先日、FBを見たらこんなニュースが投稿されていました。

 

神保町で愛され続けて60年――天丼『いもや』の閉店に隠された“人情経営”の限界「いもやが閉店になるって。」

2月下旬、神田・神保町にある天丼とトンカツの老舗専門店『いもや』が閉店するとの情報がツイッターに流れ、話題になった。

『いもやは、昭和34年来の約60年に亘って、皆様にご愛顧いただきましたが、3月31日を持ちまして閉店することとなりました。いもや店主』(原文ママ)

こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

どうして、この記事が私の心を強く引き留めたのか?

それは、「人情経営の限界」という言葉があったからです。

会社を経営していくのは、とても難しいです。

新規サービス開発?マーケティング?マネジメント? どれも難しくてうまくいかないことがたくさんありますよね。

でも、一番難しいのは、“会社”を継続させることです。

統計上では、設立後85%は5年以内に倒産するというデータもあります。

この数値からも会社を継続させることは難しいということが言えると思います。

※いもやが閉店した理由は、あきらかではありません。資金が問題でない可能性も十分ありますのでご留意ください

なぜ、会社は倒産してしまうのか?

 

それは、資金が底をつくからです。お金が無くなってしまうからです。資金ショートという言い方もします。資金は、人間の体で言えば、血液と同じです。

黒字倒産と言う言葉もある通り、損益計算書上で利益、つまり、儲けがあっても会社は潰れる可能性があるのですね。

海外子会社の経営者であるあなたは、倒産(会社がつぶれる)を何があっても避ける必要があります。

そのためには、何が必要なのか???

私は、それは、ロマンとソロバンだと思います。そして、倒産させないためには、ソロバンの部分がとても重要なのです。

論語と算盤、ロマンとソロバンとは?

 

●論語・ロマンとは、一言でいえば、「想い」のことです。人が抱く夢やビジョン、これは成し遂げるぞといった夢や野心のことです。

 

 

●ソロバンとは、ずばり「お金」のことです。

 

 

ロマンの達成のためにはソロバンが必要です。この二つは両輪と言えます。どちらが欠けてもいけません。

 

会社でいえば、ロマンは経営理念やクレドのことです。

 

ソロバンは、会計や経理のことですね。もう少し掘り下げると資金繰り表と言い換えることもできます。

 

いくらロマンが素晴らしくても、会社が潰れたら……。

 

このいもやですが、評判はメチャクチャいいようです。以下の言葉からもわかる通り、多くのファンがいたようです。すごいですよね。

『いもや』といえば1959年の創業以来、この地で半世紀以上営業しつづける神保町の“レジェンド”。

いもやは、気取らない雰囲気の中で揚げたての天ぷらを味わえる店で、近隣で働くサラリーマンなどに人気がある。閉店理由については未発表だが、別れを惜しむ客が駆けつけ、連日行列ができている。客の一人は、「閉店のニュースを知って、ショックを受けた。初デートの場所はここだった」と、もらしていた。

とても、すばらしい言葉です。

“お客様を質と値段で喜んでもらう”

これが、いもやさんのロマンだったと想像できます。すばらしい、理念ですよね。だからファンが多かったのだと思います。

もう一つ気になる文言が、新聞記事に記載されていました。

同店の商品原価率は、3割といわれる飲食業界の相場を大きく上回る。樋口氏によると、とんかつ定食の場合は5割超にもなるそうで「野菜が高騰している最近はほとんど利益が出ない」とのこと。

だが、材料費高騰を理由に値上げはしない、安い食材に切り替えることもしない…その理由について「お客さんはこの料理とこの値段に喜んでくれる。その気持ちを裏切ることはできませんよ」と樋口氏は語ったが、それも創業者から受け継いだ家訓でありポリシーともいえるようだ。

この文言から、利益率がそこまで高くないビジネスと想像できます。そうした場合、販売量を増やして、儲ける必要があります。量を増やすということは、稼働を上げるということですね。これが負担になってしまった可能性は否めません。

ソロバンの部分が、少し大変だったのだと想像できます。

ソロバンを疎かにすると殺人という犯罪だって起こってしまう。

 

お金なんてどうでもいいんだよ。いいことしてればさ。神様は見てるよ。

こう思う人も、いると思います。個人的には、正しいと思いますし、私もそう思います。

しかし!!!

