こんにちはマナラボの菅野です。
今日は『ベトナム人の優しさ』を深掘りしていこうかと思います。
ベトナムで働いているとよくこんなお話を聞きますよね。
- 道で困っている人がいれば親切に案内する
- 道路で倒れている人がいればみんなで助ける
- 台風で倒れそうなバイクがいれば大きな車がその風の影響を受けない様に守ってくれている
- 体調が悪そうな人がいれば薬を買ってきてくれる
一般的に、ベトナムの方々はとても親しみやすく、家族や友人、コミュニティの人々を大切にする文化があります。互いに助け合う精神が根強く、特に困っている人に対して手を差し伸べる姿勢は、多くの場面で見られますよね。だからベトナムが好きな日本人は数多くいると思います。私も大好きです!
なお、「ベトナム人は〜〜〜。日本人は〜〜〜」という主語がデカすぎるのは好きではありません。むしろ数字の入った紙に価値を感じる「ホモ・サピエンス」なんだから所詮大した違いなんてないと思っています。
という一方で私はベトナムで2018年からビジネスをしていますが以下のことをはおそらく1,000回以上は発言しているかもしれません(笑)
- PUT YOURSELF IN SOMEONE’S PLACE/POSITION/SHOES
- If I know it, then of course everyone around me knows it. Please do not think like that.
「相手の立場になって考えて〜」「もし自分が知っているのであれば周りも当然自分と同じように知っているとは思わないでください」
といったことをベトナム在住8年目の2024年でも同じ様に発言していると思います。つい先日も同じ様なことをメンバーに言いましたね。
例えば弊社であればスタッフが相手のお客様に対して自分と同様の会計・知識を持っていると言う前提で対応してしまうことがあるんですね。
「そもそもお客さんそれわかんないから話伝わらないよ!」と。
ベトナムでビジネスされているあなたも同じ様な経験があるんじゃないでしょうか?
身近な例で言えば
- 美容室で依頼した通りじゃなく自分がかっこいいと思っている髪型に勝手にされる
- スタッフにガイダンス付きで依頼したら全く違う成果物が来た
などなど。
この記事のもくじ
「見える」ところについてはとっても親切。けれど…。
親切そうで実は親切じゃない?みたいなことは感じてはいました。でもうまく言語化できない。そんな感じでしたが今回いろいろ考えるきっかけがあって思考を整理しました。
サンプル数は述べ100人くらいですし8年くらいの経験なのでデータとしては不十分です。けれども共感してくれる人はいるんじゃないかなあと思います。もちろん全てがそんな人じゃないですし私のビジネスパートナーたちのベトナム人のプロフェッショナルな人たちは「相手の立場」になることが得意です。
以下のような感じの言語化や整理がしっくりきたんですね。
- 「見えているところは優しいがそうじゃないところはそもそも認識できない」
こんな感じでイメージしています。
イメージだと以下の様な感じかなあと。海に浮かんでいる氷山を思い浮かべてください。そのうち地上に出ている部分については「見えている」ので優しくしていただいている。でもそうじゃない「海の中の部分」はそもそも気がつないので「優しく」できないですよね。だって認識できないんですもの。
ただそもそもの問題で「知識の呪縛(Curse of Knowledge)というバイアスが人間にはあります。脳は一度知ってしまうと知らない人の立場でもものごとを考えることができなくなってしまうのです。その結果、自分の知っていることは相手も知っていると期待する傾向があるんだそうです。このバイアスが強め!だとも言えますね。
具体例を含む図解は以下の通り。
- 会計・税務申告手続き→私がわかるんだから他の人もわかる→マニュアルの作成意味もわからないし作成出来ない
- 税務などの依頼資料→私がわかるんだからお客様もわかるでしょ。→専門用語使いまくり。
じゃあどうすればいいの?
ではどのようにに解決すればいいのでしょう? 8年も経っても同じ様なことで悩んでいるので「諦める(いい意味で)」「流す(いい意味で)」といった諦めのようなマインドも大事かもしれません。
けれど、私は以下のようなことを伝え続けて少しでもいい意味で成長していきたいと思っています。
コウモリの目を持ってくださいね!
