こんにちは、マナボックスの菅野です。

今日はベトナムのコンプライアンスに関するニュースです。ベトナムでは特に外資企業を中心にコンプライアンス(法令遵守)が求められています。

このうち今日は投資系に関するコンプライアンスのお話です。

この記事の対象者
  • ベトナムの法律をよく知りたい方
  • これからベトナムへ進出をお考えており、事前にベトナムビジネス情報を効率的に集めたい方
  • ベトナムでビジネスをスタートしたばかりの方
  • 会計税務以外のベトナムの法律違反による罰金が怖い人

こんな方にお役に立てる内容です。

外資系企業が定期的に提出しなければいけないレポート

結論として以下のレポートを作成(フォームはあり)し提出しなければいけません。2つあるので留意が必要あります。

  • 『投資プロジェクトの実施に関する報告』
  • 『投資報告書の監督および評価の報告』(マニアック?)

それぞれ以下の観点から解説していきたいと思います。

  • 概要
  • 提出先
  • 提出方法
  • 提出頻度・締め切り日
  • 罰金とその根拠

それではいきましょう。

⚠️最近、ERCやIRCを変更するために計画投資局に申請する際にこのコンプライアンスがなされていない場合に罰金を要求されるケースが多発しています。

投資に関するレポート・報告書の概要

2つについての概要と法的根拠を解説します。

『投資プロジェクトの実施に関する報告』

根拠条文は政令31/2021/ND-CPの102条です。これは投資法の条項の詳細な規定及び施行について規定しています。

例えば、以下のような条項です。

  • 経営投資条件
  • 外国投資家に対する市場アクセスの分野
  • 業種及び条件
  • 経営投資の確保
  • 投資優遇
  • 支援、投資手続、外国への投資活動、投資促進、ベトナムにおける経営投資活動及び外国への投資活動

根拠条文は以下の通り。

第102条 投資プロジェクトを実施する企業組織の報告内容と報告期間

1. 投資プロジェクトを実施する企業組織は、現地の投資登録機関および統計当局に報告書を提出しなければならない。

 2、四半期報告は、報告四半期の翌四半期の最初の月の10日までに提出しなければならず、資本金、純収入、輸出、輸入、労働者、税金、国家予算への納付額、土地と水面の使用について明記しなければならない。

3. 四半期報告に関する情報、利益、労働者の収入、科学研究・技術開発への支出と投資、環境保護、環境問題の解決、使用技術の起源。

引用元:政令31/2021/ND-CP

『投資報告書の監督および評価の報告書』

根拠条文は政令29/2021/ND-CPです。これは国家的に重要なプロジェクトの評価、投資の監督と評価に関する手順を規定する政令のようです。

この政令によれば以下の報告書を作成し報告しなければいけないそうです。翻訳にもよりますが「定期監督・評価報告書」の作成と報告が必要そうです。

第100条 投資監督・評価の報告

8. その他の資金源によるプロジェクトの投資家は、投資登録機関および当該プロジェクトが実施される地域の投資監督・評価担当機関に対し、以下の報告を行い、送付しなければならない:

  • a) 定期監督・評価報告書:6ヶ月報告書および年次報告書
  • b) プロジェクト調整前の監督・評価報告書
  • c) 最終報告書(ある場合)

11. 監督・評価報告書の提出期限

a) すべてのプログラム・オーナー、プロジェクト・オーナー、投資家は、以下のものを提出する:

  • – a) プログラムの所有者、プロジェクトの所有者、投資家は、報告年度の 7 月 10 日までに、6 ヶ月の報告書を提出する;
  • – 翌年 2 月 10 日までに年次報告書を提出する;
  • – プログラム/プロジェクトの調整前の報告。

引用元:政令29/2021/ND-CP

 

投資に関するレポートの提出先や提出方法

続いて提出先等についての詳細比較です。

項目

『投資プロジェクトの実施に関する報告』

『投資報告書の監督および評価』

提出先
  • 計画投資局;
  • 工業団地管理局;
  • 統計局・統計支局
計画投資局

提出方法

オンラインオフラインまたはオンライン

上記のようになっています。

なぜ「投資プロジェクトの実施に関する報告」に関する罰金が厳しくなったのか?

ではどうして最近厳しくなったのか? また実際の現場の声(計画投資局へのクレーム)はどうなのか?を以下で詳細にまとめてみました。簡潔にいうと

  • 詳細ガイダンスがでるの遅いんだから提出が遅れてもしょうがなくない?
  • ハノイやホーチミンで多くの企業が処罰を受けているんですがそもそも法律が曖昧だし、実務と法律が異なることなんてあるのに、罰金を厳格にとるのはおかしい!

といった趣旨です。少し濃い内容なので顧客様限定のコンテンツにしてます。

>>M-Lab_なぜ「投資プロジェクトの実施に関する報告」の提出の罰金が厳しくなったのか?【最近の罰金の多さ】

怖い?提出しないと法律上では罰金が発生してしまう。

ベトナムの特徴は法令と実態がかけ離れている点です。そのためあまりメジャーでないルールについては実際に提出等してなくてもすぐに罰金が課されるとは限りません。とはいっても「書いてあるんだから」という理由やっぱり法律が根拠となると何もいえません。

まあまあ大きい金額ですよね。

項目

『投資プロジェクトの実施に関する報告』

『投資報告書の監督および評価の報告書』

罰金(ドン)

30-50 million

20-30 million

根拠条文

Point 2a, Article 15, Decree 122/2021/ND-CPPoint 1b, Article 15, Decree 122/2021/ND-CP

なお罰金の支払いについては以下でお伝えしています。

>>M-lab_2023年最近の罰金の支払い方法と会計・税務の論点【投資プロジェクトの実施に関する報告】

今日のまとめ

今日は『投資に関する報告書の作成義務とその罰則』というテーマでお伝えしました。結構マニアックで認識してない会社もあるかもしれません。

  • 『投資プロジェクトの実施に関する報告』
  • 『投資報告書の監督および評価の報告』

を外資系企業は作成し報告(提出)する必要があります。それを怠ると罰金も発生する可能性がありますよ!というお話でした。是非お役にたててください。