今となっては、そんな考えではいけませんよ!って強く言えます。

なぜならば、ソロバンを疎かにすると不幸が生まれてしまうからです。

ある警察官の話です。

22年間勤めた警察を退職。

その後、彼が第二の人生として選んだのは、大衆割烹店の経営だった。 しかも…全60席、宴会場もある中規模店で、飲食店経営の経験などないに彼とって無謀とも思える挑戦。 彼は、今でも現場で奮闘しているかつての仲間達のために、くつろぎの場所を提供したかったのだ。

その後 彼は、金融機関から開店資金として4000万円の融資を受けることにも成功。 しかし、飲食店は全くの未経験だった彼がなぜいきなりそんな大金を借りることができたのか? 実は…5人の警察官が連帯保証人になってくれていたのだ。 現職の警察官が保証人になっている…その信頼があるからこそ、複数の金融機関が総額4000万円にも上る資金を決断したのだ。

こうして準備不足のまま、彼の大衆割烹「しば長」は開店の日を迎えた。 だが、開店初日から警察関係者が押し寄せ、連日満員の大盛況となったのである。 それは彼の予想を越える繁盛ぶりだった。
だが、彼は仲間達に格安の値段で飲み食いさせた。 良心的といえば聞こえは良いが、この世話好きで見栄っ張りな一面こそが、のちに彼の首を絞めることになる。

その結果、お金で苦労することになり、莫大な借金を負うことになりました。

そして、そのプレッシャーに耐えられず、お金の返済のために結果的に殺人を犯してしまったのです。

気になるところは、①仲間達のためにくつろぎの場所を提供したかったと言う点と格安の値段で飲み食いさせた。と言う点です。

①はロマンで、②はソロバンの部分ですね。

そして、ソロバンが出来てなかったせいで、結果、殺人事件まで発展してしまったのでした。悲しい事件だと思います。

 

なぜ、ソロバン・算盤が大事なのか?

 

ここまで、お読みいただいたあなたなら、もうお気づきですよね。

繰り返しになりますが、、、。

企業が、その存在理由は、社会に対してモノやサービスなど、なんらかの「価値」を提供することです。その目的を達成するために、企業が継続することが前提となりますが、そのためには「儲け、お金」(ソロバン)が絶対に必要になります。絶対です!

お金があるから、、、。

 

・従業員に給与を払える。

・モノや情報を入手できる。

・新しい事に挑戦できる。

・お客様にいいサービスができる。

・従業員みんなで旅行にいける。ハッピー!

 

そして、会社が継続できるのです。

 

自分たちが、勝手に思いこんで「これは社会的な意味がある!」と思い込んでやってみたけど、結果、赤字だけが残っただけでなんの意味もなかった。という事例はたくさんあるんですね。

歴史上の人物である孟子はこんなことも言っているようです。

「恒産なくして恒心なし」

 

この意味は、

一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできないということ。

と言うことだそうです。

お金がなければ、精神的な余裕もなくなってしまうのですね。

本日は、会社経営に必要な考え方は、ロマンとソロバンというお話をさせて頂きました。

海外子会社の社長様は、なかなか財務諸表を見るキッカケがない。財務諸表は一切見ないという方もいるかもしれません。

でも、それはソロバンの部分を疎かにしているという意味であり、経営が出来てないということになってしまいます。厳しい言葉ですが、真実なのです。

あなたが、ソロバンの部分も重視することによって、あなたもあなたのスタッフもハッピーになることを祈っています!

それでは、また!

日本近代資本主義の父である渋沢栄一氏の【論語と算盤】はとても有名ですよね。

子供でも読みやすいように、超訳されたものもあります。