日本人駐在員がベトナムから日本に帰任する際、通常は「居住者」として所得税を申告します。しかし、実はその年の滞在日数が183日未満だった場合、「非居住者」として申告すべきだった、ということが後から判明するケースもあります。
このブログでは、そんな「非居住者だった場合の申告ミス」について、実務上どう対処すべきかをわかりやすく解説します。
この記事のもくじ
「居住者」と「非居住者」の違いとは?
ステータス | 課税範囲 | 税率 | 控除の適用 |
---|---|---|---|
居住者 | 全世界所得 | 累進税率(5%〜35%) | 本人控除・扶養控除などあり |
非居住者 | ベトナム源泉所得のみ | 一律20% | 控除なし |
※「居住者」の条件は、当該年または連続12ヶ月間でベトナム滞在が183日以上あること。
よくある処理の流れ(そして起きがちな誤り)
企業では一般的に、社員が年初から勤務している場合、そのまま「居住者」として処理します:
ベトナム給与分 → フォーム05/KK-TNCNで会社が申告
日本本社給与分(ベトナム勤務分) → フォーム02/KK-TNCNで本人または会社が代理申告
➡ 通常はこれで問題ありませんが、年度途中で帰国した結果、183日未満となると、実は非居住者だった、ということになります
帰任後に「非居住者」だったと判明したら?この場合の法律上と実務上の処理の違い
この場合、本来なら以下のような処理が必要になります。
それは上記でも説明した通りい「修正申告」となるはずです。
しかし実務は以下のようにするでしょう。
✅ 日本給与分(フォーム02/KK-TNCN)の修正申告
- 対象期間の申告(例:Q1)を**修正申告(bổ sung)**で提出
- 税率は一律20%、控除はなし
- 追徴が発生する場合は、追加納税
✅ ベトナム給与分(フォーム05/KK-TNCN)は次の四半期で調整
前期分の再提出はせず、Q2の申告時に金額を調整
不足税額:Q2で上乗せ納付
過払い:Q2で相殺(または後の申告で繰越・還付)
ベトナム給与だけ実務上の処理が異なりますね。
よくある質問:45日ルールって?
「帰国後45日以内に確定申告が必要」というルールがありますが、これはその年の最終申告(Finalization)を早めに行うという意味です。なので前提が「確定申告」が必要な場合ですね。
この期間の数え方は「暦日(カレンダー通り)で45日」であり、45日目が日曜や祝日の場合は翌営業日が期限になるのが実務上の扱いです。
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