みなさんこんにちは!
マナボックスの菅野です。本日のテーマは『ベトナムに投資する時の総資本金の考え方』についてです。総投資という表現もされることもあります。
- ベトナムに進出をする予定でその手続きの流れを知りたい
- 進出手続き中で「総資本」の意味がわからない
こんな悩みを持っている人のための記事です。
総資本は資本金と長期借入金の枠の2つ
結論は以下の通りです。
総資本とは以下の2つの概念である
- 資本金(自己資本)
- 借入金(長期)の“枠”
です。もう少したとえると以下のようになるでしょう。
あなたがベトナムでラーメン屋さんを始めるところをイメージしてみてください。その時に自分の銀行口座からお金を出すことを資本金を拠出すると言います。つまり、これが「資本金」です。なお、最近の資本金の実務上の留意点は以下にまとめました。
一方で自分のお金だけで足りない場合は「借入金」が必要となりますよね。銀行からの借入金がわかりやすいと思います。実際には家族とか親戚とかからの借入金もあるかもしれません。ベトナムに進出する日系企業はこの「借入金」も設立時に登録する必要があります。
そこでのポイントが「長期」と「枠」という点です。1つ目のポイントは「長期」でこれは借入金であっても1年を超えるものが対象となります。逆に言うと「短期」は特に記載する必要はありません。
枠は設定しておくべき!
そしても2つ目のポイントが「枠」と言う点です。これが少しわかりにくいかもしれません。「枠」なので、実際に設立してビジネスを開始してもこの「枠」を使うかどうかはあなた次第ということです。例えば、1億円という借入金を登録したとしても実際にこの借入を実施する必要性はないということです。けれども、もしこの「枠」を設定しない場合、あなたが資金繰りに困り、借入金が必要となったとしても借入行為ができません。ここが重要なポイントとなります。
実務上、この借入金の枠を設定しなかったために苦労されているケースはあります。
資本金と借入金を専門的な用語で整理すると…
上記で説明したことを専門的な用語などでまとめると以下の通りです。
概念 | 用語 | 設立後拠出する必要性 | 返済義務 | 還元 | 破産 |
資本金 | 自己資本 | あり、もししないとERC等の変更の必要性 | なし | 配当 | |
借入金 | 他人資本 | あくまで「枠」。しなくてもいいがこれがないと借入できない。 | あり | 利息 |
関連記事も参照ください。
>>ベトナムで会社設立後、資本金のお金を実際に振り込んでいますか?振り込まないと…。【資本金のまとめ】
>>【ベトナムでの借入金】その2つの種類について整理して理解する方法
資本金の留意点
ベトナムで会社を設立する時に「資本金」の金額を定める必要がありますが、実際に払い込んだ金額とはまたことなります。例えば1,000万円という資本金と決めたのにそれが実際に払い込まれるとは限りません。そのため、よくコップと水で喩えられることがあります。
- 「資本金」→コップ 1,000万円の大きさ
- 「払い込み資本」→水 例えば700万円しか拠出されなければコップも700の大きさにする必要がります。
また会計的な視点で図解でも整理しましょう。
本日のまとめ
本日はベトナム投資における「総資本」(総投資)について解説しました。
- 資本金と借入金の枠の合計。
- 借入金の枠なので実際にする必要はない。
- 借りれ金の枠なので出来るだけ大きな金額を設定すべき。
- 資本金と払い込み資本は違うのちゃんと振り込もう
です。お役に立てれば幸いです。