べトナム会計・税務関係からベトナムビジネス、マーケティングまで、リアルで役立つ情報を発信するブログです。

ベトナムの従業員へのボーナス・賞与の見込み額でも、損金算入させる方法

つい先日、ベトナムの法人税の申告時期も終わりましたね~。(12月決算)

ベトナムでは、2月(テト)に賞与を支払うケースが多いです。そして、この賞与は、1月から12月まで働いてくれた分、労働の対価に対して発生するものです。

「1月から12月まで、よく頑張ってくれた!その分に対しての賞与支払うよ。」

逆に言うと、2月に入所した人ばかりの人には、テトボーナスは支払いませんよね。

したがって、12月の月次決算書には、支払いが終わっていなくても、「賞与引当金」が計上されます。なぜならば、会計は発生主義で認識するからです。

本日は、賞与引当金は、法人税法上も、“損金”に落ちるか?というテーマでお話ししたいと思います。

このブログは以下のようなの人のお役にたてます。
  • 賞与引当金(ボーナス見込み)について法人税法上のとり扱いを知りたい。
  • できれば、賞与引当金(ボーナス見込み)を税務上も損金にしたい。
  • 損金にするための条件を知りたい。

 

ベトナムでの賞与引当金(ボーナス)を法人税法上も損金算入するための2つのこと。

 

①必要な書類(規定と決定書)がある事。

賞与に関する規則があること。または、労働契約書に賞与に関する事項があること。

また、賞与に対しての決定書がある必要があります。

これが必要です。

なにか根拠として文書が残っていれば問題ありません。

②法人税の申告(3ヶ月内)に支払いが実際に行われている事。

例えば、12月に計上した賞与引当金について2月(テト)に支払ったとします。12月決算だとすると、申告書の申告期限は、3月末ですね。3月末前までに支払いが済んでいれば、損金算入が可能です。

その他、認められるケース

支払いを法人税の申告書提出前にしなくても、法人税法上で損金算入できる場合があります。

その年度に支払った給与総額の17%を超えない額の給与発生額です。

例えば、2018年度の給与の支払い額が1,000だったとします。これの17%までは、未払給与として損金算入が認められるそうです。この場合、1,170が給与総額としては計上されてることになりますね。(1,000が支払い済みで170が未払額)

まだ支払ってないけど、170も損金算入OKですよ!って規定では言ってます。しかし、この170ですが、一定の期間内に支払う必要があります。No. 96/2015/TT-BTCという法律では、6か月と定められています。

金額は、いくら?How Much?

要件を満たせば、損金算入されるということがわかりました。では、金額はいくら?になるでしょう。

具体例で解説していきますね。

前提条件は以下の通り。

  • 期末日:2017年12月
  • 賞与の予想金額:10,000
  • 実際の賞与の支払い期日と金額:2月に12,000を実際にはらった。
  • 損金算入の条件は満たしている。(規定あり。決定書もあり。)

この場合に12月末時点の賞与未払金はいくらになるでしょうか?

ベトナムの場合、10,000でも認められます。つまり、会計上も税務上も12月時点の10,000で計上します。

差額の2,000は、2018年に処理されることになります。

(※12,000に修正しても、問題ないと考えます。なぜならば、そちらのほうが経済的な実態を税務諸表に反映させているからです。)

日本の場合は?賞与引当金の取り扱い

日本では損金算入できる?

原則として、賞与引当金は、損金不算入です。なぜならば、債務が確定していないからです。

以下は根拠条文です。

法人税法第22条第3項第2号
第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
ということは、債務が確定していれば?どうなの。って話になりますよね。
賞与自体は、原則として従業員に支払った事業年度の損金となります。したがって、期末に未払計上しただけでは、未払計上した事業年度(当期)の損金とはなりません。賞与引当金も当然、引当金の計上時期には損金になりません。

しかし、「未払賞与」についても以下の条件を満たせば、支払い日ではなく、通知日又は支給予定日の属する事業年度に損金算入可能です。

① 同時期に賞与の支給を受ける全ての従業員一人ひとりに対して賞与の支給額を通知していること。
② 通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に、通知をした全ての従業員に対してその通知金額を支給していること。
③ 損金経理を行っていること

日本では、金額はいくら?

では、日本では、最終的に年度の決算書でいくらになるでしょうか?

結論としては、修正することになります。

先の例でいうと、12,000に修正することになります。

こちら、専門的な用語でいうと修正後発事象といいます。

最終の決算書提出する前に12,000で決定したんだから、そちらのほうが正しい決算書でしょ!という考え方です。

修正後発事象とは、決算日後に発生した会計事象ですが、その実質的な原因が決算日現在において既に存在しており、決算日現在の状況に関連する会計上の判断ないし見積りをする上で、追加的ないしより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない会計事象のことをいいます。
重要な修正後発事象は、財務諸表の修正を行うことが必要となります

 

★本日のまとめ★

賞与引当金の原則取り扱い例外(払ってなくても損金算入が認められるか?)決算書の金額は?
ベトナム損金不算入
  • 文書があること。(規則、決定書)
  • 支払いが申告書(期末日から90日後)提出までに完了していること。
見積の金額でもままでもいい。

(ただ、実際に修正しても問題はないと考えます。)

日本損金不算入
  • 従業員に対して賞与の支給額を通知していること。
  • 期末日から1か月以内に、支払い。
  • 損金経理を行っていること。
修正後発事項としてFSを修正する。

本日は、賞与(引当金、未払金)の税務上の取り扱いについて解説させて頂きました。

あなたが、ベトナム税務きちんとして理解して、税務上の正しいプランニングができることを祈っていますね!

 

共感して頂ければいいね!お願い致します!

SNSでフォローしよう

この記事を書いた人

tomoyoke
tomoyoke マナボックスベトナム代表取締役

マナボックスベトナムの代表をしています。公認会計士です。
ベトナム進出の日系企業様、ベトナムの社長様を「経営管理」という点で支援しています。
会計・税務だけでなく、ライティングという点からマーケティング支援もしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください