こんにちは、マナラボの菅野です!
2025年6月1日から、ついに始まりますね。
そう、「レジ発行型の電子インボイス」――。
最近、「うちはまだレジ導入してないけど大丈夫かな?」「POSも古いし、間に合わないかも…」なんて不安の声をちらほら聞くことがあります。
でも、ご安心ください。
- このブログでは、オフィシャルレターNo. 1038/CCTVV02-QLDN4(2025年4月29日)と政令70/2025/ND-CP 第1条第8項に基づいて、
💡「もしレジが導入できていない場合は、どんな対策があるのか?」
💡「今、具体的に何をすればいいのか?」
をわかりやすく・正しく・優しく解説していきます!なお、対象者は以下です。
これは、政令123/2020/ND-CP 第11条(政令70/2025/ND-CP 第1条第8項により改正)に明確に記載されています。
>>【2025年6月施行】POSレジを使ってる会社は要チェック!政令70/2025の改正ポイントをやさしく解説【ローカルレストランも!】
以下のような業種で、消費者に対して商品やサービスを直接提供している事業者が対象となります。
この記事のもくじ
対象業種の例
- 商業センター(Trung tâm thương mại)
- スーパーマーケット(Siêu thị)
- 小売業(※自動車、バイク、その他の動力付き車両の販売を除く)
- 飲食業、レストラン、ホテル
- 旅客輸送サービス、道路運送支援サービス
- 芸術活動、エンターテインメント、映画上映などの個人向けサービス
これらの業種では、店頭で商品やサービスを直接販売する場面が多いため、「レジから即時に電子インボイスを発行できる仕組み」が義務化されているのです。
個人事業主も例外ではありません
さらに注意すべきなのは、年間売上が1億VND(約60万円)以上の個人事業主や家族経営の商店も対象となる点です。
これは、税務管理法第38/2019/QH14の第51条第1項、第90条第2項、第91条第3項に基づく規定です。
つまり、「法人じゃないから対象外」というわけではなく、一定の売上がある個人事業者で、かつ上記のような業種に該当する場合は、レジ発行型の電子インボイスを導入しなければならない可能性があります。
まず結論:レジがなくても、即違反にはなりません!
政令70/2025/ND-CP 第1条第8項およびOfficial Dispatch 1038号では、こう記載されています:
「対象業種であっても、レジ発行環境が整っていない場合には、ソリューションプロバイダーと連携して対応策を講じるよう努めればよい」
具体的には、Official Dispatch 1038 の本文にこう書かれています:
“…doanh nghiệp chủ động trao đổi với nhà cung cấp giải pháp truyền, nhận hóa đơn điện tử để được hỗ trợ tư vấn về giải pháp, hạ tầng công nghệ thông tin…”
(訳)「事業者は電子インボイスの送受信・発行に対応するソリューション提供者と積極的に協議し、技術面での支援を受けるように」
👉 焦らず、まずは動き出せばOKです。
Step1:ソリューションプロバイダーと相談せよ!
現在、ベトナム税務総局や各省市の税務局が過去の通達・公開セミナーで紹介している代表的な電子インボイス対応事業者は以下の通りです。
📌【参考:紹介実績があるプロバイダー一覧】
事業者名 | 製品名 | 主な紹介・実績元 | 備考 |
---|---|---|---|
MISA JSC | MeInvoice | GDT/ホーチミン税務局セミナー(2023年11月) | 中小企業向け、導入多数 |
Softdreams | EasyInvoice | ハノイ税務局公式ウェビナー(2022年) | レジ連携型で実績豊富 |
CyberLotus | E-Invoice | 税務局連携済(公開資料あり) | 官民向け導入事例あり |
Thai Son TS24 | E-Invoice TS24 | GDT協賛セミナー | 医療・流通業界に強み |
VNPT | VNPT Invoice | 税務局ウェブポータルに掲載 | 国営通信会社で安定性高 |
FPT IS | FPT.eInvoice | GDT認定ベンダー | 大企業・外資系に多い |
※各社の詳細・公的発表のソースについては、【GDTポータル】または【Cục Thuế TP.HCM】セミナー資料にて確認可能です。直接のリスト添付はOfficial Dispatchには含まれていませんが、1038号文書では「添付リストを参考に」と表記があります。ただどこにあるのか?はわかりませんでした。ベトナム人専門家に聞くといいでしょう。
Step2:税務署にも遠慮なく相談しよう!
