こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
「うちはチーフ・アカウンタントがいるから安心だよ!」
えっ、そうなの?私は、インドからベトナムへ来たばかりの時、よくわかりませんでした。初めて聞く言葉ですし、なにか会計専門の資格なのかなあと言った印象です。
チーフ・アカウンタントとは、単なる経理担当者ではなく、会計主任と呼ばれる会計のプロフェッショナルといわれてるんですね。ベトナム特有の制度だと思います。
- ベトナムへ進出を考えている
- ベトナム企業の社長でチーフアカウンタントを評価したい
- チーフアカウンタントの取得方法や難易度について知りたい
こんな悩みを解決していきます。
「チーフアカウンタント」って、なんか“賢そう”“できそう”じゃないですか?
「あれーこの人本当にデキルのかな?ベトナム外国者契約者税について質問しても明確な答えがないし…」
でも、実際には、日系企業様から、このような声もよく聞くんですね。その理由は、「チーフアカウンタント」の実態については意外と知られていないからでした。
本日は、その実態と効果的な評価の方法についてお話ししますね。
これを知っておけば、いい人材(財)を見つけることができますよ。優秀な方と一緒であれば、必要のないストレスとおさらばできますよね。
この記事のもくじ
チーフ・アカウンタントのその実態とは?
以下の点で解説していきたいと思います。
- 採用任命の義務があるのか?
- チーフアカウンタントの資格の取得方法
- チーフアカウンタントの業務とは?
- 実際に証明書を見てみよう!
そもそも、チーフアカウンタントを採用・任命しないといけなのか?【例外あり】
外資企業についてはこのチーフアカウンタントを任命し、もしくは雇用することが義務付けられているようです。
なので日系企業は基本的には採用しないといけないですね。ただし、設立から1年目(12ヶ月)はこの義務は免除されており、2年目からチーフアカウンタントを任命しないといけません。また小規模の会社は、任命しなくてもいいようです。
以下は、チーフアカウンタントを任命しないといけないという根拠です。会計法2015という法律です。
Article 49. Organization of the accounting apparatus
1. The accounting units must organize the accounting apparatuses, appoint accountants or hire accounting services.
Law No. 88/2015 / QH13
例外についての根拠も引用しますね。①設立後すぐの会社と②小規模の会社という点です。
Article 20. Chief accountants and acting chief accountant
1. An accounting unit must have a chief accountant, except for those specified in Clause 2 of this Article. In the cases where a unit is not able to appoint a chief accountant at the time, it may appoint an acting chief accountant or outsource chief accountant works. An acting chief accountant will hold the position for up to 12 months, after which a chief accountant shall be appointed.
2. Acting chief accountant:
a) An accounting unit that has only one accountant or part-time accountant, budget accounting and finance units of communes shall appoint only acting chief accountants, not chief accountants.
b) Extra-small enterprises defined by the law on provision of assistance for small and medium enterprises may appoint acting chief accountants without having to appoint chief accountants.
No. 174/2016 / ND-CP
小規模な会社ってどくらいなのか?ということを確認した場合はいかのを参考にしてください。
>>ベトナムSMEsってなに? 税務の優遇とか確認する時に役立ちます!【政令 NO. 39/2018/ND-CP】
どうすればチーフ・アカウンタントの資格がとれるの?資格があれば能力は十分?
結論から述べますね。
- 経理人材として能力があるか?という意味では、全然あてにならない
- 経理に関連する大学と実務経験があれば、誰でも取得できる。
ずばり、チーフ・アカウンタントという資格は非常に簡単に取得できちゃいます。
資格というよりも「受講証明書」に近いと思います。
まずは、経済学部など会計に関する大学や専門学校を卒業し、2〜3年程度の実務経験を経れば受験資格が得られます。(日本語人材で、経理を勉強しても、チーフアカウントの資格をなかなか取得できない理由となっています。大学がすごく重要視されていますね。私は、英米文学学科から、会計士を目指し、資格を取得したので、この仕組みには疑問を感じます)
受験する前に半年程度、夜間の専門学校でチーフアカウンタント養成コースを受講しなければなりませんが、このコースの受講料は 200 万ドン程度(1万円程度)です。会計の大学などもこれを提供しているみたいです。
以下のようにチーフアカウンタントを取得するためのセンターは複数あります。
>>Top 10 Prestigious Chief Accountant Training Centers in Hanoi
>>Top 10 best accounting training centers in Hanoi
出欠確認はしないようです。大学のように代返できちゃうんです。なので実際に受講しない人も、出てくるみたいですね。(意味ないです……)
試験はとても簡単なようで、合格ラインは正答率 50%。そして、試験を受けなくても取れちゃいます。お金を払ったりするんだそうです。
これはよくないですね!!
