こんにちは!マナラボの菅野です。
最近、在住の日本人の方からこんな質問をよくもらいます。
「VNeIDって何なんですか?インストールした方がいいんですか?」
「外国人でも使えるようになるって聞いたけど、何が変わるんでしょう?」
……はい、めちゃくちゃわかります。
正直、VNeIDって名前からしてちょっと近寄りがたいですよね。アプリストアで見つけても、「これ入れて大丈夫?」ってなるやつです。
ということで今回は、
この記事のもくじ
🎯 今日のテーマはこれ!
『VNeIDってなに?その仕組みと、外国人にとってどう便利なの?』
この記事を読むと、
- VNeIDってそもそも何のためのもの?
- 登録しないと何か困るの?
- 外国人(日本人含む)が使うメリット・気をつけたいこと
こんな疑問が、ちょっとスッキリします。できるだけ優しく書くので、ぜひ最後まで付き合ってくださいね。
VNeIDって何なの?
まず名前の意味からいきましょう。
**VNeID(ブイ・エヌ・イー・アイ・ディー)**は「Vietnam Electronic Identification」の略です。
直訳すると「ベトナムの電子身分証明アプリ」ですね。
ベトナム公安省が開発したスマホアプリで、いろんな公的書類のデジタル版がスマホで管理できるというものです。
どんな書類、情報が入るの?
たとえばこういうのがアプリの中にまとめられます:
- 市民ID(日本でいうマイナンバーカード的な)
- 健康保険証(ベトナムの保険証情報)
- 運転免許証
- 車両登録証
- 居住情報(引っ越し、滞在届、など)
- 電気・水道の支払い情報
- 病院の診察記録
- 通報機能(匿名で犯罪を通報できる!)
つまり、「財布に入ってる紙の書類」全部をアプリに詰め込む感じです。
外国人、我々日本人にも関係あるの?
はい、これが重要なんです。
2025年7月1日から、外国人もVNeIDアカウントを取得できるようになります。
「え、じゃあ観光客も対象?」というと、はい、短期滞在者も登録可能です。
たとえば日本人なら…
ベトナムに住んでいる人
- レンタルバイクの名義変更や運転中の警察対応
- 健康保険を使って病院へ行くとき
- 家を借りるときの居住登録や税関係の手続き
ベトナムで働く人
- 銀行口座を開くとき
- 税金の納付確認や扶養控除申請
- 労働許可証やビザ関連の確認
✅ ベトナムを旅行中の人
- 空港での入出国審査の簡略化(予定)
- ホテルチェックイン時の本人確認
- 緊急通報時の本人確認
……こうしてみると、外国人でも「使えると圧倒的にラクになる」場面がかなりあることがわかりますね。
他の国の似た様なアプリを見てみよう
他の国にも類似のアプリはあります。
国 | 制度名(アプリ名) | スマホアプリ | 主な機能 | 外国人利用 | 主導主体 | セキュリティ・プライバシー管理 |
---|---|---|---|---|---|---|
🇻🇳 ベトナム | VNeID | あり(VNeID) | 身分証明、医療、銀行、税務、通報、保険、電子署名、行政手続き | 2025年7月より登録可能に | 政府主導(公安省) | 生体認証必須、明示同意制、レベル2認証あり |
🇯🇵 日本 | マイナンバーカード(マイナポータル) | あり(マイナポータルアプリ) | 身分証明、行政手続き、保険、年金、確定申告、健康情報 | 原則は国民対象、外国人は在留カードベース | 政府主導(内閣府・デジ庁) | マイナンバー法・個人情報保護法による管理 |
🇰🇷 韓国 | Mobile ID / 정부24 | あり(政府24、PASSなど) | 公的証明書、行政手続き、銀行、医療予約(限定的) | 外国人登録者は利用可能 | 政府主導(行政安全部など) | 住民登録番号ベース、政府間連携が強い |
🇹🇭 タイ | ThaID | あり(ThaID) | 身分証明、行政手続きログイン、電子署名、銀行口座開設 | 永住・長期ビザ保持者は可能(段階的) | 政府主導(内務省) | 段階的導入中、利用者増に伴いセキュリティ整備中 |
🇨🇳 中国 | 电子身份证(WeChat/Alipay連携) | あり(微信/支付宝など) | 身分証明、納税、医療、銀行、公共交通、行政手続き | 居住許可保有者は利用可能 | 民間+政府主導(公安部など) | 実用性高いが監視リスク・個人情報保護の議論あり |
🇸🇬 シンガポール | Singpass | あり(Singpass) | 身分証明、行政、銀行、医療、電子署名、Myinfo連携 | FIN所持の外国人は利用可能 | 政府主導(GovTech) | 多要素認証、情報マスク、本人同意が必須 |
🇺🇸 アメリカ | 各州ごとのmDL、Login.govなど | 州による(Apple Wallet、ID.me等) | 年齢確認、身分証明、オンライン行政(連邦機関) | 一部でID.meや州IDは外国人可 | 州・民間主導(連邦は補完的) | 統一規格なし、民間主導ゆえに懸念あり |
🇩🇪 ドイツ | Personalausweis(eID) | あり(AusweisApp2) | 身分証明、行政手続き、銀行、電子署名、EU連携ウォレット導入予定 | eAT保有者・EU市民向けカードあり | 政府主導(内務省・BSI) | PIN必須、選択的開示、GDPR準拠で厳格 |
補足メモ
- ベトナム(VNeID) は、特に「スーパーアプリ型」で広範な機能を一元化しているのが特徴です。
- シンガポールとドイツ は、セキュリティやプライバシー保護に非常に強い設計思想があります。
- 中国やアメリカ は、利用範囲は広いものの監視・統一性の面で議論が多め。
- 日本や韓国 は、行政・医療連携は進んでいますが、アプリとしての統合性や利便性はVNeIDより控えめな印象です。
これって絶対に登録しないとどうなるの?
今のところ、登録は義務ではなさそうです。
ただし、いろんな場面で「登録している前提」で手続きが進むようになってきています。
たとえばですが
- 警察の交通チェック → VNeID提示で済む
- 病院の受付 → VNeIDで保険情報がすぐ確認できる
- 銀行で口座開設 → 本人確認がVNeIDで完結
逆に、登録していないと「紙の書類持って来てくださいね」って言われて、その場で何もできない……みたいなことになります。
安全性はどうなの?
ここ、みんな心配ですよね。
「スマホに個人情報ぜんぶ入れるなんて怖い」って。
でもVNeIDは、データはすべて暗号化された政府のサーバーに保存されていて、スマホには保存されません。
さらに、銀行や病院などがあなたの情報を閲覧したいときは、必ず本人の「同意ボタン」が必要です。勝手には見られません。LINEやFacebookの広告表示よりむしろこっちの方がプライバシーちゃんとしてるんじゃ…と思うくらいです。
最後に、じゃあ結局どうすればいい?
最後にまとめますね。
- VNeIDは、ベトナムの「スマホで全部完結させるぞ」アプリ
- 2025年7月から外国人も登録可能
- 病院・警察・銀行・税務など、生活のいろんな場面で便利
- セキュリティも比較的安心設計
- 今のうちに登録しておくと、のちのちの面倒が減ります
「とりあえず今すぐ使わないし…」って思うかもしれません。でも、いざというときに「あ、あれ入れてなかった…!」ってなると不安ですよね。
なので、「あらかじめ保険証をお財布に入れておく」くらいの気持ちで、サクッと登録だけ済ませておくのがおすすめかなあと。私は登録するつもりです。