今日は、ベトナムにおけるニュース解説です。
ベトナムに住んでいる人であれば今回の台風の凄まじさを経験していると思います。実際に多くの人が犠牲者となっています。
みなさんの身近な人の家族も影響を受けているかもしれません。
この記事のもくじ
SNSで発信している募金と実際の募金が違う?【有名TikTokerの謝罪】
9月13日の朝、ベトナム祖国戦線中央委員会の運動委員会代表は、台風3号(ヤギ)による被害を克服するための支援キャンペーンに関する情報を確認する会議を開催していることを発表しました。これに基づき募金活動をしています。口座情報も公開しておりどなたでも募金可能です。
9月12日17時時点の統計によれば、中央救済動員委員会の口座に組織や個人から送金された金額は、合計527.8億ドンに達しているようです。おおよそ3億円程度です。多くの人が募金しています。困った人を助けあうのはとてもいいことでしょう。
しかしながら、悲しいというか怒りというか情けないというかそんな事件が発生します。それは
SNSで募金したと表明した金額と実際の金額が違う!嘘をついて実際にはそれほど募金していない。
めっちゃ悪質な詐欺じゃん!と思うのは私だけじゃないでしょう。こんな悪い人が世の中にはいるんですね。実際にその事例を見てみましょう! 以下はニュースのマインドマップです。
ケース1:フォロワー130万人のTikToker、派手で不適切な行為を認める
この人物は、同名のTikTokチャンネルを運営するViet Anh Pi Poで、フォロワーは130万人、いいねは5600万件に達しています。すごい影響力です。
Viet Anhさんは、9月10日の朝に台風3号の被害を受けた人々を支援するため、2000万ドンを寄付したとするスクリーンショットをシェアしました。しかし、ベトナム祖国戦線が発表した声明により、実際の寄付額は100万ドンであることが明らかになりました。
100,000円寄付したよ!って言ったのに5,000円のイメージですね。とんでもない人ですよね。嘘つき。
9月13日の午前5時、Viet Anh Pi Poはこの件に関する動画を投稿し、謝罪しました。彼は、自分のチームのメンバーに寄付金の送金を依頼したが、残高を確認していなかったと述べました。現在、Viet Anhはこのメンバーと問題を解決し、自分が完全に非があることを確認しました。また、彼は2000万ドンをベトナム祖国戦線に再度送金したことを明らかにしました。その後謝罪はしているようです。
ケース2:Anh Trai Vuot Ngan Chong Gaiを支援するファンページ、200kドンから2000万ドンに「魔法のように」増額
個人だけでなく、ファンページも寄付額を「隠蔽」したことで批判を受けています。特に注目を集めたのは、「Hoi Seeding」という名前で、フォロワー46,000人を抱えるAnh Trai Vuot Ngan Chong Gaiを支援するファンページです。
このページはかつて、寄付額を2000万ドンと発表しましたが、声明が明らかにされた後、ネットユーザーは実際の送金額が200kドンであったことを発見しました。このため、人々はページに真実を知るための要求を寄せました。
これは100,000円募金したよ!って声明しているのに1,000円だったケースです。これもかなり悪人ですね。
月13日の早朝、このページは釈明と謝罪を行い、これはグループ内の管理者によるものであると説明しました。現在、この管理者は自ら非を認め、管理者権限も剥奪されているようです。
ケース3: 支援を呼びかけた後に1000万ドンを横領
寄付のバナーだけでなく、声明はネットユーザーによって驚くべき「横領」事件も明らかにしました。
具体的には、商品オークションのグループ内で、管理者が寄付を呼びかけた人物の取引を慎重に確認し、詐欺の事例を発見しました。KLという名前の人物が600万ドン相当の商品をオークションにかけ、他の人からの寄付を受けて総額1000万ドンに達し、その金額を寄付すると宣言しました。
しかし、KLが実際に寄付した金額は100kドンに過ぎませんでした。管理者はこの件を公にし、全員で確認を求めました。「善意のある人々から預かった寄付金を横領することに私は非常に失望しました。深夜に直接この件を公表しました。」これは5万円寄付するよって言ったのに500円しか実際にはしていなかったということです。これも悪人ですね。
現在、KLは1000万ドンをベトナム祖国戦線に送金し、謝罪しています。
なぜ、悪事がバレたのか??情報の透明性が大事!
