こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。

本日は、以下の書籍について私なりに解説したいと思います。その名も「他者と働く」です!

これは、海外で働くビジネスパーソンにも使える考え方です。例えば、駐在員様や海外で独立した人ですね。

 

この記事はこんな人のために書いています。
  • 駐在員として海外子会社の社長をしている。外国人との関係で悩んでいる。コミニュケーションがうまくいかない。
  • 日本本社の指示に憤りを感じている。
  • 上司であるのに、部下が指示を聞いてくれない。動いてくれない。
  • 外国人との間に壁を感じている。
  • 自由に楽しく仕事をしたい!

こんな人のお役に立てる書籍です。この記事では、海外で働く人という視点で記載していきます。

人の悩みのほとんどは、人間関係です。

 

人間の悩みは全て対人関係の悩みである

ってアドラーも主張していますよね。したがって、海外で社長されている人で、スタッフや本社の上司との関係で悩んでいる人だけでなく、恋人関係などの悩みにも使える普遍的な考え方です。

海外駐在員の一番の悩みと言えば、OKYです。(おまえ、来て、やってみろ!)ですね。

  1. 文化や常識の違う海外スタッフ
  2. 日本の常識を押し付けてくる上司

この2つの関係性が主な大きな悩みの原因です。

スポンサーリンク

「他者と働く」のポイント

まず最初に、ポイントを列挙します。

  • 課題には2つあり。「技術的課題」と「適応課題」
  • 「私とそれ」から「私とあなた」
  • 4つのタイプの適応課題
  • ナラティブを意識する
  • 問題解決する方法 4つのプロセス
  • 対話を拒む5つの罠

それでは、それぞれ説明していきます。早速いってみましょう

1、課題には2つあり。「技術的課題」と「適応課題」

  • 「技術的問題」⇒既存の知識・方法で解決できる問題
  • 「適応課題」⇒関係性の中で生じる問題(これと言った解決策がみつからない困難な問題)

まず、前提条件です。

簡単か?複雑か?です。

理屈か?理屈で解決できないか?

といった視点ですね。

リーダーシップ研究者のハイフェッツの議論を引用して、組織のなかにおける問題状況を「技術的問題」と「適応課題」に分類しています。

例えば、現代では、「ググる」と大抵の問題は解決できるような素晴らしい時代です。最近では、youtubeでも有用な情報を得ることができます。youtubeで勉強する人も増えていますよね。

マニュアルで解決できることもたくさんあります。

しかし!実際のビジネスでは、そのような問題ばかりではありません。

これを、「適応課題」と言っています。ロジカルな視点では、解決できないという、別な言い方で言うと、エモーショナルな点でしょう。

例えば、

同じ組織の中にいるはずなのに、いまいち、話が通じない
同じ組織の中にいるはずなのに、同じ目標を共有できない
同じ組織の中にいるはずなのに、どこか壁がある。

このようなことです。

海外子会社(グローバル)管理でいうと?

外国出身の人達とのコミュニケーション、マネジメントですよね。

これこそ、「適応課題」のオンパレードです!って言ってもおかしくありません。

「なんで、わかってくれないの?」「違うよ!もう!」「ふざけんなよ!」って感じるとき、あなたにもあるでしょう?

これに加えて、日本本社の理解のなさや押し付けもあると思います。

だって、OKY(おまえ、きて、やってみろ)という有名な言葉もあるくらいですからね。

適用課題の解決の方法とは?

ずばり、「対話」だと言っています。

そもそも、組織とは関係性です。

対話が日本で起きにくいのは、お互いに同じ前提に立っていると思っているからだ、と喝破した。

そして、お互いわかり合えてないを認める。ことが対話にとって不可欠である。

劇作家の平田オリザさんの「わかりあえないことから」での文言です。

この前提条件、すごく大事です。特に海外なら、より!

対話とは、「新しい関係性」を構築すること

ちょっと、わかりにくいですよね。ただ、あなたの悩みの原因である要因「適用課題」をするには”対話”が必要なのです!

もう少しわかりやすく、説明をしていますので、そちらに進みましょう。

 

2、「私とそれ」から「私とあなた」

「私とそれ(道具)」ではなく、「私とあなた」という関係性にする

これ、本書の肝です。めちゃくちゃ大事です。

兄弟経営者の対話「兄は経営者にふさわしいのか?」

ある会社の2代目となる兄弟経営者の話を例にしています。

弟は日々「兄は経営者としてはふさわしくない」と不満を漏らしていたようです。最初は兄の社長として至らない部分にばかり眼を向けていた弟だったようです。

しかし、著者である宇田川さんが、弟に異なった視点、つまり、弟の語りの中に含まれていない点について共有しました。

すると、兄は、兄で毎日「社長として後を継がなければならないプレッシャー」と戦っていること、その大きな不安の中で無理に意地を張って余計うまく行っていないこと…などがわかりました。