万が一失敗しても何度も受験できます。そのため、実際の合格率は100%といえます。
もはやこの資格を持っているからといって、本人の実務能力とほとんど関係ないんです。と言っても過言ではありません。
つまり、チーフ・アカウンタントさんが必ず優秀とは限らない!と言えます。
「私、チーフ・アカウンタントなんです!」って偉そうな態度をとる人がいてもチーフ・アカウンタントだからすごいとは限らないことを覚えていてください。
チーフ・アカウンタントの給与水準は年々高くなっていますから、採用には気を付けないといけないですよね。もちろん、実際に優秀なチーフアカウンタントさんはたくさん存在します。
チーフアカウンタントの業務と責任ってなに?
まとめると以下のようになります。
- 会計に関する法律の番人→(会計の法律の専門家)
- 経理部門の管理する責任→(マネジメントスキル!)
- 財務諸表を作成する責任→(会計リテラシー、専門家)
求められるスキルのレベルは高いです。
>>経理人材の責任者に求められるスキルとは?ブックキーパーと経理責任者(チーフアカウンタント)の違いについて5つの観点から解説!
以下は、根拠条文です。
Article 55. Responsibilities and rights of chief accountants
1. The chief accountant has the following responsibilities:
- ) To comply with the provisions of law on accounting and finance in the accounting units;
- ) Organize and administer the accounting apparatuses according to the provisions of this Law ;
- ) Prepare financial statements in accordance with accounting regimes and accounting standards.
2. The chief accountant has the right to be independent in accounting expertise.
実際に証明書を見てみよう!
実際のサンプルは以下のようになっています。
上記で記載したように3ヶ月の期間、センターに通ったということがわかりますね。この場合だと、6月から8月です。そして、8月29日付けで資格が付与されました。
興味深いのが、成績のようなものも記載されるようですね。この写真の場合、Gioiと記載されているので、要は“優”という意味らしいです。優以外の良とか可とかもあるようなので、チェックしてもいいかもしれませんね。
また、この資格の有効期間は5年間だそうです。期限が切れたらまた通って取得する必要があります。
優秀なチーフ・アカウンタントを採用する3つのポイント!
採用で失敗しないためのポイントを共有させて頂きますね。
①面接を会計のプロの人にお願いしちゃう
するどいプロの質問に的確に回答できたら、優秀であるか、スキルがあるかわかりますね。
私も、過去海外で面接をプロの方に頼んで同席させてもらったのですが必要な知識をもっているかどうかはヒアリングを通してすぐにわかりました。
👉マナボックスベトナムではこれまで200社以上支援し延べ1,000人以上の経理人材を見てきたベトナム人会計士・税理士が、面接代行も実施しております。
また、チーフアカウタントのスキルも一部評価できる試験も提供しています。
興味のある方は、以下より気軽に問い合わせくださいませ。
②経理・税務テストでその人のスキルを評価
面接の時間が限られていますから、経理や税務のスキルついて部分的にしか聞けないですよね。
だから、経理、税務の全体のプロセスについて横断的な知識をもっているか確かめるためにはやっぱりテストが効果的です。ベトナム経理試験で評価するのです。
日本には経理の能力を客観的に図るモノサシである簿記検定がありますね。このようなテストであれば能力については客観的な評価ができます。
③最後はあなた自身が実際に面談する
やっぱり、これしかないですよ。
経理力・税務力がピカイチでも態度が悪かったり、考え方が会社の文化に沿わなかったりしたら雇用しても意味ないです。やはり、最後はあなた自身がお話しするか、面接に同席するかして直接確かめることをおススメします。
あなたがいい経理人材を採用できることを祈っていますね。いい経理人材は会社を強くしますよ!
それではまた!
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■ 新!ベトナム人のベトナム語によるベトナム語の経理テスト!その名もKIP!
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