こんにちは、ラボの菅野です。
ベトナムにおける住宅手当・通勤手当・食事手当など各種手当について、2024年時点の法制度に基づき「個人所得税(Personal Income Tax, PIT)の課税対象か」「社会保険(Social Insurance, SI)の算定基礎に含まれるか」を整理しました。以下の一覧表に主要な手当ごとの取扱いをまとめ、その後に法令上の根拠や補足説明を記載します。法律(個人所得税法など)や政令・通達の条文を優先的に参照し、必要に応じて税務総局(GDT)のオフィシャルレターにも言及しています。内容は2024年時点で実務に適用できる最新の法令に準拠しています。
リンク先でもある通り、日系企業からよくある質問は以下です。
- どんな手当があるの?いくらくらい?
- 個人所得税の対象?
- 社会保険の対象?
です。これについて再度、調査しました!正直、曖昧なところもありますができるだけ根拠も調査しました。 途中な部分もありますがその都度アップしていきますよ!
なお、CV = Công văn(公文書、オフィシャルレター)です!
ベトナムの手当のグルーピングすると!
詳細な手当ごとに検討するとわかりにくいのである程度抽象化します。いろんな考えがあると思いますが以下のように整理できます。
- 💼 給与性の手当・報酬(役職・責任・KPI・皆勤・資格・技能・勤続…)
- 🛡️ 福利厚生手当・費用(通信・交通・食事・制服・クリーニング・家族…)
- ✈️ 実費精算/出張・旅行・補助(出張手当・航空運賃・社員旅行…)
- 💌 慶弔・表彰・一時金(結婚祝儀・誕生日ボーナス・退職一時金…)
- 🧒 子女・教育・保育関連支援(教育費・保育手当・労働者子息支援…)
- 🏥 健康・医療・保険給付(健康診断・通院費・保険料…)
- 🏠 住宅・住居・補助関連(住宅手当・住居費…)
- 🧾 社会保険・法定給付系(産休給付・失業保険・傷病手当…)
数でのまとめは以下です。
カテゴリ番号 | カテゴリ名 | 検討項目数 |
① | 給与性の手当・報酬 | 16項目 |
② | 福利厚生手当・費用 | 11項目 |
③ | 実費精算・出張・旅行関連 | 7項目 |
④ | 慶弔・表彰・一時金 | 9項目 |
⑤ | 教育・子育て・扶養関連 | 8項目 |
⑥ | 健康・医療・保険給付 | 7項目 |
⑦ | 住宅・住居関連 | 4項目 |
⑧ | 社会保険・法定給付系 | 8項目 |
それぞれの内容を以下で解説します。
カテゴリ①:給与性の手当・報酬
まずこれです。よく生じるかもしれません。
番号 | 項目名 | PIT課税 | SI算定 | 福利費として損金可否 | 社内規定要否(あくまで参考) | 外国人とローカル差 | 主な法令・通達(要約) |
①-1 | 役職手当 | 課税 | 含める | 可(給与性支出) | 不要(労契で明記) | 差なし | TT111/2013;TT59/2015(給与手当) |
①-2 | 責任手当 | 課税 | 含める | 可(給与性) | 不要(明記推奨) | 差なし | 同上 |
①-3 | 技能手当 | 課税 | 含める(定額) | 可(給与) | 推奨(定額要) | 差なし | TT59/2015 Điều 30 |
①-4 | 技術手当 | 課税 | 含める(定額) | 可(給与) | 推奨 | 差なし | 同上 |
①-5 | 勤続手当(年功手当) | 課税 | 含める | 可 | 労契記載あれば不要 | 差なし | TT111/2013;TT59/2015 |
①-6 | KPI手当 | 課税 | 含める(固定支給時) | 可 | 推奨(評価制度含む) | 差なし | 実務上指針;TT59/2015(給与加算) |
①-7 | 営業手当 | 課税 | 含める | 可 | 推奨 | 差なし | 一般的に賃金構成要素 |
①-8 | アイデア賞与 | 課税 | 含めない(変動性) | 可(賞与) | 必要(評価基準) | 差なし | TT111/2013:賞与に該当 |
①-9 | 業績ボーナス | 課税 | 含めない | 可 | 評価制度明記 | 差なし | 労働法104条(賞与)、TT111/2013 |
①-10 | 皆勤手当 | 課税 | 含めない(条件変動) | 可(規程次第) | 必須(社内明記) | 差なし | CV 79557/CT(2018);TT59/2015 除外規定 |
①-11 | 言語手当 | 課税 | 含めない | 可(福利費) | 必須(条件と上限) | 差なし | TT59/2015 khoản 3(契約外手当) |
①-12 | 資格手当 | 課税 | 含めない | 可(福利費または職務加給) | 明記推奨 | 差なし | 同上 |
①-13 | 現場手当 | 課税 | 含める(定額) | 可(労働条件) | 推奨(契約記載) | 差なし | TT59/2015(危険・現場手当含む) |
①-14 | 異動手当 | 課税 | 含めない(臨時支給) | 可(補助) | 必須(異動条件記載) | 差なし | 実費であれば非課税も検討可(要証憑) |
①-15 | 地域手当 | 条件付非課税 | 含める | 可 | 可能(地域補償制度) | 差あり(赴任地等) | TT111/2013;政令204/2004(公務員向け) |
①-16 | 残業手当 | 課税 | 含めない | 可 | 労基法に準拠 | 差なし | 労働法90条;TT111/2013 |
16個もあるので多いですね。実務的の手当が多いのか?もアップデートしていきます。
注釈・ポイントまとめ
- PIT課税対象:給与性手当のほぼすべてが課税対象(例外:一部地域手当や条件付き非課税手当)
- SI算定対象:定額で労働契約に明記されていれば含まれる(賞与や変動報酬は含まない)
- 福利費損金可否:明確な業務関連性があれば、法人税上も損金算入可
- 社内規定要否:条件付き支給(皆勤・KPI・異動など)は明文化必須
- 外国人とローカルの違い:このカテゴリでは基本的に差なし
続いて②に行ってみましょう!ここからはマナボックスの顧問様限定の記事になります。
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