弟が「兄の立場」に立って考えることで兄の苦労がわかり、それからは文句をいう事はなくなったようです。

逆に「兄が社長としてしっかり成長するにはどう協力すればいいのか?」と180度真逆に考えて行動するようになったようです。

「社長にふさわしいか?」⇒「社長をするために支える」

に変わったのです。

 

余談とはなってしまいますが、大塚家具の買収という悲劇……。この話とちょっと似ています。

参考記事:ヤマダ電機が大塚家具を買収!その内容の解説とそこから学ぶべき3つの点

この考え方が、もし、あれば防止できていたかもしれません。

 

「私とそれ」という関係は、道具的な関係で「私とあなた」は、固有な関係

私とそれは、というのは、向き合う相手を道具のようにとらえることです。例えば、私はお客なんだから、サービスを提供するのは当たり前だろ!横柄な態度になる場合です。

しかし、これではだめだと言っています。

「私とあなた」という関係性が大事だといっています。これは、以下のようなことです。

  • 相手が私であったかもしれない。
  • 自分の中に相手を見出す事、相手の中に自分を見出す事

要するに、「相手の立場になる。」「主語をあなたに変える。」という事です。

海外子会社(グローバル)管理でいうと?

繰り返しになりますが、海外駐在者(現地社長など)の関係性は2つあります。

  1. あなたと外国人(例:ベトナム人スタッフ)
  2. あなたと本社の人(例:本社の海外事業担当取締役)

あなたと外国の方の関係性

よくあるのが、

「どうせ、○○人だからな。」

っていう言葉です。たまに居酒屋で聞くことありません?

○○には、ベトナムやインド、タイその国が入ります。

これこそ、「私とそれ」です。このようなマインドでは、一生、「対話」ができず、適用課題は解決されることがありません。

もう少し砕いたいい方で言うとリスペクトがないといった言い方もできます。

あなたと本社の人との関係性

繰り返しになりますが、「おまえきてやってみろ!」というような有名な言葉があるように、大抵の場合は、本社側の配慮なしの理不尽が多いと思います。

本社側の人が、「私とそれ」という関係性になっている場合が多いです。

「日本から駐在して、高い給与もらってるんだから、全部やって結果だすのが当然だろ!」

というような感じです。

私も、駐在員のインドでの経験がありますのでよくわかります。

ただし、そればかり言っていても、解決はできません。あなたが寛大になると何か変わるかもしれません。

「私とあなた」という関係性でとらえることが大事です、

これっていろんな書籍(ノウハウ)とリンクしてきました!

「脳みそを相手にすり替える」

とこの書籍では主張しています。これも「私とあなた」の関係ですよね。

このあまりにも有名な書籍の「相手を主語に」という言葉。

 

これも、「私とあなた」の関係性ですよね。

(マーケティングにも使える??すげー!)

3、4つのタイプの「適応課題」とは?

人間関係において生まれる適応課題は4つに分類されると言っています。どの問題も、組織と組織の関係性の中で生じている問題です。

  • ギャップ型(大切にしている価値観と実際の行動にギャップが生じるケース)
  • 対立型(互いのコミットメントが対立するケース)
  • 抑圧型(言いにくいことを言わないケース)
  • 回避型(痛みや恐れを伴う本質的な問題を回避するために、逃げたり別の行動にすり替えたりするケース)

書籍:他者と働くより

それぞれ深堀していきますね。

①ギャップ型

大切にしている「価値観」と実際の「行動」にギャップが出るケース。

わかっちゃいるけど、できないよね。という感じです。

例えば、この書籍では、以下のような例を用いています。

日本では女性の社会進出が遅れている。女性の社会進出が必要(価値観)⇔男性の都合のいい職場が形成

海外子会社、グローバル経営でも、同様の事はあります。

海外のスタッフを尊重して協力しないといけない⇔罵倒している。

海外でもっとマーケティングしないといけない。DMしないといけない。(価値観)⇔日頃の業務、本社のやり取りで忙殺、総務業務ばかり。

よくあると思います。

②対立型

互いの「コミットメント」が対立するケース

こっちはこっちの考え方があるんだよ!って感じですね。

例えば、営業部門(売上)と法務部門(コンプライアンス)。営業部門(売上)と実務部門(忙しい)などです。

これは、海外であっても当然に生じますよね。

本社の期待(新しい事業創出)⇔海外では、現場の管理(マネジメント)

③抑圧型

「言いにくいことを言わない」ケース

言ったら面倒くさいな~。怖いな~。って感じですね。

例えば、海外であれば、合弁会社などがあたるでしょう。出資がローカル企業からもある場合です。この場合、ローカル側の出資者へ言いたいことがあるけどいえない。などがあるかもです。

