こんにちはマナボックスの菅野です。

今日は『技術移転登録証明書の取得の流れ』を解説したいと思います。以下のリンク先で説明しているように「ロイヤリティ」を日本の本社に送金する時、

>>【ロイヤリティ】技術移転登録をしないことによる2つのリスク

  • 送金(銀行側のチェック)
  • 損金不算入のリスク

という点から

  1. 技術移転登録証明書
  2. 技術移転に関する契約書(例:ライセンス契約書)
  3. 日本の親会社など外国企業が発行する請求書等

のエビデンスが必要となります。本日は一番目の『技術移転登録証明書』の取得の流れを解説しますね。

技術移転契約を締結し、ベトナムでの事業を円滑に進めるためには、科学技術省(Ministry of Science and Technology, MOST)への技術移転登録が不可欠です。各省に科学技術省があるようです。

この以下に、技術移転に関する登録の流れを詳述しますね。

技術移転契約の基本的な流れ

技術移転契約の登録手続きにはいくつかのステップがあり、それぞれのステップには注意点があります。以下に詳細な手順を示します。

1. 技術移転契約の締結

最初のステップは、技術移転契約を締結することです。この契約には以下の情報が含まれる必要があります。

  • 技術移転の内容と範囲
  • 契約期間
  • 支払い条件
  • 双方の責任と義務

この際、内容には要注意です。

「ロイヤリティーやラインセンス契約」を07/2017/QH14の観点からこの規制に準拠するように契約を修正します(該当する場合)。ベトナム弁護士等の専門的な知識が必要です。

また「ロイヤリティーやラインセンス契約」が英語または日本語の場合は、ライセンス契約をベトナム語に翻訳する必要があるでしょう。

2. 必要書類の準備

契約締結後、以下の書類を準備する必要があります。

  • 技術移転契約書(ベトナム語)
  • 技術移転に関する登録申請書
  • 当事者双方の法的文書(企業登録証明書など)
  • 技術内容の詳細説明書

3. 科学技術省への登録申請

次に、科学技術省(MOST)に対して登録申請を行います。基本的な申請書類は以下の通りです。

  • 技術移転契約書
  • 登録申請書
  • 企業登録証明書(ERC)
  • 技術内容説明書

4. 登録手続きと説明

科学技術省への申請が受理されると、担当官による審査が行われます。審査に通過すると、登録証明書が発行されます。審査期間は通常、申請後5営業日以内です。なお申請は「技術移転契約書」の締結日から90日以内にする必要があるようです。

5. 登録証明書の発行(最終アウトプット)

審査が完了し問題がなければ、技術移転の登録証明書が発行されます。この証明書は、ベトナム国内での技術移転の法的な証拠となります。

以下のようなフォームになっております。

技術移転登録証明書
技術移転登録証明書

番号: 02/G〇〇-SKHCN、2024年○月○日発行

1. 技術移転者:(架空の会社です)

  • 名前: ABC株式会社
  • 本社所在地: 〒123-4567 東京都新宿区○新宿1-1-1 SHINJUKU TOWER 20F
  • 電話番号: +81-3-1234-5678
  • 設立証明書番号: 0202-02-002002、1970年6月1日発行、東京都発行

2. 技術受領者:(架空の会社です)

  • 名前: XYZベトナム有限会社
  • 本社所在地: ベトナム ホーチミン市 タンビン区 レズアン通り123
  • 登録証明書番号: 1234567890、2022年2月18日に5回目の登録、ホーチミン工業団地管理委員会発行
  • 事業登録番号: 0303030303、2008年4月7日に初回登録、2023年5月4日に更新、ホーチミン投資計画局発行

技術移転登録:

  • 技術移転契約書の名前: 2024年○月1日締結の技術移転契約書
  • 技術名: 金属表面処理化学物質生産技術
  • 技術移転形態: 投資プロジェクト
  • 技術移転内容: 技術解決策、プロセス解決策、ソフトウェア、表、図面、技術文書、計算式、コンピュータソフトウェア、データ情報
  • 技術移転契約書の期間: 技術移転契約書の発効日から〇〇年間
  • 製品名: 添付された製品リストに詳細(添付ファイル)

科学技術局長 グエン・タット・ニエン

登録手続きを円滑に進めるためのポイントとは?

登録手続きをスムーズに進めるためには、以下のポイントに注意することが重要です。

  • 書類の正確性:すべての書類が正確であることを確認し、不備がないようにしましょう。上述でも説明しましたがとくに「技術移転の契約書」の内容は留意です。
  • 期限の遵守:登録申請は契約締結日から90日以内に行う必要があります。
  • 専門家の利用:必要に応じて、法律や会計の専門家に相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。

その他の実務上の3つの注意点

以下の3点があります。それは限定コンテンツのM-labで解説したいと思いますね。皆様にお役にたてれば幸いです。