こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
ベンチャー企業の急成長を支える「バックオフィスの革新」
私の職業上、とても気になる言葉です。
Freee さんの記事です。
内容は、とっても共感できることばかりでした!
私は現在、海外子会社管理という点で日系企業様を中心に業務を支援させて頂いております。
そこで、海外子会社管理という視点でFreeeさんの記事と比較しました。
バックオフィスは業務の大半が事務作業/ルーチンワーク
1日の時間は限られています。どんな人だって1日24時間です。労働時間も限られていますよね。
では、いったいその内どれくらい事務作業/ルーチンワークに対して時間を費やしているのでしょうか?
Freeeさんの調査によれば
72.5%
だそうです!
結構な割合ですよね。
内訳は下記です。
一方、新興国などの海外子会社はどうでしょう?
まずは、ルーチンワークではない業務の具体例を確認していきましょう。
例えば、、、。
・資金繰り、管理作業
・予算編成
どれも現地スタッフが実施しているケースはほとんどないと思います。
資金繰り、、、。未来のことを予想できる現地人材は見たことがありません。
予算編成、、、、。日本人社長、本社が支援しているケースが多いのではないでしょうか?
そうすると、海外子会社の場合は、
90%超
を事務作業/ルーチンワークに時間を費やしているという感覚です。
管理部門が抱えている課題トップ5とは?
Freeeさんの記事によると、トップ5は以下の通りです。
1位:稟議など紙のやり取りが管理が煩雑
2位:経理などの専門スキルを持った人材不足
3位:請求書/経費精算などの申請内容のチェック作業
3位:月次/年度決算の早期化
5位:管理部と事業部のコミュケーション
海外子会社という視点で見ていきます。
個別に見ていく前に、大きな違いから見ていきましょう。
日本のベンチャー企業と新興国などの海外の違い、、、。
それは、
✅人件費の水準が異なる
人件費がまだまだ安いということで、「面倒臭い。時間がかかる。」という観点から、問題意識を持っている会社は少ないようです。
業務がまわらないようだったら人を雇えばいいでしょう?という思考の会社がまだまだ多いと感じます。
ベトナムの場合、月300ドルぐらいで雇用できるケースもあります。
✅退職が頻繁に起こる
会社の帰属意識が薄いです。会社のために働くという意識は基本ありません。(なくていいんですけどね。)
そのため、転職が多いです。特に若い人は、転職をキッカケに昇給していくようです。ジョブホッパーとも言われます。
しかも、ルールやマニュアルが未整備であることから、退職してしまうと、業務がまわらなくなるという課題を抱えている会社が多いですね。
✅横領やキックバックなどの不正のリスクが高い
キックバックは、日常茶飯事といっていいでしょう。横領だって頻繁に起こります。
日系企業は、たまに大きな被害にあうことがあります。
5000万円を超える横領や1億を超える資材の盗難などです。嘘だと思われそうですが、本当です。
海外子会社の売上が5%も失われている? 不正のトライアングル
この点を踏まえて比較していくと、、、。
1位:稟議など紙のやり取りが管理が煩雑
→人件費がまだまだ安くマンパワーで解決しようとする会社が多い。人を多く雇うことで解決。
2位:経理などの専門スキルを持った人材不足
→スキルがないことはもちろん、退職というリスクを常に抱えている。また、標準化されていないことから業務のレベルがバラバラ
3位:請求書/経費精算などの申請内容のチェック作業
→人件費がまだまだ安くマンパワーで解決しようとする会社が多い。人を多く雇うことで解決。
ルールがなく人のスキルが依存し、退職も多いためムダ、漏れが多い。信じられないような無駄が発生している。
4位:月次/年度決算の早期化
→人に依存する。属人化している。そのため、早い場合もあれば、遅い場合もある。
また、退職をキッカケに決算が締まらなくなることがある。
5位:管理部と事業部のコミュケーション
→退職が頻繁にあることからスムーズにコミュニケーションが行われていない可能性がある。
これに加えて、海外子会社の場合、「不正」が加えられるでしょう。日本と比較してそのリスクは高いと言えます。
「創造的なバックオフィス」は海外子会社も必要になる?
さらに、記事には、こんなことが書かれていました。
クラウドやAIの進化によって、2030年までにバックオフィスのルーチン業務はなくなる。
つまり、先に述べたオフィスの事務作業/ルーチン業務である70%以上の業務がなくなってしまうと言っています。
怖いですよねー!
これは、海外新興国であっても同様だと考えています。
「新興国は遅れているからまだまだそんな時代は来ない」
「いえいえ」
テクノロジーの進化の速さはすさまじいですからね。油断しているとあっという間に浦島太郎です。
業務は、シンプルに以下の2つに分類することが出来ます。
1)事務作業/ルーチン業務(オペレーショナルな業務) →AIなどのテクノロジーで代替されてしまう。
2)創造的な業務(付加価値業務)
将来に向けては、2)の業務にもっとフォーカスする必要があると書かれていました。本当にそう思います。
先にも述べましたが、2)とは資金繰り管理などの企業存続の問題を解決したり利益計画を立案する業務です。
新しいアイデアを創出することも必要となるかもしれませんね。イノベーションもそうです。
将来に向けての準備は海外であっても今から必要
海外子会社経営管理という視点でいうとどうでしょう?
現地スタッフはもちろんのこと、日本人管理者も、
1)事務作業/ルーチン業務に大きく時間を割いているケースが多いのではないでしょうか?
海外子会社は日本と違ってまだまだ、標準化、仕組みがない会社が多いですからね。言葉や文化の違いからより多くの時間を使ってしまいます。
物事がうまく進まないという問題点を抱えています。
しかしながら、1)に時間を大きく割いている企業の将来は明るいと言えません。
なぜなら、企業を取り巻く環境はめまぐるしく変わるからです。
5年後には全然売れていないかも、、、、。怖いですよね。
2)創造的な業務(付加価値業務)に時間を多く割いて、イノベーションや新しいアイデアを創出できる企業でないとすぐに倒産してしまいます。おいていかれてしまいます。
また、雇用を守ることや人の成長を考えるという視点でも、
「準備」
が必要になります。
新興国の人件費はまだまだ安いかもしれません。しかし、毎年10%以上、上昇していくようではそのメリットもなくなってしまいます。
そのためには、価値のある人材になる必要がありますよね。
前述しましたが、ほとんどの仕事がAIが代替する時代になります。これは、日本だけではありません。
「AIで業務完了できるから、あなたいらないです。もう来なくていいです。」
というわけにはいかないですよね。
そんな社長、くそでしょう?
そのためには、やはり業務を以下のように整理する必要があり、1)について標準化、効率化を進めていかなければなりません。
1)事務作業/ルーチン業務(オペレーショナルな業務)
2)創造的な業務(付加価値業務)
1)の業務を圧倒的に効率化し、2)に使う時間を増やしてその時間を投資する。という事が必要です。
あなたとあなたの会社のスタッフが、創造的な業務(付加価値業務)に時間を費やすことにより、ハッピーになることを祈っていますね。