4つの目ってありますよね。その「コウモリの目」をきちんと継続的に伝えます。
https://www.instagram.com/p/CZYLCSiLENc/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
この4つの目(鳥の目、虫の目、魚の目、コウモリの目)は、異なる視点から物事を観察し、意思決定やコミュニケーションに役立てるためのアプローチです。それぞれの視点は、異なる状況での対応や判断において効果的なものです。
1. 鳥の目(マクロ視点)
鳥の目は、物事を俯瞰的・大局的に捉える視点です。追い詰められて視野が狭くなりがちな時に、全体像や長期的なビジョンを見直し、真に重要な目的や経営理念に立ち返ることができます。これは、部分的な問題に左右されることなく、経営の大きな方向性を見失わないために重要です。
2. 虫の目(ミクロ視点)→これは得意という傾向があるかなと
虫の目は、目の前の具体的な問題や状況に集中する視点です。緊急時や現場での対応が求められる場合に、細部に注目し、今すべきことを的確に実行する力が重要です。現状でコントロールできることにフォーカスし、地に足をつけて行動することで、現実的な解決策を見つけるのに役立ちます。
3. 魚の目(トレンド・時間軸視点)
魚の目は、時流や流れを読む視点で、時間の経過を考慮した上で判断することを促します。現在の状況を超えて未来の可能性に目を向け、長期的な観点から価値を見出します。これにより、現在の危機を成長の種と捉え、未来への投資や挑戦を視野に入れた対応が可能になります。
4. コウモリの目(逆の立場・他者視点)←ここ!
コウモリの目は、相手の立場に立って物事を捉える視点です。特に困難な状況では自分の視点に固執しがちですが、意識的に相手の気持ちや考え方に目を向けることで、新たな理解や解決策が見えてきます。これは、従業員や関係者への配慮を忘れず、共感的な対応を行うために重要です。
もし私があなたなら?相手の背景とか検討しました?です。
伝統的なPREPを使うようにお願いしている
基本的な大事な雛形を徹底的にまず使う!というのをお願いしています。
>>PREPは、やっぱり大事というお話。プロセスエコノミーにも使えると思う
マッキンゼーの空・雨・傘をアレンジした雛形をつかってもらう!
マッキンゼーなどのコンサルティング業界でよく使われる論理構築のフレームワークの一つです。これは、プレゼンテーションやレポート、提案書などで効果的にメッセージを伝えるためのシンプルな構成法として使われていますよ。
「空・雨・傘」のそれぞれの要素は次のように整理します。
1. 空(Sky) – 事実や状況の説明
まず、現在の状況や背景を説明します。これは「空がどうなっているか」を説明する部分で、全体の文脈や基本的な前提を共有する役割を果たします。
感情と事実をごっちゃにしないためにすごく大事!
2. 雨(Rain) – 課題や問題の提示(解釈)
「空が曇っているな。雨が降り出しそうだなあ」
次に、現状の問題や課題について説明します。空の状況からどのような問題や変化が起こっているか、またはその影響について具体的に示します。たとえば、「雨が降りそうだから外出するときに傘が必要だ」といった具合です。これによって、解決が求められる事実を共有し、聞き手の注意を引きます。
3. 傘(Umbrella) – 解決策や提案
最後に、提示した課題に対する具体的な解決策や提案を述べます。これは「雨が降るから傘を持っていこう」という流れで、問題に対してどのように対処するかを示します。
とくに「事実」(空)と「解釈」(雨)をきちんと分けるという雛形になっているところが有効なんですね。
海外旅行行ってよ
そして最後はこれ。海外旅行に行くことで、相手が何をいっているのか?わからない(言語じゃなくて)という状況に自らを追い込めば「相手の立場」に立つことができるようになるはず。
私の経験でもコミュニケーションが難しくない人の共通点は「海外経験がある」です。
まとめ
今日はベトナム人の優しさについて構造的に深く考えてみました。
- 見えるところについてはとっても優しい
- 見えないところは認識できないから優しくできない
という傾向が強いというお話しでした。
相手のことばかり気にして自分を大切にしないのも問題だし、自分のことだけ考えて相手が深く何を考えているのか?がわからないのも問題です。
いろいろとありますけど感謝しながら日々を過ごしたいです!