名義貸しのベトナム人に気を使って、言いたいことが言えない……もあるかもしれません。

特に日本人はこのケースがあると思います。私もよくわります。

④回避型

痛みや恐れを伴う本質的な問題を回避するために、逃げたり別の行動にすり替えたりすること。

面倒だからやりたくない。逃げたいって感じです。あとは、偉そうにしているプライドの高いボスが、ミスを認めたくないから、正当化して、暴走するケースもそうだと言えます。

例えば、職場で鬱の人が出てきた場合に、ストレス耐性のトレーニングを実施するといったケースです。

「焼石に水」

海外子会社管理で言えば、大きな不正が生じた場合に、現地社長がその時に責任を負いたくなから、もみ消してしまうなんてことがあたると思います。これ結構ありますよ。

「本社からの評価を下げたくない。」「面倒臭い」って逃げちゃうんですね。

4、ナラティブを意識する。

これらの問題を解決するために、意識しないといけないことがあります。

相手を変えるのではなく、こちら側が変わる必要があります。こちら側の何?を変えるのか?それがナラティブです。

物語を生み出す「解釈の枠組み」

立場・役割・専門性によって生まれる「解釈の枠組み」

ちょっとわかりにくいですが、要するに……。

相手の立場になって考える。脳みそを相手にすり替える。主語をあなたにする。

といった言い方ができると思います。

立場が社長、上司であれば、部下に対して、自分のメリットを重視した説明になりがちですし、

「○○なんだから、こうあるべきでしょ」ていう思い込み。

これではだめでしょ!という事になります。

5、問題解決する方法 4つのプロセス

適用課題という問題を解決するめの方法です。

「準備」→「観察」→「解釈」→「介入」

これです。もっと砕いて説明するとこうです。

「相手の立場に立つ」→「相手の幸せを想像する」→「ウィンウィンを見つける」→「行動をする」

こっちの方がスッキリするかもしれません。

対話のプロセス1.準備「溝に気づく」

相手と自分のナラティブに溝(適応課題)があることに気づく

相手を問題のある存在でなく、別のナラティブの中で意味のある存在として認める

「私とあなたの関係」になるということです。

例えば、ベトナム人スタッフであれば、そのスタッフが会社やあなたに何を求めているのか?ということに気が付くということです。あなたの期待と相手の期待がそもそも違うということに気が付くということです。

本社との取締役との関係性も同様です。

対話のプロセス2.観察「溝の向こうを眺める」

相手の言動や状況を見聞きし、溝の位置や相手のナラティヴを探る

関わる相手の背後にある課題が何かをよく知る

例えば、あなたのスタッフとの関係であれば……。

スタッフのメリットや動機は、スキルの取得?高い給与?安定的な仕事?などを深く観察することです。

あなたの本社との取締役の場合であれば……。

本社の取締役は、本社の社長からプレッシャーを受けている。責任が重い。海外以外の事業で忙しい。

などと想像を働かせることです。

対話のプロセス3.解釈「溝を渡り橋を設計する」

溝を飛び越えて、橋が架けられそうな場所や架け方を探る

相手にとって意味のある取り組みは何かを考える

相手にとっても意味のある、実行可能な施策を考える

観察により状況が把握できたら、お互いのナラティヴにメリットのあることはなにか?を考えてみます。

つまり、ウィンウィンってなんだ?を考えることです。

例えば、あなたの海外、ベトナム人スタッフのメリットが、スキル取得・成長であれば、そういった環境を考えること提示することが効果的です。

または、お金であれば、結果によるインセンティブですね。

また、あなたの本社の上司のメリットが、本社社長への効果的な説明であれば、この視点での思考の材料を整えることが重要です。

対話のプロセス4.介入「溝に橋を架ける」

実際の行動することで、橋(新しい関係性)を築く

相手の見えていない問題に取り組み、かゆいところに手が届く存在になる

最後のステップです。これは、これまでの仮説を基に行動を起こすことですね。検証とも言えます。

なんでもそうですが、行動しないことには何も始まりません。

例えば、あなたの海外スタッフであれば……(スキル・成長であれば)

  • スキルマップを作成して成長を見える化する
  • インセンティブを与える
  • フィードバックミーティングする

例えば、あなたと本社の上司であれば……

  • 他の取締役(海外の理解のある)の協力を貰う
  • 新規事業に失敗について理解のある上司を巻き込む
  • 共通の成果を設定し周知させるように本社の社長と話しあう

などがあるかもしれません。

このように行動すれば、成果もでますし、あなたとウィンウィンな関係が構築できますよね。

トヨタの生産方式も?

