済区管理機関の機能・組織】

📚 ポイントまとめ

  • この章では、工業団地・経済区管理局(IPA/EZA)の役割、権限、組織構成についてまとめられています。

  • 管理局は地方人民委員会(省政府)直属の組織として設置され、
    投資、労働、建設、環境、消防など幅広い分野で「ワンストップサービス機能」を担います。


📝 条単位 日本語要約


第67条(工業団地・経済区管理局の機能)
→ 工業団地・経済区管理局(IPA/EZA)は、地方人民委員会直属の専門機関として、
直接的な国家管理(投資、建設、企業活動支援など)と、関連する行政サービスの提供を担います。
国家シンボル入りの印章を持ち、独自予算で運営されます。


第68条(工業団地・経済区管理局の任務と権限)
→ 管理局の主な業務は非常に幅広く、以下が含まれます。

  • 投資登録証の発行・調整・取消
  • 工業団地・経済区の建設計画管理
  • 労働、建設、環境、安全に関する監督
  • 外国人労働許可の発行
  • 企業誘致、産業共生(シンビオシス)促進
  • 効果測定(投資進捗、雇用状況、環境負荷削減など)
  • 投資家からの苦情対応・問題解決
  • 公的インフラの管理
  • 定期レポート(四半期・年次)提出 また、地方政府や関係省庁と連携して運営されます。

第69条(経済区管理局の特別任務と権限)
→ 経済区を担当する管理局(特に大規模な経済区の場合)は、上記に加えてさらに以下の任務を持ちます。

  • 経済区の拡張・境界変更の提案
  • 地方債やODA資金を活用したインフラ整備計画
  • 国家予算支援案件の管理
  • 経済区内土地使用権の管理・価格設定
  • 各種公共サービス施設(住宅、教育、病院など)の建設管理

このように、経済区管理局は、単なる「申請窓口」ではなく、
エリア全体を開発・運営・支援する地域戦略拠点としての性格が強くなっています。


第70条(管理局の組織構成)
→ IPA/EZAは、

  • 局長(Head)1名
  • 副局長(Deputy Head)最大3名
  • 事務局、各専門部門(建設部、投資部、労働部など) で構成されます。

人数配置には最低基準があり(例:ハノイ・ホーチミン市では部門ごとに最低7人など)、
また、省人民委員会が人事任命権を持ちます。