12月6日くらいにニュースで話題になっていますね。Google Vietnam お話し。
2025年4月、Google Vietnam LLCが正式に運営を開始します。このニュースは、ベトナム市場に進出している日系企業にとっても非常に重要な意味を持ちます。
新しい運営体制により、税務や広告運用における透明性や効率が向上する一方、事前に対応すべき事項もあります。本記事では、Google Vietnam設立の背景、業務変更の詳細、そして日系企業への具体的な影響と対応策を深掘りして解説します。
ポイントは以下
- Google Vietnamが運営開始されるそこからVATインボイス(国内取引)を入手できるようになる⇨(私たちベトナム進出企業にとってFCTなど気にしなくてよくなるので取引がしやすくなる)
- Google Vietnamが設立されたのは「ベトナム市場が魅力的だから」⇨日系企業も戦略を考える必要がある
この記事のもくじ
Google Vietnam設立の背景と概要
Google Vietnam LLC(正式名称:Google Vietnam Company Limited、以下「Google Vietnam」)は、2023年5月31日に設立されました。これまでベトナムでの広告サービスは、シンガポールに拠点を置くGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.が担当していましたが、2025年4月1日より、これらの業務がGoogle Vietnamに移管されるんです。
主な業務変更
- ベトナムドン(VND)建ての請求書発行、10%の付加価値税(VAT)の適用
- 広告契約の締結が可能
この変更により、日系企業を含むベトナムで事業を展開する企業は、より透明性のある税務対応が可能となるでしょうね。
具体的に補足しますね。
普通にVATインボイスが発行される⭐️
Google Vietnamによる請求書は、ベトナムドン(VND)建てで発行され、**10%の付加価値税(VAT)**が適用されます。ここがベトナムでビジネスする私たちには実感としては大きな影響でしょうね。
広告契約と請求書発行の移管
Google Vietnamは、ベトナム国内の広告主との契約締結や請求書発行を担当します。
公式パートナーの変更の影響もあります。2025年3月1日以降、Google Vietnamはベトナム関連のすべての広告製品の公式パートナーとなり、Google Singaporeに代わって直接責任を持ちます。
サービス移行のスムーズな実現のため、Googleは、2025年1月1日から更新された利用条件を顧客に提供し、サービスが中断しないよう移行を進めています。
なおGoogle Vietnam LLCのライセンスは以下の通り。
外資企業(日系企業)にとっての具体的なメリット
Google Vietnamの運営開始は、ベトナム進出企業、特に日系企業に以下のような具体的なメリットをもたらすかなと考えています。
(1) 税務手続きや会計処理の効率化
普通にベトナム企業と取引するイメージになるのでシンプルになります。
Google Vietnamが発行する請求書には、10%のVATが含まれるため、企業はVAT控除手続きが簡素化されます。また、これにより税務報告の透明性が向上し、会計監査の準備がスムーズに行えるようになります。
FCTとか気にしなくていいということになります。FCTは漏れが多くなってしまうリスクがありますから。
(2) コンプライアンス対応の強化
クロスボーダー取引で課題となっていた税務の不透明さが解消されます。ローカル法人による管理が強化されることで、税務当局とのトラブルリスクが低減され、コンプライアンス対応が強化されます。
以下のような事件もありましたしね。
>>「Temu営業停止の真実」登録義務違反がもたらす影響と今後の展望
また外国企業の税登録については以下をご覧ください。
>>FCTの税コードを登録した外国企業のリストを紹介します!
(3) 広告運用のサポート強化されるかも
Google Vietnamは、ベトナム国内に常駐するサポートチームを設置しており、広告運用の最適化が可能です。これにより、日系企業はターゲット市場へのリーチをさらに高めることができます。
要するにベトナム進出企業が効率的に広告を利用できるようになるということです。弊社もVATインボイスが入手できるようになったらもっと使ってみようかと思っています。
実務対応のお話し:日系企業が今すべき準備を予想してみる
(1) 税務情報の確認と更新⭐️
Google Vietnamでは、顧客に対して、税コード、法人名、住所が税務当局に登録されている情報と一致していることを求めています。
これらが一致していない場合、請求書の発行に支障が出る可能性があります。税務情報の正確性を事前に確認し、必要に応じて更新してください。
要するにGoogle Vietnamに正しい税務の情報を共有してねってことです。
あなたが確認が必要な情報項目
税コード(MST)
- ベトナム税務当局から発行された正確な税コードであること。
- 数字が正しいか、最新の登録内容と一致しているかを確認してください。
法人名(Registered Company Name)
- 法人登記簿および税務当局に登録された正式名称を使用しているか。
- 略称や非公式な名称ではなく、正確な名称であることが必要です。
住所(Registered Address)
- 登記された住所(事務所や本社所在地)が最新であるか確認してください。
- 引っ越しやオフィス変更後に住所更新が行われていない場合は修正が必要です。
(2) 契約条件の見直し
2025年1月1日以降、Googleから更新された利用条件が提供されます。これに基づき、企業内で契約内容を確認し、新条件が適用されるタイミングに備えましょう。
(3) 広告予算と経費計画の再確認
もし、Google Vietnamを積極的に使うと意思決定した場合、それが広告費用に追加されるため、年間予算計画を見直し、経費の増加に備えることが重要になるかもです。
弊社もこの分の広告費用の予算を追加しようかなと思っています。
(4) 内部体制の整備
税務や広告運用に関する変更をチーム内で共有し、社内プロセスを見直すことで、スムーズな移行を図りましょう。
ベトナム市場におけるGoogleの存在感
Googleはベトナム市場を東南アジアのデジタル経済における成長の中心地として位置付けています。その背景には、ベトナムが持つ急成長する経済環境、インターネットの普及率、そしてデジタル産業の拡大があります。要は「ベトナム成長するのだから投資しようぜ」と思っているのです。
以下では、Googleがベトナム市場で果たしている役割と、その存在感を詳しく掘り下げますね。
(1) ベトナムデジタル経済の成長
ベトナムのデジタル経済の年間成長率は16%(これは日本と比較してかなり大きい)に達し、2030年には市場規模が110億ドル(約1兆6,000億円)に到達する見込みです。これは若さも関連しているでしょうね。デジタルネイティブの人たちが多い。高齢化社会の日本との大きな違いです。本来デジタルの方が簡単なのですが、年齢を重ねると「現状維持バイアス」が強くなり、「変わりたくない」と思う人が大半です。
ベトナムのオンライン広告市場も急成長しており、日系企業にとって重要なマーケティングチャネルとなっています。
(2) Google Vietnam設立の意義
Google Vietnamの設立は、デジタル広告運用の効率化だけでなく、国内市場でのサービス提供の透明性向上に寄与します。この取り組みは、日系企業にとっても新たなビジネスチャンスを創出するでしょう。
おわりに
Google Vietnamの運営開始は、ベトナム進出企業にとって税務・広告運用の新たな可能性を切り開く重要な機会です。日系企業は、これらの変化に迅速に対応し、ベトナム市場での競争力を強化する準備を進めましょう。