こんにちは、すげのです。

突然ですが、あなたに、質問があります。

「日本酒は、酒蔵の杜氏の長年の経験と勘で味が決まる。」

少し時間をとって頂き考えてください。

 

あなたの答えはどうでしょう?

「日本酒は伝統的なものだ。杜氏の長年培ってきた経験と職人としての勘が大事だ!」

このように思ったのではないでしょうか?

私もそう思いました。日本酒=伝統的な職人という理解をしていたからです。

しかし!これは違います。

「経験と勘」は言い逃れ

答えはこうです。

本日は、【勝つ続ける「仕組み」をつくる獺祭の口ぐせ】という書籍を引用しながら、データとマニュアルが以下に大事か?という点について共有したいと思います。

獺祭とはめちゃくちゃおいしい日本酒の事です。お土産に買っていくと喜んでもらえます。

有名だから、みなさん知っていますよね。

この記事はこんな人のために書いています。
  • 海外子会社の業務がブラックボックス化しており見える化してない。ストレスだ。
  • 海外駐在したばかりだが、お局さん的な人が偉そうで仕事がやりにくい。退職すると業務が回らない。
  • 業務を仕組み化・見える化することについて自信を持ちたい

なぜ、獺祭においても「数値とデータ」に基づく見える化・マニュアル化で結果がでるのか?

結論から申し上げると以下です。

  1. 「経験と勘」ほど当てにならないから。
  2. データ化によって杜氏に代わって素人の社員が酒を作れる仕組み構築が可能だから。
  3. マニュアルの先にある「2%」がすべてを左右する。

この3つに集約されると思います。そして、これは海外子会社管理についてもまったくあてはあります。

図解すると以下のようになるかと思います。

それぞれ海外子会社であればこうですよね?っていう視点も踏まえながら解説していきます。

「経験と勘」ほどあてにならないものはない。

獺祭の酒造りにおいての一番の特徴は以下です。

「杜氏がいない」こと。

めっちゃ衝撃的じゃないですか?

伝統あるお酒なのに!って思いました。

獺祭の口ぐせの著者であり、獺祭を製造する会社の旭酒造の会長である桜井博志氏はこう言います。

経験と勘と言うと、いかにも職人らしくて言葉の響きは良いのですが、「経験と勘」ほど当てにならないものはない。と私は実感することになりました。

なぜ、こう感じたのか?それは後述で詳しく説明します。

海外子会社管理という視点でいうとどうでしょう?例えば…。

チーフアカウンタントの「経験と勘」ほど当てにならないものはない。

となります。当たり前ですよね。日本酒という複雑なものだって、「経験と勘」があてにならないのですから。

杜氏に代わって素人の社員が酒を作れる仕組みの構築が可能だから。

桜井氏が、会社を引き継いだとき、杜氏(職人)という大黒柱を失ってしまうのでした。ピンチですね。

そこで、自分たちで酒造りをすることになったのです。

  • 「数値やデータ」をベース。
  • 各プロセスを様々な情報で数値管理・データ化→見える化した。
  • 専門家が作ったマニュアル。

これにもびっくりしました。酒造りであっても、数値・データによって、その工程を見える化することができたのです。

そして、その工程について言語化もしました。誰が実施してもある一定の品質の酒ができるマニュアルの作成もしました。

データ化が、職人の「経験と勘」を凌駕する。

つまり、データ化により「経験と勘」を見える化して他の人にも共有することが可能となったのです。

海外子会社管理という視点でいうとどうでしょう?例えば、

海外子会社の経理業務をデータ化により、見える化しろ。そして、マニュアル化する。それがスタッフ個人の「経験と勘」を凌駕する。

となります。

まず管理業務は、基本的に見える化できますし、言語化が可能です。杜氏さんが造る日本酒でもできたんです。

管理系の業務ができないわけないですよね。

マニュアルの先にある「2%」がすべてを左右する。

伝統的な酒造りであっても、数値化・データ化によって見える化・マニュアル化が可能でした。

そんな中、桜井氏は、一緒に酒を造る社員たちに、こんなことを従業員に言いつづけます。

「大和魂で酒を造るのはやめにしよう」

努力や根性で酒を造っても、必ずミスをしますし、酒が美味しくなるとは限りません。それよりもデータを管理して、20代の若者でも酒造りができるマニュアルを作ることにしたのです。

これ、めっちゃヒントつまってますよね。これは、海外子会社管理業務についても使える考え方です。

スタッフの能力に依存すると、よくありません。なぜならば、単純なミスをおかしてしまうからです。また、海外の場合、退職が多いですから、個人のノウハウもバラバラです。

このように仕組み化マニュアルを重視する一方で、桜井氏はこう主張しています。

マニュアルだけで対処できない2%に価値。マニュアルを超越した人の知恵や考える力がここに必要。行動力も必要。例えば他社がマニュアル化できる部分をコピーしてもその差は埋まらない。

つまり、仕組み化・マニュアル化がどうしてもできない領域があるのですね。これは、AI✖︎データ化という話にもリンクしてきます。

AI✖︎データ化ができない、人間にしかできない部分のことなのでしょう。ここが競争力の源泉だと言っています。

海外子会社管理という視点で考えるとどうでしょう。

マニュアル化は必ず実施する。その上で、人間にしかできない付加価値の高いことを探究し続けろ!例えば、創造性の高い業務に時間を使え!

となります。

仕組み化というと仕事を奪うとか、そんなネガティブなイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。

仕組みをうまく利用して、みんながハッピーになるという視点を持つことがすごく大事かなと思っています。

これは、今後、会社も個人も、生き残りをかけていく上でも非常に重要な要素になります。マニュアル化できる業務に人間がずっと時間を使っているようでは、会社にもスタッフにも明るい未来はありません。なぜならば、AI✖️データ化の世界の加速が増していくからです。

本日は、「勝つ続ける「仕組み」をつくる獺祭の口ぐせ」という書籍があまりにも素晴らしく海外子会社管理にも使えるノウハウ考え方であったので紹介させて頂きました。

再度、まとめの図をはっておきますね。

是非!試してみてください。