ベトナム税務ニュースです。

今日は『インボイスの発行時期を間違えると罰金を実際に課される』というテーマでお伝えします。もしあなたの会社がEPE向けに出荷している場合にこの論点に遭遇するかもしれません。

こんな場合にはモノが先に移動し「通関申告」が後になる

特殊なケース（例：特例輸入者制度など）になると思いますが、以下の流れの場合があるようです。

  • モノが先にお客様へ（EPE）へ搬入
  • その後に「通関申告」

です。通常の大きな流れ（他にもいろんなステップがありますが）は「通関申告」の後にモノが動きます。そうでない場合ですね。例えば…。

  • モノが先にお客様へ（EPE）へ搬入→7月30日
  • 「通関申告」→8月5日

などです。この場合に以下のタイミングで売上認識してVATインボイスを発行することが考えられます。それは7月30日のモノが動いた日です。出荷しモノが届いているのでこのタイミングでも会計的な視点でいえば正しいと考えることもできます。

やっぱりベトナムでは「税務」が中心だから気をつけろ！

しかし税務調査という観点ではやっぱり税務の視点に留意しなければいけません。

  • VATインボイスは「通関申告」の日に発行する。そうしないと罰金！

これです。日付を間違っただけで「罰金」なのでかなり厳し目ですね。これは厳しい(涙）。

2020年10月19日付で発行された政令123号(Decree No. 123/2020/ND-CP)第13条3項b、cによると、輸出VATインボイスは、税関申告の手続が完了した後に発行されることと規定されています。

Article 13. Use of e-invoices in sale of goods and provision of services

b) Export entrustment:– When delivering the goods to the trustee, the trustor shall use the delivery and internal transfer note.– After the customs authority confirms that the goods have been exported in reality and the trustor has confirmed the quantity and value of goods exported in reality, the trustor shall issue an electronic VAT invoice, which will be used for declaring VAT and claiming VAT refund, or issue an electronic sales invoice. The trustee shall provide the electronic VAT invoice or electronic sales invoice for the foreign buyer.

c) Use of electronic VAT invoices by exporters declaring and paying VAT by following credit-invoice method (including export processors):

When delivering goods to the border checkpoint or customs post where export procedures are followed, the exporter shall use the delivery and internal transfer note as document for goods circulation. After the export procedures are completed, the exporter shall issue a VAT invoice for the exports.

引用元：Decree No. 123/2020/ND-CP)第13条3項b

なので上記の例でいえば7月じゃなくて8月5日に「VATインボイス」を発行する必要があります。

>>ベトナムの収益認識基準（売上をいつ計上？）を3つの観点で整理

罰金について

税務およびインボイスにかかる行政違反に対する罰則 を定めた2020年10月19日付政令 125/2020/ND-CP等を確認する必要があるでしょう。税務、VATインボイス、関税分野における違反への行政処分規定に関する政令を修正・補足する政令102号(Decree No. 102/2021/ND-CP)も必要に応じて参照する必要があります。

まとめ

今日は『通関申告よりもモノの移動が先で、インボイスの発行時期を申告の日にしないと罰金だよ』というテーマでお伝えしました。

少し特殊なケースかもしれませんが、原則通り「通関申告の日」でVATインボイスを発行することが必要となります。

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