自分より後工程を担当すれば、自分の工程でやったことが、後工程にどのような影響を及ぼすか知ることが出来ます。そうすると、前の工程に戻ったとしても、自分の仕事の見え方が全然違ってきて、取り組み方も変わるというわけです。

6、対話を妨げる5つの罠

難しい問題である適応課題を解決するのが、対話です。対話が重要でしたね。

それを妨げるものがあります。これについてもまとめますね。敵を倒すには敵を知ることが大事です。

①「気づくと迎合になっている」

「相手への押しつけになっている

「相手と馴れ合いになる」

「他の集団から孤立する」

「結果が出ずに徒労感に支配される」

これもそれぞれ解説して行きます。

 

①「気づくと迎合になっている」

相手の気持ちを理解するのがいいが、相手の考えのとおりに自らの考えや行動を変えること。

迎合(げいごう)って普段、使わないので意味がわかりませんでした(笑)。

調べると、

「迎合」は自分の考えを曲げて相手に合わせるさまという「一方的」な状況

相手に媚びを売る。

ってことらしいです。つまり、この書籍に当てはめた場合、橋を渡ったまま帰ってこないことという事になります。

忖度とも言えます。ホリエモンが嫌いな言葉。

あなたが海外子会社の社長であれば、本社の取締役に媚びを売って行動できないようなケースです。

解決策は以下です。

ナラティブを定期的に眺める。行動する。

行動するって、めちゃくちゃ難しいです。ほとんどの人は行動しないんですよね。

個人的には、If then planというルールを設けて行動を補助する方法もいいと思います。

例えば、第4週目の水曜日には、打ち合わせする。計画が実行されているかフィードバックする。など。

参考記事:読みやすい!『やり抜く人の9つの習慣』のまとめ

「相手への押しつけになっている

社長などの権力がある人が、部下へ言っても届かない。響きにくい。

「権力は対話を妨げる」ということ。

権力の上の人が、職階が下の人に寄り添うのが難しいという事です。

例えば、トップの人が、明確な批判受けたり、叱られるという場面って少ないですよね。

あなたが、海外子会社の社長であれば、外国人のスタッフへのあなたの要求の押し付けになってしまっているという事です。

外国人で、いつでもクビにされてしまうかも?と感じてる人は、社長に何にも言えないですよね。

解決策は以下です。

上に立つもののマインドを変える。未熟に見える部下や後輩から対話を学ぶという姿勢を持つ。

③「相手と馴れ合いになる」

関係性を維持すべく、言いたいことが言えない抑圧型の適応課題が生じることがある。

対話がうまくいき、橋が渡りました。この関係を維持したいという考えから「言言いたいことが言えない」という状態です。

良い関係ができたことの裏返しでもあるので難しい問題です。「違和感がある」ことを口に出さないままにすると、余計問題は大きくなってしまいます。

解決策は以下です。

勇気を持って「言うことは言う」という環境を作ることが大事です。KYで行きましょう!

って感じすかね。

④「他の集団から孤立する」

良い関係ができると、他の人からは「ちょっとあのノリにはついていけないよ」などと熱量の差を理由に煙たがられたりすること。

チームの特定のメンバーが仕切ってしまっていて、実は違和感を感じている。

浮いちゃう!ってことだと思います。

海外子会社の社長であれば、本社側との熱量の差による孤立があるかもしれません。

「海外、ベトナムでやってやる!結果を出す!」って意気込んだが、本社側が覚めているみたいな状況でしょう。

解決策は以下です。

対話を続ける。

新たなつながりに向き合う。場所を変える。

⑤「結果が出ずに徒労感に支配される」

対話が成立しなくて、疲れてしまう。結果が出ずに疲弊する。

4つのプロセスを経たからといって結果がでるわけではありません。むしろ海外では出ない方が多いかもしれません。

そして、疲弊しきるパターンですね。

解決策は以下です。

休憩してみる。休む。極論、別の組織で頑張ってみる。逃げてもいい。

無理しないで逃げましょう。あなたの身体を壊してまでその組織にこだわる理由はないです。

ブラック企業って日本だけみたいです。なぜなら、海外だと嫌ならやめちゃうから。です。

いかがでしょうか?

海外で働く。という事は、「適用課題」に直面することが増えるということでもあります。

したがって、本書の整理された考え方がとても有用になるはずです。

私は、海外歴(インド、ベトナム)で7年間を経験してきました。

相手は、①価値観も文化も違う海外の人②日本の常識が当たり前だと思う日本側の人です。

その中で、何度も失敗してきましたが、「相手の視点にたつ。」「嬉しいことはなにか? 」を常に考えながら行動するようになってからは、うまくいくようになったと感じています。

そして、この書籍の通り、私自身が、自信がつくようになったり、自分らしさを発揮できるようになったと思います。

「他者と働く」は、海外で働くあなたにも使える一冊となっています。

是非、読んでみてください!