事件です。2025年1月にベトナム人のなかでとても話題になっていますね。

カンボジアで活動していた詐欺組織が解体され、約13,000人から1,000ビリオンVND(約60億円)を詐取していたことが明らかになりました。まあ金額がやばいですね。

詐欺グループの国籍については、中国人が組織を設立し指揮していたとされています。ただし、参加していた39人の容疑者全員の国籍は明らかにされていません。一部はベトナム人で、主要な上級管理者として逮捕されたファム・ティ・ヒエン・チャンディン・ニュー・クインド・バン・ギアはベトナム人であると報告されています。

この事件は、巧妙な心理戦と技術的な詐欺手法を組み合わせた、前例のない規模の犯罪です。

本記事では、その詳細な手口や詐欺組織の収入構造、日本人への注意喚起について解説しますね。また不正とも関連させようとも思います。

詐欺の全貌:心理戦と技術の融合

この詐欺組織は、中国人の指導者を中心にカンボジアのスヴァイリエン州バヴェット市で活動していました。区や郡の警察官を装い、被害者に電話をかけて「市民ID情報の更新が必要」と偽り、Android端末に悪意のあるアプリをインストールさせていました。これにより、スマートフォンを乗っ取り、銀行口座から金銭を詐取しました。

詐欺の手口:心理戦の詳細を見てみる!

ではどのように詐欺をしたのか?を見てみましょう。公開されている記事をもとにまとめました。

1. 不安を煽る導入(ステップ1)

  • 詐欺師は、区や郡の警察官を装い、被害者に電話をかけます。
  • 「市民ID情報が未更新」「法的手続きが遅れている」など、緊急性を持たせた内容で、不安を煽ります。
  • 被害者に「詳細な手続きを案内するため、郡警察に連絡する必要がある」と指示し、次のステップに進ませます。

2. 信頼感の獲得(ステップ2)

  • 被害者が郡警察を装った人物(Scratch 2)に連絡すると、行政手続きの専門家のように振る舞います。
  • 被害者に対し、「手続きには専用アプリが必要」と伝え、リンクを送信します。
  • 被害者がアクセスするリンクは、政府機関を装った偽サイト(例:chinhphu.khaibaoshktd.com)で、そこから「DICH VU CONG」というアプリをダウンロードさせます。

3. スマートフォンの乗っ取り(ステップ3)

  • 被害者がアプリをインストールし、個人情報を入力して「確認」ボタンを押すと、スマートフォンが完全に乗っ取られます。
  • これにより、銀行口座の認証情報やパスワードが盗まれ、詐欺師が遠隔で操作できる状態になります。

4. 生体認証を利用した詐取(ステップ4)

  • 銀行口座の送金時に顔認証や指紋認証が必要な場合、詐欺師は被害者に「認証手続きの一部」と偽って操作を指示します。
  • 被害者は、自分の端末で顔認証や指紋認証を行いながら、知らぬ間に詐欺師が金銭を詐取していることに気づきません。

5. 洗練されたシナリオの心理操作

  • 詐欺のシナリオはターゲットの属性に合わせて調整されます。例えば、学生の保護者には「子どもに関連する手続き内容」を提示。会社員には「業務上必要な書類手続き」に関連する内容を提示。
  • 「人々の心理を突き、現代のトレンドに合ったシナリオを作成した」と、逮捕されたファム・ティ・ヒエン・チャン容疑者は証言しています。

詐欺組織の収入構造と報酬

詐欺組織内の役割に応じて、各メンバーには以下のような報酬が支払われていました:

基本給は?

各容疑者は役割に応じて月平均600米ドル(約8万円)の基本給を受け取っていました。これはそんなに大きくないですね。

成功報酬

詐取金額に応じて、以下の割合で成功報酬が支払われました。この金額が大きくなるでしょう。

  • Scratch 1(被害者への電話役):詐取金額の2.5%
  • Scratch 2(手続き案内役):詐取金額の2.5%
  • Scratch 3(資金引き出し役):詐取金額の1%

ボーナス制度

勤勉ボーナス:1日あたり30米ドル(約4,000円)。週次ボーナス、誕生日ボーナス(100米ドル=約13,000円)など、複数のボーナスが設定されていましたようです。

マネーロンダリングの流れ(仮想通貨の利用)

詐取した金銭は「キャリア」と呼ばれる資金洗浄業者に送られ、USDT(仮想通貨)に変換されました。詐欺組織のボスは、このプロセスで7%の手数料を支払っていました。

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日本でも増加する類似詐欺

日本では、「オレオレ詐欺」や「フィッシング詐欺」など、公共機関や身近な人物を装った詐欺が増加しています。特に、不安を煽る内容や緊急性を主張する連絡には注意が必要です。こうした詐欺の背景には、「確認せずに行動する心理」を突く手法があります。

どうやって詐欺を防止するの?

詐欺に巻き込まれないためには、冷静な判断と行動が重要です。以下に具体的な防止策を示します:

  • リンクをクリックする前に確認!クリックするな!
    URLが公式サイトかどうか、URLに違和感がないかを慎重に確認しましょう。また、疑わしい場合は、リンクをクリックする前に公式サイトを直接検索してアクセスしてください。
  • 不安を感じたら冷静に対応
    詐欺師は、不安や恐怖を与えることで被害者の冷静な判断を妨げます。焦らず、時間を置いて家族や友人に相談することが重要です。相談することで、視点を広げて判断する助けになります。
  • 公的機関に問い合わせる
    公共機関を装った連絡を受けた場合は、必ず公式の窓口に問い合わせてください。電話番号やメールアドレスを確認し、自ら直接連絡を取ることで真偽を確かめましょう。

海外駐在者へのアドバイス

海外に駐在する日本人は、現地特有の詐欺手口に遭遇するリスクがあります。以下のポイントに注意してください。

現地の詐欺手口に関する情報収集を徹底する:詐欺の事例や手口について現地のニュースや日本大使館のウェブサイトで情報を集め、最新のリスクを把握しましょう。Xやメルマガも有用です。

不審な連絡を受けたら批判的思考で対処:メールや電話で受けた情報を鵜呑みにせず、「本当にその内容は妥当か?」を疑問視する姿勢が重要です。連絡内容に矛盾や不自然な点がないかを慎重に検討してください。

日本大使館や現地警察に相談する:不安を感じた場合は、日本大使館や現地の警察に相談することで、適切な対応策を得ることができます。特にトラブルに直面した際、現地の言葉に自信がない場合でも、大使館は大きな助けとなります。

批判的思考がやっぱり大事!

オレオレ詐欺は高齢者をターゲットにしているイメージがありますが、今回の事件は平均年齢30歳くらいの国ベトナムです。年齢は関係なく騙されちゃうんですね。この大きな理由は「考える力の欠如」だと思うんです。ベトナムで経営している人であれば以下のように感じている人もいるでしょう。

  • 言われたことしかやらない
  • 「テンプレートがこうだから」
  • 前任者がこうしてたから私もそのようにやった。私のせいじゃないよ。

です。

詐欺の多くは、被害者の冷静な判断を失わせ、即時的な行動を促すことに依存しているんだそうです。批判的思考を取り入れることで、冷静に状況を見極める力が養われるでしょう!

詐欺から身を守るためには、冷静さを保つだけでなく、批判的思考を活用することが効果的です。詐欺は私たちの判断力の隙を突くものですが、「疑う力」と「調べる力」を持つことで、被害を防ぐことができます。