こんにちは公認会計士の菅野です。

「三方よし」と言う言葉をご存知でしょうか?最近だとあの伊藤忠グループの行動指針となっていることとで知っている人も多いかもしれません。

近江商人の経営哲学のひとつとして「三方よし」が広く知られている。「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方だ。

『売り手によし、買い手によし、世間によし』を示す『三方よし』

引用元:伊藤忠グループの行動指針

社会のことも含まれていることで、近年のSDGsやESGとも関連してきますね。ビジネスの継続性という視点からは、社会性もより意識することが必要です。

近江商人と会計の関係とは?

近江商人とは、江戸時代に活躍した近江に本拠地をおく稼ぎ商人のことです。要するに、江戸時代において活躍した「出来るビジネスマン」といった感じでしょう。

この近江商人の流れを引き継いでいる現代でも有名な会社として、伊藤忠商事や西武グループ、丸紅、ベトナムのホーチミンでも有名な高島屋があります。300年も経った今でも、超有名な会社が残って変わらず活躍している点が素敵ですよね。

冒頭で述べたとおり、近江商人が培ってきた商いの精神「三方よし」。つまり、「売り手によし、買い手によし、世間によし」すなわち、「三方よし」が、とっても、有名ですが、その実現のために必須だったといえるが、なんと…!

「世界標準の会計制度」複式簿記だったのです!複式簿記をこの時代から使っていた!というのです。

これって驚きですよね。もしかしたら、日本人の簿記好きは、ここにルーツがあるかもしれません。

日本の会計史の中で、とても重要な資料として、「中井家の帳簿」というのがあります。

中井家は、日野塗といわれたお椀の製造販売を行っていました。そして、江戸時代に中井源左衛門という人が、やり手で、販路を広げ、豪商となったのです。要するにめっちゃ儲けたんですね。そして、その中井家には、万を超える帳簿資料が残されていました。その中には以下の帳簿が含まれていたそうです。

  • 大福帳(掛売りの内容を取引先別に記入する管理帳簿)
  • 金銀出入帳(現金出納帳のようなもの、お金の流れ)
  • 売立帳(売上の明細)
  • 仕入帳(仕入の明細)
  • 貸借帳

要するに、複式簿記による貸借対照表や損益計算書と同等の帳簿が存在していました。

会計と日本史というテーマでは、以下の書籍がとてもおもしろかったですよ。ぜひ、読んでみてください。

「会計」を無視する人は、「三方よし」なんてできない

ここからどのようなことがわかるのか?というのが重要なポイントです。

なぜ、近江商人が現代でも有名なのか?そのストーリーや理念に共感する人が多かったからでしょう。

しかし!重要なことを忘れてはいけません。それは、算盤を重要視していたということですね。つまり、儲けであり、お金、そして、会計です。

すなわち、近江商人が、後世から現代にまで名を轟かすようになったのは「会計」を重要視して、それを商売に活かしていたからでしょう!つまり、「三方よし」の精神は、会計によってささえられてきたといっても過言ではありません。

どんなに綺麗事言ったとしても、お金儲けができてなければ、「三方よし」という言葉は後世に残らなかったでしょう。

ここからきちんと学ぶべきことは、「会計」の重要性です。それがあるからこそ「三方よし」となるのです。

これに加え、近い将来、クリエイターのような創造性の高さが求められてきます。そして、SDGsなどの考えも意識していく必要があるでしょう。

例えば、絵を書く人、漫画を書く人、芸術作品を作る人、音楽を作る人などの活躍がもっと増えてくるでしょう。なぜならば、AIなどのテクノロジーが、「仕事」を代替してくれる時代だからです。

まとめると…以下の3つの要素を必ず、どんな人でも意識しなければいけません。

  • 社会性のためになっているか?(三方よし)
  • 創造性があるか?(人間性、心が動く?)
  • ビジネスとしてなりったてるか?(会計)

3つが、密接に絡み合っていくるととても価値が高いものになってくるはずです。100年後はわかりませんが、お金(仮想通貨などに変わってるかもです)はどうしても関わってくるはずです。

一部の特別なところを除いて、お金の知識、もっと言うと、会計の基礎知識は、必須なのです。

本日のまとめ

本日は、日本史と会計の関係についてお伝えしました。

  • 普遍性のある「三方よし」には高度な会計技術があった
  • テクノロジーが発展した現代でも、会計は大事

いかがでしたでしょうか?会計は、日本の歴史と絡めるとより面白く感じますよ!