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ベトナムの税収と予算: 8ヶ月間の成果と今後の課題

2024年の最初の8ヶ月間、ベトナムの税収は著しい成長を遂げ、経済回復が順調に進んでいることを示しています。税務総局の最新レポートによると、総予算収入は1兆1,468億2,800万VND(約6兆8,000億円)に達し、前年同期比で117.9%の成長を見せました。政策を除いても前年同期比で10.2%の増加が見られ、経済全体が徐々に回復していることが明らかです。以下の記事とあわせて読んでいただけるとわかりやすいかもしれません。

>>【図解で解説】ベトナム経済を読み解く!ベトナム歳入・税収を4つの視点で解析≪日本の歳入との比較分析あり≫

税収の内訳: 大きな要因は国内収入

ベトナム税務総局によれば、国内収入は1兆1,074億6,400万VND(約6兆5,000億円)に達し、ベトナム経済を支える主要な要因となっています。国有企業や外資系企業、非国有企業からの税収が安定的に増加しており、例えば非国有企業からの収入は81.4%、個人所得税はの81.3%の進捗を示しています。

特筆すべきは、外国供給業者からの収入が見積の112.2%に達し、デジタルプラットフォームを介した国際取引がベトナム経済において重要性を増していることを示しています。また、土地や水面の賃貸料収入は108.9%に達し、不動産市場の活性化が反映されています。

主要なベトナム税収項目まとめ(2024年8月まで)

以下の通り!

  • 総予算収入:1兆1,468億2,800万VND(約6兆8,000億円)
  • 国内収入:1兆1,074億6,400万VND(約6兆5,000億円)
  • 国有企業からの収入の達成度:72.6%
  • 外資系企業からの収入の達成度:73.4%
  • 個人所得税の進捗:81.3%
  • 土地・水面賃貸料収入:108.9%
  • 外国供給業者からの収入:112.2%

成長の要因と直面する課題とは?

ベトナム税務総局は、税収増加の主な要因として、法人所得税、宝くじ会社の利益、国立銀行の収支差額を挙げています。これらがベトナム経済回復を強力に支えています。しかし、依然として解決すべき課題もあります。特に、土地収入や自動車生産・組立産業の税収進捗が遅れており、ビンフック、ニンビン、クアンナムなどの地域では、自動車税収が見積の65%未満にとどまっています。

さらに、土地使用料の徴収も全国平均を下回っており、37の地方で進捗が遅れています。これに対して、税務総局は迅速な土地競売の実施を求めており、今後の収入増加に向けた対策が必要です。

税収と税務調査の関係(限定記事)

税収の達成度と税務調査の厳しさとは関連があります。以下の記事で詳細に解説しています。

>>【M-Labo】限定動画 ベトナム税務調査の実態【論理より感情だ!】

税務管理の強化と今後の展望

税務当局は、税収増加を目指して38,705回の税務調査を実施し、これに基づき3兆9,859億VND(約2,400億円)が追加徴収される見込みだそう! 

税務調査の数すごいですね。

また、税の債権の回収も進展しており、前年同期比で29%増加した5兆3,771億VND(約3,300億円)が回収されました。

特に注目すべきは、電子商取引やデジタルプラットフォームに対する税務管理の強化です。ベトナム政府は世界的な最低税導入に向けた法改正を進めており、デジタル経済への対応を急いでいるようです。

納税者サービスの向上

さらに、納税者に対するサービスも大幅に改善される予定です。たとえば、Etax Mobileアプリのアップグレードや、個人所得税の自動還付機能の導入が進められており、これにより納税手続きの簡素化と迅速化が期待されています。これらの取り組みは、納税者にとって利便性を高めるだけでなく、税務当局とのコミュニケーションを円滑に進めるための重要なステップです。

今後の課題と期待

税務総局は、これからも税務管理を強化し、経済全体の回復を支えるための政策を進めていく方針です。土地収入や自動車税収の進捗を改善し、全体的な税収増加を目指します。また、デジタル経済への対応を強化することで、今後の税収基盤をさらに拡充する計画です。

企業や個人にとっては、税務当局が提供する新しいサービスを活用し、効果的な税務管理を行うことが、今後の成功の鍵となるでしょう。