文書1038では以下のように明記されています:
“…doanh nghiệp liên hệ công chức được thông báo theo Thư mời của Cục Thuế hoặc qua số điện thoại…”
⇒ 問題がある場合は、事前通知された担当官か、電話で直接サポートを受けてOK!
📞 連絡先:028-37702288(内線6804)
📍 担当部門:第4企業管理支援部
Step3:業種登録を見直すと、義務から外れる可能性も?
さて、今回の通知文(Official Dispatch No. 1038/CCTKV02-QLDN4)で、もうひとつ重要なポイントがあります。
それが、**「実際の事業内容と登録業種が一致していない場合」**です。
例えば、登記上は「レストラン業」となっているけれど、実際にはケータリング(出張料理)しかしていない企業、あるいは販売メインから徐々にコンサル業にシフトしているケースなど――ベトナムでは意外と「実態と登録のズレ」がある企業が少なくありません。
法的根拠
この点について、1038号通知では次のように明記されています:
“Trường hợp có thay đổi ngành nghề kinh doanh thực tế… dẫn đến không thuộc trường hợp phải sử dụng hóa đơn điện tử từ máy tính tiền theo quy định tại Nghị định số 70/2025/NĐ-CP, đề nghị Quý doanh nghiệp thực hiện rà soát lại và chủ động điều chỉnh ngành nghề…”
(訳)実際の業種が変更され、政令70/2025/ND-CPの対象外となる場合には、企業自らが登録内容を見直し、必要に応じて調整することが推奨される。
つまり――
自社が「義務対象かどうか」は、業種コードの見直しで変わる可能性があるのです。
ベトナムの**経済部門分類コード(VSIC)**は、税務義務に大きく関わってきます。
今回の通知では、対象業種と実態がずれている企業は、再分類をすることでレジ発行型電子インボイスの適用外とみなされることがあるとされています。
もし「うちは本当に対象業種なのかな?」と疑問がある方は、ぜひ一度確認してみてください。
レジを導入しないままでいると、どうなるのか?
一方で、義務対象であるにもかかわらず、レジ発行型電子インボイスの導入を怠った場合はどうなるのか――。
こちらも通知文に、はっきりと書かれています。
“Trường hợp thực tế Quý doanh nghiệp phải sử dụng hóa đơn điện tử từ máy tính tiền… nhưng không chuyển đổi thì được xác định là hành vi vi phạm quy định về sử dụng hóa đơn…”
(訳)レジ発行型電子インボイスの使用が義務付けられている企業が、これを導入しない場合、インボイス未発行の違反行為とみなされる。
具体的には、
- 商品やサービスの提供時にインボイスを発行しない
- もしくは、税務システムと連携していない手段で処理を続ける
- といった行為が、税法およびインボイス法への違反と見なされるのです。
そしてこれが発覚した場合は、
- 事業登録に関する行政処分(罰金、業務停止命令など)
- 取引先や監査法人からの信用低下
- 税務調査対象になりやすくなる
といった、大きなリスクにつながる可能性があります。
インボイスのチェックリスト:今やっておくべきこと
優先度 | タスク | 補足 |
---|---|---|
🔵 高 | ソリューション会社に連絡 | 実装時期・費用感を確認 |
🔵 高 | 自社のPOS・レジ環境を把握 | 現在の販売方法との整合性 |
🟠 中 | VSICコードと事業実態の照合 | 登録変更の可能性を検討 |
🟢 中 | 税務署との連絡体制を整える | 担当者を確認しておくと安心 |
まとめ:今は「準備しているか」が評価される時代
導入していないことが問題なのではなく、
何も動いていないことが問題になる時代です。
マナボックスでは、電子インボイス制度への対応に不安がある企業さまに対して、
- 対象確認
- ソリューション相談
- 会計システム連携の整理
などをやさしく・実務目線でサポートしています。
お気軽にご相談くださいね!