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今日は「税務に関する首相決定書412/QD-TTgの概要」というテーマでお伝えします。
2024年5月14日、ベトナムの首相は決定第412/QD-TTgを発表し、2024-2025年の期間における財務省の管理機能の範囲内での事業活動に関連する規制の削減および簡素化計画を承認しました。この決定は、ベトナム国内のビジネス環境を改善し、特に税務関連の手続きを簡素化することを目的としていると推測されます。別な言い方をするのであればDX化も国がサポートするねってことだと思います。
ここでは、この決定が日系企業に与える影響と、それに対してどのような準備をすれば良いかについて詳しく解説します。
この記事のもくじ
ベトナムの「IV. 業種:税務分野」で2024年から25年に改善が予想されること
具体的には、決定第412/QD-TTgに基づく2024-2025年期間における財務省の管理機能の範囲内での事業活動に関連する規制の削減および簡素化計画に従って、業界の事業職種-税務分野は以下のように簡素化および削減される予定です。ポイントは以下の通り。
- 【個人所得税の減税・免税】自然災害、火災、事故、重病に直面している事業世帯や個人事業主の個人所得税の免税手続き(TTHCコード:3.000083)
- 【簡素化の内容】行政手続きを電子環境で実施する方法で補完され、手続きが簡素化。
- 【理由】:対象者が行政手続きを実施しやすくするための有利な条件を準備したい
- 【実施推奨】:2020年10月19日発行の政府法令第126/2020/ND-CPおよび2021年9月29日発行の財務省通達第80/2021/TT-BTCに基づき、電子環境での行政手続きを実行する規制を補完;
- 【実施ロードマップ】:2024-2025年。
上記の規制に基づき、個人所得税の削減、自然災害、火災、事故、重病に直面している事業世帯や個人事業主のための手続きの簡素化および削減の内容は、行政手続きを電子環境で実行する方法を補完することにより、対象が行政手続きを実行しやすくするための有利な条件を作成することを目指しているようです。
詳細な規定は、2020年10月19日発行の政府法令第126/2020/ND-CPおよび2021年9月29日発行の財務省通達第80/2021/TT-BTCに基づき、2024-2025年の実施ロードマップで補完される予定です。
この首相の決定第412/QD-TTgは2024年5月14日から発効します。
1. Administrative procedure 1: Income tax reduction for individuals, business households, and individual businesses facing difficulties due to natural disasters, fires, accidents, and serious diseases (TTHC code: 3.000083)
a) Content reduction and simplification: Supplementing methods of implementing administrative procedures in the electronic environment
Reason: Create favorable conditions for subjects to carry out administrative procedures.
b) Recommendations for implementation:
– Supplementing regulations on implementing administrative procedures in the electronic environment in Decree No. 126/2020/ND-CP dated October 19, 2020 of the Government; Circular No. 80/2021/TT-BTC dated September 29, 2021 guiding the implementation of a number of articles of the Law on Tax Administration and Decree No. 126/2020/ND-CP .
– Implementation roadmap: 2024 – 2025.
引用元:412/QD-TTg
この決定書による日本人や日系企業への影響とは?
この規制削減および簡素化計画は、ベトナムで事業を展開する日系企業に対して以下のような影響を与えると考えられます。
- 税務手続きの負担軽減:個人所得税の削減により、従業員の税務負担が軽減され、企業全体の税務処理が簡素化されることが期待されるかもしれません。(ただし事業形態に注意ですね)
- 電子行政手続きの普及:電子環境での行政手続きが進むことで、従来の紙ベースの手続きに比べて効率が向上し、手続き時間の短縮が図られます。ベトナム人は若い人の国なのでDXが進むのは日本より早いでしょうね。ベトナムに進出している日系企業にも朗報です。
- コスト削減:手続きの簡素化により、事務処理コストやコンプライアンスコストの削減が見込まれます。
TTHCコード「3.000083」は、ベトナムの行政手続きに関するコードで、具体的な手続きを識別するための一意の番号です。TTHCは「Thủ tục hành chính」(行政手続き)の略であり、ベトナム政府が各種の行政手続きに対して割り当てるコードを示します。このコードにより、特定の手続きに関する詳細情報を簡単に参照できるようになります。
あなたがこの決定書に備えて準備すべきこと
なにか新しい決定書、法律がでてくればその影響を予想する必要があります。
準備すべきことって?いったいどんな事だろう?
日系企業がこの新しい環境に適応するために準備すべきポイントは以下の通りかなと思います。
- ベトナム税務担当者の教育:新しい税務規制に関する知識を深めるため、税務担当者や会計スタッフに対して定期的な研修を実施しましょう。この時、外部のコンサルティングを利用するというの賢い選択肢です。
- 電子手続きへの対応:電子行政手続きに対応するためのシステム導入や、スタッフのITスキル向上を図ることが必要です。どんな便利なツールができても、使いこなせないと意味がないです!ただこのあたりは若くて脳みそがやわらかい世代が多いベトナムであれば問題ないでしょう。
- コンプライアンスの確認:新しい規制に準拠するため、内部監査やコンプライアンスチェックを強化しましょう。このあたりは時間がかかりそうです。ベトナム。
- リスク管理:自然災害や事故などのリスクに対する備えを見直し、必要な保険や緊急対応計画を整備しましょう。
この決定第412/QD-TTgをもう少し分析する。ギャンブルも緩和か?
以下の構成要素でそれぞれ詳しく解説されています。
I. 業種:会計サービス
II. 業種:価格査定サービス
III. 業種:銀行金融部門
IV. 業種:税務分野
V. 業種:関税分野
VI. 業種:証券分野
この中で気にすべきはIV. 業種:税務分野ですがそれは上記で説明済みです。業種:会計サービスを詳細にしらべると以下のようなことがわかりました。ただ日系企業という意味ではそんなに気にしなくていいでしょう。
銀行金融部門の内容が面白いです。競馬とか、賭博とかカジノの規制を緩和しているように見えますね!
関税分野もまとめますね。
まとめ
決定第412/QD-TTgによる簡素化等の計画は、ベトナムで事業を展開する日系企業にとって、ビジネス環境を大きく改善する可能性があるかもしれません!
新しい規制に迅速に適応し、適切な準備を行うことで、日系企業はベトナム市場での競争力を一層高めることができるでしょう。