こんにちはマナラボの菅野です。
今日のテーマは『IRCのプロジェクトの期間の延長の秘密』というテーマでお伝えします。
- ベトナムへ進出しておりIRCのプロジェクトの期間が過ぎて延長しなければならない
- その時の注意点やリスクを知りたい
- 延長手続きがうまくいってない
ベトナムに当局がどんなことを考えているのか? がわかるためあなたの会社がもしIRCのプロジェクトの期限がせまっているというのであればお役にたてますよ。
あなたの会社がずーっと赤字の場合にはプロジェクト延長で苦労する
結論はこの通りです。
その前にIRCってそもそもなんなの?という疑問があるかもしれないので簡単に説明しておきますね。IRCとは「Invest Regisitration Certificate」です。投資登録証明書のことです。これは承認された投資プロジェクトに関わる情報が記載された書類なんですけど要は日本企業のような外資企業がベトナムに投資する際の重要な情報が記載されています。下記にて頑張って詳しく解説したので参考になされてください。
ベトナムの投資登録証明書(IRC)をどこよりも詳しく徹底解説!【保存版】
以下のことが記載されているのですが今日のテーマは「プロジェクトの実施期間」です。
- プロジェクト名(会社名)
- プロジェクト(ライセンス情報)の目標・規模
- 投資プロジェクトの場所
- 使用土地の面積
- 総投資額(資本金と借入金)
- プロジェクトの実施期間
- プロジェクトの実施状況
法律上は、50年とな70年とかまで可能らしいのですが実務上は「10年」が多いでしょう。10年経てばこの延長をしなければいけないためIRCの書き換えが必要となります。具体的には計画投資局に申請して説明し延長することを認めらてもらう必要があります。
その時のポイントになるのが「利益」つまり業績ですね。更新のタイミングでずっと赤字の場合などは延長が認めてもらえない場合があるようです。
「ずっと赤字であるのなら継続させる意味がない」
といった短絡的な考え方でしょう。これは悲しいけれども役所の人は「点」でしか考えることができない、総合的に勘案することができない人が多いのです。とても悲しくなっちゃいます(涙)その結果、認められないケースや10年ではなく5年に短縮されてしまうことがあるようです。
投資するの意味を本当に理解してない
なぜ私がそう言えるのか? 投資の意味は「利益」だけでないからです。具体的には以下の点でベトナムに貢献しています。
- 雇用
- ITエンジニア等の人材育成
- 日本人駐在員の経済への貢献
- 法人税以外の税金(個人所得税)
この3つです。まず雇用です。当たり前ですけどベトナムの人を採用しているので雇用しています。通常は人は給与で家族を支えることになるのでこの雇用は大きいでしょう。日系企業であればまだ高い水準にあり、場合によっては他のローカル企業の従業員の何倍もの給与をもらっています。そしてその原資、つまり売上なんですけど、それは日本からの送金である場合も多くあります。つまり、日本からのお金で給与をはらっているわけです。もちろんベトナムからしたら労働の対価であるので当たり前だと感じるかもしれませんが。
2つ目は人材の育成です。仕事をすることによって当たり前ですが育成に貢献しています。優秀な人材が国を支えるのだからこういった意味でも貢献はしているはずです。私も仕事を通じてビジネスパーソンとして成長してきました。
そして3つ目。これはお金の部分です。日系企業が進出することによって駐在員が生まれますよね。その人による経済効果を無視するわけにはいきません。衣・食(エンタメも)・住のところでお金を使うんですよ。
特に食は毎日です。そして駐在員さんは日々のストレスを発散するためにバーやカラオケにいくわけです。そして数万円を落とすわけですよね。これは経済効果に寄与していると言えます。住む場所だって必要なわけですから不動産業者への売上にもなっているわけです。
4つ目は個人所得税です。日本人駐在者が来るとグロスアップなどの理由もありざっくりですが年間で200万から400万円は納税しています。なおベトナムは納税しない人(脱税なのかもしれませんが)がいるからか、推定の1人たりの年間の個人所得税は1万円程度です。基礎控除未満の人が多いにしたって明らかに異常な数値でしょう? (日本は68万円くらいらしいです)
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/shinkokuhyohon2000/menu/06.htm
それなのに…。「利益が出てなくて法人税払ってないから」のみの理由で延長を認めないというのであればそれはちょっと違うだろ!って思っちゃいますよね。延長を認めないというのはベトナムから出ていってくださいと同意義です。
なんだか利用だけ利用されて捨てられた感が半端無いっす。
今日のまとめ
本日は『IRCの延長の時の留意点』というテーマでお伝えしました。
プロジェクト期間ずっと赤字の場合は延長がなかなか認められないかもしれなえい。当局の人からたくさんの質問が来てその説明が大変。場合によっては10年じゃなくて5年になってしまうことがあるという点を解説しました。
ずっと赤字を避ける。ことが大事かもしれません。お役にたてれば幸いです。