ではなぜこんなことがわかってしまったのでしょうか? 自分をよく見せようとしてSNSでは大きな金額を募金したと発信しておいて実際の募金の金額はそれよりも低い金額だったのがなぜわかったのでしょうか?それは…
募金の詳細な情報が公開されているから
です。
支援者リストの詳細が公開がされているようです。具体的に、このリストには、
- 送金日
- 送金額
- 個人・団体・企業の取引内容
などの詳細な統計が含まれているようです。支援者リストは今後も更新され、ベトナム祖国戦線が公表する予定です。
私も実施してみました!各銀行がそれぞれ公表しているようです。以下のリンクから「SUGENO」と検索するとそれを探すことが可能です。
海外不正も同じロジックだ!防止方法は「見られる化」
このこと自体、詐欺つまり不正と同意義です。そこで気になるのは海外不正との関連です。残念ながらこのような不正が起きてしまったとは言え、世間に明るみになったことはとてもいいことだと思います。このような情報が出て来なかったらこのような詐欺師は増え続けるでしょう。ポイントは以下の通り。
- 海外不正の防止策は見られる化!
です。以下のブログでも記載の通り不正を防止する方法としてかなり有効なのが「見られる化」だと私は考えています。
>>変なロボットがなぜ、海外子会社の不正を防止できるのか?~見られる化の重要性~
バカな社長がいる会社はカモにされる
見出しの言葉の響きが悪くてすいません。でも数千万とか億を超える被害のリスクがあるのであえて厳しい言い方しますね。バカな社長がいる海外子会社では不正を防止できないというのが厳しいですが事実です。
「この社長、ちゃんと会社のこと見てるな。わかってるな」という雰囲気があれば不正は防止できます。逆に「この社長、なんにもわかってないな」と思われると不正も起きてしまいます。そのため、社長はきちんとベトナム、海外のこと、会計・税務、法律周りのことを理解することが大事です。これ本当です!
テイカーとは付き合うな【Give& Takeから学べる人付き合い】
もう一個、リンクする概念があります。それはテイカーです。『
そこで出てくる危険人物が「テイカー」です。「テイカー」とは、常に自分の利益を優先し、与えるよりも多くを受け取ろうとする人を指します。テイカーは自己中心的で、他者の利益にはあまり関心を持たず、自分の利得を最大化することを目的としていますあなたからいろんなことを奪い、人生を滅茶苦茶にする人です。これに関連するのですが以下の通り弊社でレクチャーでもこのテイカーが関連しています。「信頼」を積み上げその積み上がりがいずれお金になるという授業なのですが、人を騙したりすると「信頼」がなくなるので長期的に見れば貧乏になるよ!というお話です。
>>メンバーに「お金の授業」をした2つの意図とは?【信用が大事!】
このインフルエンサーもまわりにはいい顔しておいて、結局自分の利益を優先したということです。まさにテイカー!このような人を避ける必要がありますね。以下の動画でも説明していますが、テイカーの特徴として
- SNSやウェブでの写真を盛っている(加工など)異様に自分の顔がでかいなど!
- 常に主語が「私」
- 相手の話を遮る
- 謝ることができない
などなど。インフルエンサーなので一番最初のSNSの写真で自分を実際の自分よりもいい写真を使うなどがあてはまりやすいかもしれません。
まとめ
本日は『募金詐欺から学ぶ海外不正の防止法』というテーマでお伝えしました。
- ベトナムの台風ヤギ被害に関する募金
- 実際の募金額を世間に公表している。
- インフルエンサーが好評した募金と実際の募金が異なり大炎上【虚栄心】
- 不正の防止と関連する。それは「見られる化」だ!
- Give& Take とも関連する。テイカーには気をつけろ!
です。お役にたてれば幸いです。