みなさん、こんにちは、マナボックス の菅野です。
今日のテーマは、『優遇税制の構造』をわかりやすく解説するというテーマです。
ベトナムに進出する企業や、すでに進出している企業は、この優遇税制という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ベトナム進出を考えている。進出したばかり。
ベトナムの優遇税制の仕組みについてよくわからない。
今日の解説により、優遇税制の仕組みやリスクについて理解頂けます。
この記事のもくじ
ベトナムの優遇税制の仕組み 3つの視点で理解する
優遇税制によって、法人税(企業の儲けに対して課税)について恩恵を受けることができます。
以下の3つ視点で整理するとわかりやすいです。
- 優遇税率の適用の期間(通常より低い税率)
- 免税の期間(法人税の支払い義務なし)
- 減税の期間(税率を50%減らす)
この3つの構成要素があります。
1の優遇税率の適用ですが、10%や15%、17%があります。ベトナムの法人税率は、20%ですのでそれより低い税率になっていることで優遇されています。
2の免税、つまり、法人税がゼロの期間は、2年、4年のパターンがあります。
3の減税は、4年、5年、9年のパターンがあります。
表にすると以下の通り。
優遇税率の適用 | 免税 | 減税 |
10%、15、%17% | 2年、4年 | 4年、5年、9年 |
ただ、具体的にどういうこと?1の優遇税率と減税って何が違うの?という質問を頂くことがあります。そこで、図解で解説していきたいと思います。
図解でベトナムの優遇税制を理解しよう
優遇税制の3つの構成要素について学びました。もう少し深く理解しましょう。
IT分野では、一定の場合、以下の優遇税制を適用できます。
- 優遇税率の適用の期間 10%が15年
- 免税の期間 4年
- 減税の期間(税率を50%減らす)9年
です。これが具体的にどういうことか?というと以下の図のようになります。
3の現在は、優遇税率である10%からさらに50%減税できますよ。という意味なのですね。この辺りがややわかりにくい点かと思います。
いつから、優遇税制が適用されるか?という点では、「課税所得」が発生した時から上記の免税・減税期間が開始です。 しかしながら、売上が発生した後、3年間課税所得がない場合は、4年目から自動的に、免税・減税期間が開始されます。ずっとは待ってくれないということになりますね。
優遇税制の趣旨とその範囲の概要
では、なぜ、優遇税制が適用されるのでしょうか?
ベトナムにとって法人税よりも優先したいこと
それは…
ベトナムにとってメリットがあるから
です。ベトナムにとって、法人税というお金よりも、何か得することがあるのであれば、そっちを優先しましょう!ということです。
場所と業種、拡大も
では、どのような場合に適用されるかというと、以下の点です。
- 場所(工業団地)
- 業種(例:IT、教育、インフラなど)
例えば、工業団地に日系の製造業が進出すれば、ものすごい雇用が生まれますよね。例えば、3,000人規模の製造会社もあります。雇用を生むということは、ベトナム人にとってもメリットがありますし、製造技術のノウハウが移転するという点でもメリットがあります。これが法人税よりも価値がある点なのです。
ITもそうです。IT分野を強化したいと思っているので、IT分野の企業が進出してくれば、IT人材のスキルの向上が期待できますよね。これもベトナムにとってメリットです。
ベトナム優遇税制のまとめ
優遇税制は、3つの構成要素がありました。
- 優遇税率(10%や15%など)の期間
- 免税の期間(2年や4年)
- 減税の期間(優遇税率から50%減税、4,5,9年)
優遇税制が適用されるのは、ベトナムにベネフィットがあるから。でした。
なお、優遇税制が適用できるか?というのは、非常に難しい論点となるので必ず専門家依頼しましょう。